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株式会社LIG ZAC導入事例

  • Web制作・Webマーケティング業
  • 従業員数201名以上
  • プロジェクト別収支管理
  • スピーディな原価計算
  • 属人化の解消
  • 関東地方

クリエイティブ品質を重視する企業こそ、
案件別損益の追求が必要
LIGが構築した
原価・仕掛品計算の管理体制とは

“実際に案件ごとの原価管理ができるようになったことが一番の効果です。
ZAC導入以後、案件別の損益状況が日々タイムリーに確認可能となりました。”
──財務・経理部リーダー・永田 直己様

Webサービス制作事業、Webマーケティングの運用を中心とした事業を行い、自社のオウンドメディア『LIGブログ』が月間400万PVを超えるなど大きな話題となった株式会社LIG。これからは「DX支援」を掲げ、新たなLIGとして第二創業期が始まろうとしています。変化の真っただ中で内部統制・損益管理体制の強化に取り組まれているLIGの財務・経理部リーダー 永田様にお話を伺いました。

デザインに強みをもった"WEB制作会社"から"DX支援企業"へ

オロ:事業内容について教えてください。

LIG 永田様

永田様:現在、LIGは「DX支援」を掲げて事業を行っており、創業以来のデザイン力を活かしつつ、システム開発・アプリ開発・Web制作を手掛けています。開発案件ではこれまで通り、UI/UXに強みを発揮しているところです。
近年立ち上がったコンサルティング事業ではシステム開発の前段階における企業の課題を精査して、次のアクション・アウトプットの設計までを行っています。また、メディアを自社運営していた強みを活かし、広告記事制作・メディアコンサルも行っています。
もう1つの柱として、Webデザイナーを育成するスクール事業をデジタルハリウッド株式会社のフランチャイズとして行っています。2022年11月に町田校ができ、現在は上野・池袋・大宮・北千住・川崎とあわせて6校になり、DX人材の創出に力を入れております。

仕掛計算・労務費が不透明で案件別損益の把握が困難。
意思決定のための情報整理ができていなかった

オロ:ZAC導入前の課題について教えてください。
永田様: 損益管理に2つの課題がありました。
LIG 永田様
1つは案件別損益管理の課題です。ZAC導入以前は、会社全体・各事業部単位で利益が出ていたとしても、どの案件がどれだけ利益を上げているのかわからない状況でした。原因は案件ごとの原価管理、つまり案件に紐づけて工数や発注・仕入を管理できていなかったことです。誰がどの案件にどれだけ従事しているか、といった案件別の工数管理ができておらず、結果として案件ごとの労務費も不透明でした。
また発注・仕入といった購買管理も現場マネージャーに属人化していたため、財務・経理部側で案件別の外注費を集計して把握することも難しい状況でした。結果として、利益が少なく継続すべきでない案件であっても、案件損益に基づいた意思決定ができない、といった状況が発生していました。
損益管理に関する2つ目の課題は、売上と原価が対応しておらず、正しい損益が見られないというものでした。この原因は仕掛品計算ができていなかったためです。 ZAC導入以前は、売上は請求時に計上し、原価は発生時に都度計上していました。 仕掛品として計上すべき原価を、発生の都度計上していたため、案件ごとの売上と原価が紐づいていない状況だったのです。
そのため見かけ上、売り上がる案件が多い月は利益が多く、仕入が多い月は利益が少なく、 場合によっては本来、利益が出ている月でも赤字に見える場合もありました。
案件別という粒度で損益が可視化できないため月次で経営陣に経営数値を報告する私自身も、数値の正当性が精査できない中で報告することもありました。経営陣にとっても、適切な情報が整理された状態で上がってこないことがストレスに感じることもあったのではないかと考えておりました。案件の見積精度も人によって差が出てしまうようなことも改善したいと考えていました。

