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株式会社サニーサイドアップ ZAC導入事例
- 広報/PR業
- 従業員数101〜200名
- プロジェクト別収支管理
- タイムリーな経営判断
- 情報の一元化
- 関東地方
経営管理の基盤をERPで全社統合。リアルタイムでの経営管理、多彩な経営分析を実現。グループで統一の管理基盤を構築し、業務を効率化。
──取締役COO 久貝 真次 様
「創造型PR商社」を掲げさらなる成長を目指す
- ますます業績を伸ばされていますが、好調の要因はどういったことが考えられますか?
- 久貝様:サニーサイドアップは、PR事業を中心に、アスリートマネジメントなどのスポーツ事業、新事業・新商品開発事業など多岐にわたる事業展開をしています。リーマンショック以降の市場の盛り上がりもあり、既存事業もそうですが、bills(※)などの新事業も伸びています。
今年はロンドンオリンピックも開催され、そういった点も追い風でした。今期は中期経営計画でも掲げている「創造型PR商社」というビジョンをもとに、新事業開発を積極的に行っています。 - ※bills ・・・ 「世界一の朝食を食べられる店」として有名なレストラン。サニーサイドアップグループの株式会社フライパンが運営。
- 「創造型PR商社」とはどういったものでしょうか?
- 久貝様:サニーサイドアップグループの強みでもあるPRを軸としたコミュニケーション戦略というものの上に、新しい事業をのせて、新しいビジネスとして伸ばしていくという考え方です。その中で新たに創造したビジネスを、最終的に会社全体の利益の50%まで比率をあげていこうとしています。
事業ごとの徹底した粗利・売上総利益の管理で損益を予測
- 組織や経営管理の観点でポイントがあればお聞かせください。
- 久貝様:事業のセグメントによっては、一定の売上や粗利があると営業利益ベースで見ても利益が上がるなっていうのは分かるのですが、PR系のプロジェクトなんかでは社内で人的リソースを使うので、売上・粗利の額に対してこれだけ人的リソースを使ったら赤字になるよねっていう売上総利益をベースにした予測や受注判断をしっかり行っています。
たとえば、これぐらいの売上・粗利に対して、このレベルのサービスを提供しなければいけない、そのためにはこれだけの人的リソースがかかるので利益率は低くなりますが、受けますか?受けませんか?といったような場合です。このようなケースでは売上総利益の予測をもとに一定の基準で判断をしています。もちろん戦略的に受注するプロジェクトもあるので一概には言えないところもあります。
セクションごとにバラバラなフォーマットによる経営数字の管理が問題に
- 今回ERPを導入することになった経緯をお伺いしたいのですが、社内でERP導入プロジェクトが起こる前にどういった課題がございましたか?
- 久貝様:もともとサニーサイドアップにはワイズインテグレーションというグループ会社があり、2009年にグループでオフィスの統合、2010年にはグループの管理本部を統合することになりました。それにあわせてグループ統一の経営指標をもとに経営管理をしていこうという体制にかわりましたが、経営数字を管理しているフォーマットが各社で違う部分が多く、連携が組みづらいという課題がありました。
当時、ワイズインテグレーションでは2007年からZACを導入しており、グループでどう連携させていくか、という点がポイントでした。グループやセクションごとで評点を置いているポイントが違うため単純に同じ数字で比較できない部分もありましたが、ある程度統一して経営数字を見られるようにしていこう、ということでシステムを統合しようということになりました。 - 当時、サニーサイドアップではどういった管理をされていましたか?
- 久貝様:基本のフォーマットがあり、それを各セクションごとに管理していました。当初サニーサイドアップでは、いくつかのフォーマットが散在していて、現場にオーダーするための数字管理用と案件管理用のフォーマットがあって、それとは別に全社共有のための営業用と数字管理用のフォーマットがありました。たとえばPRのセクションではプロジェクトの引合から受注の進捗、粗利から売上総利益を管理するフォーマット、要するに労務費を含めて計算するフォーマットまでありました。そこからマネージャーが手作業で集約してまとめた資料を作っていました。本当に全員、全セクション、バラバラな管理をしていました。
しかもその集約と共有が月一だったので全体の数字をリアルタイムに見るのもなかなか難しかったです。
プロジェクト管理の均一化から、多彩な軸での経営データ分析へ
- 実際に導入されてみてどういった効果がありましたか?
