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株式会社ベクトル ZAC導入事例

  • 広報/PR業
  • 従業員数201名以上
  • 内部統制・上場準備
  • システム連携
  • 情報の一元化
  • 関東地方

2012年3月にマザーズ新規上場を果たした戦略PRのパイオニア、ベクトル。急速な成長に柔軟に対応すべく、クラウド型ERPを採用。

ベクトルグループが目指すシンプルかつ適切な業務プロセスの構築にマッチし、かつ、スピーディな事業部門の変化にも柔軟に対応できる業務システムインフラとしてグループ経営情報の共有化を実現。
──代表取締役CEO 西江 肇司 様
──取締役 羽入 敏祐 様

リーマンショック以後の戦略PR業界の成長が寄与

3月にIPOされ、ますます業績を伸ばしていますが、好調の要因としてはどういったことが考えられますか?
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西江様:まず背景として、リーマンショックで企業の広告予算が絞られたことで、もっと効率的に商品・サービスを広めたいというニーズが起こり、「PR」への注目が高まりました。そこから、さらに広告宣伝的な意味での「戦略PR」ブームが始まり、PR業界自体へのニーズも大きくなりました。リーマンショック以前からも、僕らより大きいPR会社はありましたが、いずれも広報PRを得意としていたのに対し、ベクトルではPR事業開始から一貫して商品・サービスの広告宣伝PRに的を絞り、営業活動を続けてきたのが好調の要因の一つだと思います。
限られた広告予算の中で、なるべく費用をかけずにメディアに載りたい、番組やWEBで紹介してもらいたい、口コミで話題にしたい、というニーズはますます増えてますからね。

シンプルな利益管理の徹底が、継続した成長につながる

業績が伸びて組織も拡大し続けていると思いますが、経営管理の観点で何か要因があればお聞かせください。
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西江様:経営管理の観点で言うと、そもそもPR会社というものは広告出稿という形でメディアにお金を払わないので広告代理店などに比べると売上規模は小さくなります。売上の絶対額が小さいので、なおさら利益管理が重要となってきます。ですから売上ではなく粗利益をベースに数値管理をしています。営業サイドでも粗利益をベースとした独自指標で営業目標と実績管理をしているので、社内会議でも売上の話は出ず、粗利益の会話しかしないといったように利益ベースでの管理方法が特徴です。プロジェクト管理についても粗利益の指標をベースに、どれくらい利益をあげることができるかを各部署、各チームがそれぞれの権限で行っています。
羽入様:グループ全体においても、粗利益を指標として毎週、毎月、定期的にプロジェクトの進捗管理をしているのですが、月次ベースで計画から実績まで俯瞰的にわかるようワンシートによる利益管理を行っています。
西江様:ワンシートでの粗利益による指標管理が重要で、それを見れば会社の状況はすべてわかるようにしています。
なるほど。ZAC Enterprise(以下、ZAC)はそのワンシートのもととなる計数管理に活用されているということですね。
羽入様:営業報告の数字情報を正確に把握するための基幹システムとして活用しています。
西江様:ZACを導入する以前は、経営計画から請求書発行や経費など細かいところがリンクしていなくて、プロジェクト情報管理に時間を費やしていましたが、ZACで一元化することができました。ワンシートでの利益管理に向けて経営計画や請求書発行、経費精算その他すべての営業情報を一元化させるシステムがZACだったということです。私の経営スタイル「シンプル」にマッチしており、導入してよかったです。