企業としてさらなる成長を実現するためには、業務の属人化排除が急務

オロ:自社開発ではなく、クラウド型のパッケージシステムを採用した理由を教えてください。
LIG 永田様
永田様:属人化から脱却するためです。まず背景をお伝えするとZAC導入以前から業務の属人化が問題視され始めていました。成長期の企業であれば一定属人化を許容してでも、トップラインを上げていく必要があるかと思います。
一方で売上・人数規模をさらに拡大し、会社として一歩フェーズを進めたいと考えた時、属人化が事業拡大のボトルネックになり得ます。例えば情報システム担当の社員が退職することで、その社員の知見が失われ会社全体に影響が出る、最悪のケースとして一部業務が停止するなどの事態を発生させないためにも業務を標準化し属人化がから脱却しようと考えたのです。
上記のような背景を踏まえた上でもシステムを検討し始めた当初は、社内で開発した方が使いやすさや利便性は上がるだろう、という話は出ていました。しかし少しでも早く案件ごとの原価管理を実現しないといけないと考えていましたし、社内の開発リソースにも余裕があったわけではありません。属人的なシステム管理から脱却したいという気持ちもありましたので、管理本部としては早い段階で既に機能がパッケージ化されたシステムを利用しようと考えていました。
さらに法改正・保守対応を自社で行う必要がないこともSaaSの強みだと思います。法改正や保守に対応するための社内リソースの確保・システム改修可能な人材の育成の必要がなくなることで、エンジニアが売上を上げる本業に注力できるメリットもあるため、外部SaaSの中から、新システムを導入しようということになりました。
オロ:選定の際、ほかにどのような観点でシステムを比較しましたか。
永田様:LIGではMacのPCを利用している社員が多いため、macOS上でも問題なく利用できるという点が1つのポイントでした。一方で当社が調べた限りでは、市場のERPはmacOS非対応の場合が多く、導入候補が半分程度に絞られたと記憶しています。その点ZACはmacOSでも動作保証されているため(*1)、システム利用条件という点は問題なくクリアしました。
*1 ZACのシステムご利用条件は下記URLからご確認いただけます。
https://www.oro.com/zac/detail/support.html
また、ZACがIT導入補助金対象ツールであることも導入を後押ししました。IT導入補助金2022では、ITツール費用の最大2/3が補助金として交付されます。補助金が交付されたことで、システム導入におけるコスト面の障壁を大きく下げられました。補助金の申請から採択までの間、オロのIT導入補助金の専任担当に申請パターン・手続き・審査における加点・減点項目などについて、個別相談に乗ってもらえて助かりました。

システム導入に反発はつきもの。
各社員が導入の意義・メリットを理解することが重要

オロ:ZAC導入時になにか工夫された点はありますか?
LIG 永田様
永田様:ZACへの情報登録業務を標準化するため、営業事務担当を設けて業務を集約しました。導入当初は開発現場の担当者に案件情報や受発注の登録作業を行ってもらっていましたが、これからさらに売上規模も従業員規模も拡大していくためには、業務の標準化・マニュアル化をしないといけません。担当者の離脱や異動によって業務が停止することや成長が頭打ちになることは避けたいと考えているためです。
社内全体を通して、属人的な管理・運営を避けるということは常に考えております。自社システムからZACへの切り替えた理由の1つには、システム担当者の離脱により、システムを管理できなくなることを避けたいという理由もありました。
新システム導入に対する不安・不満の解消のために、意義・メリットをお伝えしたことも工夫した点のひとつです。これまで行っていなかった案件別の原価管理を、新たに始めることに対する疑問・不安が現場から上がってきていたことは事実としてありました。
前職でERPを活用し原価管理の必要性を理解している社員が在籍する一方で、未上場・ベンチャー企業の出身のため原価管理をほとんど経験したことがなく、システムを導入してまで管理体制を変更することを疑問視する社員も一定数いました。また導入検討の過程でZAC導入対象となる部署が当初の予定から拡大したため、その部署に所属する社員に対し十分に導入の意義を伝えることができないまま、導入プロジェクトが進んでしまった側面もあります。
このように原価管理を精緻に行うこと、そのためのシステム導入の必要性を十分に説明できていなかったことが、不安の源泉になっていました。そこで管理本部から、システム導入の意義・メリットを社員に伝え、詳細な機能・操作については私から解説することで、最終的には全員がシステム変更に取り組もうとしてくれました。

ZAC導入で案件別損益が可視化
月次決算も2営業日短縮

オロ:ZAC導入後の変化について教えてください。
LIG 永田様
永田様:実際に案件ごとの原価管理ができるようになったことが一番の効果です。ZAC導入以後、案件別の損益状況が確認可能となりました。ZACで可視化された案件損益はマネージャー以上が出席する経営会議で報告・意思決定の材料として活用されています。どれだけの案件が平行して走り、全社としての損益はどれほどであるのか、というマクロな視点と、それぞれの案件別の損益というミクロな視点での確認が行えるようになってきたため、利益率が下がっているなど事前に問題がある案件について確認することができるようになってきました。
また集計作業の効率化という面でもメリットがあります。ZAC導入前は売上の資料も作成者によってレイアウトがバラバラでしたが、今は案件別・事業部別などのセグメント別の売上データを確認するアウトプットデータを活用し、 統一されたフォーマットで売上・損益データが集計できるため業務効率化につながっています。また情報をシステム外にアウトプットせずとも、画面上で案件別の進捗や売上・損益を検索できる機能を活用することで、一目で案件のステータス状況の確認できるようになりました。
さらに内部統制の観点でも導入効果がありました。ZAC導入以前はこれまでお伝えしたように、案件管理の手法が事業部によって異なっていたため、案件の進捗状況を財務・経理部で把握しにくい状況でした。 そのため発注書未発送の状況にも関わらず発注してしまうなど内部統制上の課題が発生していたのです。 一方でZACであれば業務の進行に沿って、自動で電子申請・承認が機能します。社内で決裁を取ってから発注書を出すといった当たり前のことでも、属人的なチェックではなくシステムで統制できるので安心できます。業務の手続き上では、契約締結前に受注登録するといった事故もほとんどなくなりました。