- 久貝様:各セクションでバラバラのフォーマットに入力されていたデータが、現場の入力からZAC Enterprise(以下、ZAC)に集約されるようになり統一されました。マネジメント側からするとフォーマットが均一化されましたのでかなり見やすくなりました。一か所にデータが集約されるようになったので、見たい数字を見たい時に見れるようになってきています。これから精度が高まっていくにつれて、クライアントごと、月ごと、担当ごと、セクションごと、プロジェクトごとなど、多岐にわたる軸で、より柔軟に見えるようになっていくでしょう。たとえば、アスリートのプロジェクトでもPRもあれば取材のような仕事もあるので、個別のプロジェクトごとももちろん、そのアスリートの事業を全体で見て赤字なのか黒字なのか見ることができるのも大きいです。
グループ会社での導入成功が評価された
- 他社のERPもご検討されたかと思いますが、ZACをご選定いただいたポイントはどのあたりにありましたか?
- 久貝様:やはり一番大きかったのは、グループのワイズインテグレーションで導入が成功し、うまく機能していたという実績があったところです。会社が成長していく中で、よりしっかりとした管理体制が必要になってきており、グループや組織の体制は常に変化していくでしょうし、その中でバックオフィスの管理は基本フォーマット化してグループで統一していきたいというのも背景にありました。これから新事業がもっと盛り上がってくれば、グループが増えるということもあるかと思います。
- 上場会社として必要とされるIT統制や監査的な視点で、システムに要求されることもあるかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?
- 久貝様:承認フローや、操作履歴・ログの管理もワイズインテグレーションでの運用の実績を踏まえて評価されていましたので、問題ありませんでした。先にワイズインテグレーションで導入し運用していく中で、しっかりルーティンが回るようになったのが一定の評価を得ていたので、必要な基準は満たしていました。
現場にはERP導入によるゴールを先に見せることが重要
- ERP導入プロジェクトについてアドバイスがあればいただけますか?
- 久貝様:導入する時、まず現場にERPをシステムとして使いこなせるようにさせるために、システムを理解させる、ということをやっていると思うのですが、システムを入れる意味や答えを先に教えてあげる必要があると思います。システム導入の結果、売上管理ができます、利益管理ができます、リソース管理ができます、それが集計しやすくなります、省力化・効率化されます、というのがあり、だから入力はこうやる必要がありますよ、という逆算した形で示してあげなければいけない。
最初にいきなりシステムにログインするとこういう画面があって、入力項目はこうで・・・というマニュアルがありますよね、それはそれでもちろん必要ですが、足し算のやり方を教えた後すぐに応用編の話をするのではなくて、ゴールを先に伝えないとこの足し算をする意味が分かりづらいのかなと。たとえ仮に分かったとしても現場はモチベートされない。ですので、最終的にマネジメントが利用する管理のフォーマットをはじめに見せて、このアウトプットを出すためにこういう入力をしましょうというやり方が良いかと思います。使っていく中で入力からアウトプットまでの全体を現場が理解することは意味があることだと思います。業務の設計もシステム導入もアウトプットから逆算していく形で方がいいのかもしれないです。システムとしていかにユーザーごとの多様なアウトプットのフォーマットに対応していけるかが重要ですね。 - そこはZACもパッケージのERPとしてどれだけ汎用性をもってかつ柔軟性を高めていけるかがポイントだと考えております。
より正確な利益管理と細分化された引合管理でさらなる成長を目指す
- 最後に今後のさらなる活用のプランがあれば教えて下さい。
- 久貝様:サニーサイドアップは勤怠管理の機能で日報を打っていますが、売上・粗利に対する売上総利益をより正確に見ていくために実際の労務費を案件ごとに落とし込んで見ていきたいです。