同じ情報を複数のシステムで二度入力。システム間のデータの整合性に不安があった。

ERP導入以前のお話をお伺いさせてください。社内でシステム化のプロジェクトが起こる以前は、どういった課題がございましたか?
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羽入様:導入以前は、売上請求書や見積書作成とプロジェクトベース損益管理といった基本機能に絞り込んだカスタマイズシステムを利用していました。発行した売上請求書と連動したプロジェクト単位の粗利管理ができるため、一定レベルの損益管理はできたのですが、システムのプロジェクト損益情報と会計システムとが連動していなかったことから、全社的計数管理を正確に把握できる構造になっていかったのがまず一つの課題でした。カスタマイズシステムの導入当初は、会計ソフトと連動していなかったので、出力情報を会計ソフトに手入力でデータ入力していました。
現場の各担当から集まってきた情報を経理の方が会計ソフトに入力されてたんですか?
羽入様:売上、費用・原価の情報をシステム入力するのは各担当でした。そこから経理担当がシステム上のプロジェクト損益情報と出力されたプロジェクト管理帳票とをチェックし、システムでデータ確定をするのですが、会計ソフトへの入力は、プロジェクト管理帳票を見ながら、もう一度、会計ソフトにマニュアル入力しており、同じ情報を二度入力する必要がありました。会計ソフトへの入力作業は手入力でしたので、システム間のデータの整合性に不安がありました。
また、取引先のマスタデータも、業務システムと会計ソフトのそれぞれに存在し、一元管理されていなかったので、マスタデータの信頼性にも欠けていたと思います。せっかくシステムにデータ入力するのであれば、各担当が一度入力したデータを経理サイドでそのまま生かしたい、というのがERP導入プロジェクトを始めるきっかけでしたね。

IPOを目指し、企業規模やステージに応じたシステム投資で効率化を実現したかった

IPO(株式公開)に向けてERP導入を検討したという側面はありましたか?
羽入様:IPOができる、できないは、その時代のトレンド、タイミング次第という面もあるので、上場会社に求められるあらゆる管理機能を取りそろえた、高額なERPシステムを導入することは考えてなかったです。上場しても、しなくても、会社規模にマッチした、使い続けられる業務システムを導入するという視点で検討していました。ですので、数千万、数億円かけるという選択肢はありませんでした。事業規模拡大もそうですが、リーマンショックなど社会情勢が読み切れない中でバックオフィスの体制構築が求められていたので、投資コストを抑えながら業務の効率化ができるシステムを探していました。

選定のポイントは事業規模に応じた柔軟な拡張性と、IPOを意識した職務権限管理

複数のERPからご検討されたと思いますが、具体的にどういった軸で選定をされましたか?また、ZACを選定されたポイントはどのあたりにあったでしょうか?
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西江様:まず一つ、ZACは事業規模に合わせてシステムの利用範囲を柔軟にコントロール出来る点がポイントでした。
羽入様:社内IT担当のスキルによって使えるシステムのレベルが変わるので、大規模なERPをフルスペックで導入しても、担当の力量やユーザーのリテラシーによってはうまく活用できない場合がある。それを避けたかったのでシンプルな管理機能でありながら、利用範囲を柔軟にコントロールできるものを探していました。
もう一つは、ワークフローなどの職務権限の設定のしやすさですね。以前使っていたシステムは、職務権限やワークフローの設定機能を持っておらず、請求書発行ひとつとっても営業担当が自由に発行できる状態でした。当時は押印などのマニュアル・フローで業務プロセスをコントロールしていましたが、IPOを真面目に考えたとき、マニュアル・フローでは将来の事業拡大の足かせになるというのは分かっていました。ですから、内部統制プロセスを業務システム内で構築できることは、システムの選定要件として大きかったです。
内部統制システム機能をもたない、あるいは、機能を持っていてもERPベンダーのSEに依頼しなければ設定を変えられないというのは問題外ですが、たとえば、職務権限を決める人間が、その責任でシステム承認フローを設定変更できることが大事です。成長に伴って組織が大きくなっていく会社ほど、業務フローや権限の見直しが随時必要となってくるので、職務権限やワークフローが変わることを前提としたシステムが必要です。システムが制約となって職務権限やワークフローが変えられないと、それ自体が事業拡大の足かせになってしまいかねないですから。

クラウド型ERPへのチャレンジで急速な組織拡大にも柔軟に対応

羽入様:クラウドもこだわった点の一つです。クラウドベースのシステムであれば、外部アクセスが簡単にできる点、オンプレミスとは違ってシステムそのものの場所を選ばない点、事務所移転などに伴うサーバ移設の負荷が緩和される点、あるいは、社内システムトラブルからリスクが分散される点などがポイントでした。会社の組織・事業形態、活動拠点がどんどん変わっていくことが予想されましたので、クラウドベースのシステム構築にチャレンジすべきと考えました。既に一部の担当者には外部アクセスを許可し、外から自分のプロジェクト情報を確認したり、見積書を作ることも可能です。もちろん、クラウド故にセキュリティについて十分考え続けなければいけないのが悩ましく、ファイル閲覧等アクセス権の設定ルール、監視体制などいろいろ考えなればいけない点はあります。

業務フローのシンプル化で、正確性の高いデータのシェアを実現

ZACを導入したことで社内の業務フローなどの体制に変化はありましたか?
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西江様:「シンプル」を目指す会社なので、できるだけ不必要な入力は避けたいというのが前提としてありました。
羽入様:もともと業務フローはありましたが、職務権限やワークフローをもとに一度入力した情報を有効活用できるフロー構築をこのシステム導入を機に真剣に考えました。営業担当がわざわざ入力してくれた情報を、売上管理や外注管理から、先々の債権管理、与信管理、支払管理、立替経費精算に至るまで、できる限り生かし、再入力するプロセスを減らすことを心がけました。
もちろん、一回の入力情報を複数の管理プロセスで活用する以上、最初のデータ入力情報の正確性はこれまで以上に高いことが求められますが、各自が入力する情報の正確性はおのずとあがってくると思っています。後で修正できると思えば、最初から真剣に正しく入力しようと思わないでしょうが、誤った情報入力により、たとえば誤振込が発生したり、その精度が業務に直結することを意識していただくことで、そのエラーの逓減は徐々に進むのではないかと思っています。入力する瞬間にどれだけ正確に入力しようかという考え方あるかどうかで、その情報の正確性は大きく変わると思うんです。せっかく入力するのであれば、正確な情報を全社でシェアするということが会社の規模が大きくなっていく中での情報共有の考え方としてとても重要だと思います。

IPOに求められる内部統制をZACで実現

IPOにおいて必要とされるシステム統制・IT統制の視点から、ZACは求められる水準をクリアしていましたでしょうか?たとえば、業務フローの中で請求書・見積書など対外的に発行する帳票の証跡管理やログの取得など、ZACはERPシステムとしてIPOに求められる統制に耐えうる形でしょうか。
羽入様:今ではシステム統制がしっかりできていることを、ZACをベースに説明することができるようになりました。まだまだ押印文化は根強いですが、そうしたお客様に対してもZACによる業務プロセスの実情を説明することで、システムで捺印された請求書にご納得いただくことができています。今では社内に捺印された請求書は皆無ですし、請求書番号は個別ID管理しているので、お客様から問合せがあった時にどの案件の請求か即座に答えられるように管理できています。そういう意味で言うとZACでの統制はIPOに求められる統制に十分耐えうると思います。

グループ全体で統一システム基盤を利用することで社員のモチベーション向上につながった

グループ会社様で別々のZACを個別にご利用いただくこともできますが、ベクトル様はベクトルグループ全社で一つのZACを一元的にご利用いただいています。グループ共通でのご利用はいかがでしょうか?
羽入様:ベクトルグループでは、多くの子会社があり、確かに法人格はバラバラですが、グループ全体で損益を一元管理するのがうちの管理スタイルとして定着していました。ですので、各担当が各社のシステム画面を選択してアクセスするというのはフィットしなかったです。営業組織はグループ全体で行っているのに、データ入力において、法人ごとに異なるログイン画面からアクセスするとか、グループ内の他社プロジェクトで生じるグループ間取引の入力はどの会社のログイン画面からアクセスすればよいのか、といったような各担当を迷わせるようなシステム構成は避けたかった。既存の業務プロセスを意識しつつ、最終的な情報管理をグループ全体で統合できるシステム構成がうちには必要でした。
ZACだとグループ間取引も処理できるので、グループ内の仕事のやり取りであっても、それぞれ別の会社のメンバー同士でプロフィットシェアが正確にできるのでうまくフィットしましたし、逆にそれができる環境がないとうまくいかなかったでしょうね。最初の設定はけっこう大変でしたが(笑)