- 山地様:労務費のレートを何段階かにクラス分けして登録しておくと、毎日どのプロジェクトに何時間仕事をしたという日報を打つことで、少しずつ労務費が積みあがって月中でもリアルタイムに原価が見ていけるかと思います。
- 久貝様:結局サニーサイドアップも労務費まで正確に管理する必要があるセクションとそうでないセクションがあります。ワイズインテグレーションはある基準以上の粗利があれば、一定の本社費なり人件費を読めるから売総は大きくは予想できるのですが、PR事業のセクションは読めない状態で進むので・・・。隣のセクションでも仕事が違うため一概に横並びにできないですが、一つの会社である以上はワンルールで管理できるのが理想的である場合もある。セクション別にみるときは組織ごとの切り口で見て、PRのセクションを見るときは案件別に落として見ていくなど、KPIを柔軟に設定する必要はあるでしょう。ZACはその辺の設定はある程度柔軟にできるので、これから運用も含めてブラッシュアップしていかなければいけないところですね。
- 久貝様:あとはプロジェクトの引合の管理ももっと精度を上げて進めていきたいです。どの担当がどういう経路からの仕事を受注しているかをより見えるようにしていきたい。そこからさらにPR事業なのかイベントなのか制作なのか、それがリテーナークライアントの仕事なのかスポットなのかというように細分化して見ていきたいです。カテゴリ別の仕事の利益率がもっと正確に分析できるようになれば、「スポットは出現率は高いけど利益が低い場合もある。売上額は大きくないが安定して高い利益率が取れるレギュラープロジェクトに力を入れたほうがいいかもしれない」という判断がより精度高くできるようになるかなと。
- 山地様:機能としてはZACにすでにあるので、これからどういう形でやっていくかですね。
- 久貝様:今の話もそうですが、逆算的な考え方が重要です。こういう分析をするためにはこういうアウトプットが必要、だからこういう入力をしてくださいという説明と理解が必要でしょう。仕事のカテゴリごとに利益率が見えます、担当者ごとに見えます、クライアントごとに見えますという形でゴールを設定して管理できれば現場には落とし込みやすいと思います。
さらには、現在サニーサイドアップグループは、「創造型PR商社」としての成長を目指し、東アジアにおいて販促物の生産やOEMを行うWIST INTERNATIONAL LIMITEDグループや、アジアの著名人のキャスティングやそれに付随する企業のマーケティング支援を行うクムナムエンターテインメント、ハワイでbillsを展開するFlypan Hawaii, Inc、bills waikiki LLC、といったように、国内外問わず、グループ会社の数を増加させています。その中で、プロジェクト、部署、会社単体という単位だけでなく、グループ連結を含めた計数管理を効果的且つ効率的に行っていきたいと思います。 - そのあたりは、今後さらにご活用いただけるよう、ご提案をさせていただきます。
本日はありがとうございました。
ZACの機能や価格を詳しく知るなら
ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
製品パンフレットで導入メリット、詳しい機能をご覧ください。
株式会社サニーサイドアップ 会社概要
- 事業概要:
- PR事業を中心とするコミュニケーション戦略企画立案・実施やアスリートマネジメントなど多彩な分野で事業を展開するPR会社。2008年大証ヘラクレス(現JASDAQ)に上場。
グループで新たに「創造型PR商社」というビジョンを掲げ、既存事業だけではなく新事業開発にも積極的に取り組み、大きく業績を伸ばしている。
- 所在地:
- 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-23-5 JPR千駄ヶ谷ビル7F
- 設立:
- 1985年7月
- 従業員数:
- 131名(2013年6月末現在)
- インタビュー協力:
- 株式会社サニーサイドアップ 取締役COO 久貝 真次 様
株式会社ワイズインテグレーション 山地 哲朗 様