ERPとCRMの統合

今後のZACの活用プランがあれば教えて下さい。
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羽入様:まずは、売上や利益など数字のヨミ、いわゆる見込管理ですね。引合の段階からプロジェクトの数字を管理できるように、早い段階からプロジェクトの情報を入れていきたいです。以前、見込管理をしようとして他のCRMを入れようと検討したことがありましたが、それについてもどういう情報を何のために使うかという会社としての定義づけをしないと難しくて断念したということもありました。どんな目的のためにデータを活用するのかを会社全体で統一することができ、そのために情報の精度を上げてシステム使っていこうというニーズが社内でもっと大きくなってくれば、見込の情報もふくめて、情報を最大限生かしていく仕組も自然と出来上がってくると思います。今はまだ情報を入れるだけでそれぞれに付帯される情報がなく、入れるインセンティブが薄い気がします。
羽入様:CRMの考え方につながると思うのですが、得意先だけじゃなくて仕入先・外注先に対して、どんな業務をうちから外注している会社なのかというデータがユーザーに共有できればいいですね。「A」という仕事は、いつも外注先のB社とC社にお願いしていることがわかればより有益な情報になると思う。新しいメンバーが入った時に、過去にビジネスを進めるうえでどんなパートナーのサポートを受けていたのかがシステムでわかれば、「とりあえずこの外注先をつかっておけば間違いない。」という情報提供も可能になりますしね。過去の取引履歴や業務完了までのプロセスがデータでわかると誰にとっても仕事がやりやすくなるもとを期待しています。
ZACにもCRMの機能があると聞いてますので、見込管理と併せて今後活用していければと思っています。ZACはERPの中でも販売管理システムとしての役割を中心に見られがちだと思いますが、購買管理システムとしての機能も連動して使うことができますからね。その辺は良いと思います。

海外子会社への展開  全世界共通のシステム基盤へ

羽入様:あとは、将来的な中国法人での導入ですね。多言語・多通貨対応は大前提ですが。中国に行ったら経理関連業務は現地の会計士や税理士とかにやってもらう構造だと思いますが、出来るなら会社の考え方を世界的に意思統一するという意味も込めて共通のシステムを利用することは重要だと思います。
仮にZACがERPとして海外でも受け入れられるのならば、うちみたいな人や情報の管理に「シンプル」を追及する会社にとってはすごく魅力的です。そういうシステムを同じ情報基盤として利用できるのであれば、システム選定もなくなるし、海外でのよりスピーディな業務の立ち上げにつながるので望ましいあり方だと思います。日本にいるメンバーが海外で活躍するうえで、彼らの営業面以外のストレスを軽減するためにも使い慣れたシステム環境を提供するのもバックオフィスの役割としては重要になってくると思います。

ERP導入プロジェクトの成功への近道は、ユーザー視点でのゴールのビジョンを共有すること

プロジェクト体制など今後に向けたアドバイスをいただけますでしょうか。
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西江様:まずERPのような新しいシステムの導入プロジェクトを開始するにあたって一番最初に、ERPシステム導入によって最終的に何を得られるのかを整理しておくことが重要です。
羽入様:目標に対して何をすればよいのかという方が、SEじゃない現場のメンバーにも理解しやすい話だと思うし、それをしっかりやることが大事だと思います。ERPとしてのZACを使うことが目的ではなく、ZACはあくまでも目的を達成するためのツールなので、最終的に何を達成したいのかのビジョンをしっかり共有していることが重要だと思います。
またユーザーの視点から見ると、ほんのちょっとしたストレスであっても、システムに使いにくさを感じるので、ユーザーのストレスをいかに小さくしていけるかが重要だと思っています。小さいストレスを解消し続けていくことで、システムとしてのレベルも上がっていきますし、利用しながら全員が改善の視点で見ていき、最終的にはシステムなしには仕事ができないという状態になっていくのがベストなんじゃないでしょうか。
弊社としてもユーザーが使いたくなるERPシステムを目指してインターフェースも含めた使い心地の改善など進めてまいりますので、ぜひよろしくお願いします。ERPという業務システムではありますが、ゲーミフィケーション的な要素を取り入れるなど今後新しい取り組みも進めていく予定ですのでぜひご期待ください。
本日はありがとうございました。

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ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
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株式会社ベクトル(ベクトルグループ) 会社概要

事業概要:
企業の広告・宣伝分野でPRを活用する「戦略PR」のパイオニアとして成長を続けるPR会社。コアバリューである「モノを広める」スキルを通じ、「PR事業」、「Digital PR事業」、「facebook PR事業」、「映像制作事業」の4つの事業を中心に多種多様なニーズに対してサービスを展開している。「アジアNo.1のPR会社」を目指し、中国・ASEAN各国に積極的に進出を強化している。2012年3月に東証マザーズに上場し、業績拡大を続けている。
所在地:
〒107-0052 東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ18F
URL:
https://www.vectorinc.co.jp/
設立:
1993年3月
従業員数:
連結277名(2013年12月末時点)
インタビュー協力:
代表取締役CEO 西江 肇司 様
取締役 羽入 敏祐 様
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