ERPで属人化排除と業務効率化を実現

オロ:他にはどのような変化がありましたか?
永田様:特定の人員に依存せず安定的に稼働できるシステム管理体制の実現という、ZAC導入時の目的を既に一定達成しています。実際ZAC導入時に検討を主導していたシステム担当者が退職したのですが、現在も問題なくZACを活用して案件損益管理し社内業務を継続できていることが、何よりの証拠かと思っています。
また案件の進捗状況を担当者だけが把握している、属人的な案件管理を脱したことで、それぞれの社員が着手すべき仕事により一層集中して取り組むことが、できるようになってきているのではないかと思います。ZAC導入により案件が引合段階なのか、既に受注し請求書を発行するステータスなのかといった案件進捗状況が案件担当者以外でもタイムリーに確認可能となります。これにより案件の進捗状況を明確に区分できるようになり、受注済みなど特定の進捗状況に至った案件で発生する作業を切り出して営業事務という間接作業を専任で請け負う担当に依頼することが可能になりました。結果としてクリエイティブを生み出す社員の間接作業を削減することができ、本業に注力することができる環境を整えることができています。
また経理担当としては仕入先から届いた請求書を財務会計システムへ登録する作業を効率化できた点が大きなメリットです。 ZAC導入以前はシステムを用いて購買管理を実施していなかったため、請求書を一枚一枚伝票登録していました。 今では発注段階からZACに登録している仕入情報をCSV出力して財務会計システムに取り込むことで、毎月100枚ほどの請求書情報の手入力を省略できました。
ZAC導入以前は月次決算の締めに7営業日を要していましたが、現在は5営業日で締めています。そのため6営業日目には余裕をもって、これまでできていなかった経営分析結果を経営層に報告できるようになりました。
会社全体としては、ZACの導入とその効率化のために営業事務という専任を立てたことで、売上を作る社員はクリエイティブな仕事に集中しながら、社員一人一人が売上と案件損益を意識できるようになったと感じています。

ZACとpastureでフリーランス管理も効率化

オロ:ZACとあわせて利用しているサービスはありますか?
永田様:発注・仕入の属人化を解決するため、ZACとあわせて「pasture」を活用しています。 両システムを導入する以前は、「発注金額が適正であるか」「発注を承認するか」の判断がマネージャーに一任されていました。そのため、いま会社全体でどれだけの発注が行われているのか、請求書が到着するまで財務・経理部で把握することができない状況だったのです。 そこで、承認が適正であるか不明確という課題をZACで、発注・仕入の進捗が不透明という課題をZACとpastureの導入によって解決しました。
まず社内決裁については、ZAC上で適切な承認経路を設定することで、承認プロセスの透明性の担保が可能となりました。またZACは売上額や発注額に応じた承認経路の分岐を設けることができます。そのため発注金額がマネージャーの決裁可能な金額を超えた場合、さらに職位の高い担当者に申請が回るよう、承認経路を設定しています。ZAC導入にあ わせてマネージャーの決裁権限や購買管理にまつわる承認経路を整備し、購買管理を適正に行うことで内部統制の強化を図っています。
発注・仕入の進捗を可視化する点については、ZAC・pastureの両者を組み合わせて活用しています。特にフリーランスへの外注の場合、両システムを活用するのですが、発注から仕入計上まで一連の進捗を可視化できること、システムを活用することで下請法にも準拠できることがメリットです。 すみわけを簡単に説明すると、案件損益と申請・承認、仕入データの作成はZAC、フリーランスの方への発注依頼・進捗管理・納品物受領・請求書受領はpastureとなっています。

原価管理の課題解決に貢献zac_logo.pngZAC導入4つの効果

案件別損益管理を実現

これまでできていなかった案件別の損益管理を実現
日々の案件損益確認で赤字になりそうな案件の確認

内部統制の強化

案件に関連する申請承認の体制を整備し、内部統制を強化
発注時の発注書未交付など、統制上の問題を未然に回避可能に

月次の締め作業を2営業日短縮

経理による請求書の入力が省力化され、決算対応がスピードアップ
報告数字をまとめるだけでなく、分析にも時間を使えるように

法改正・保守対応に必要な社内リソースを最小限に

法改正・保守対応のための人員確保・育成の必要がなくなる
エンジニアは売上・利益を生み出す案件に集中できるように

案件別損益管理の徹底により
DX支援企業としてもさらなる飛躍を目指す

オロ:これから大事にしたいこと、今後の展望を教えてください。
LIG 永田様
永田様:クリエイティブを活かしたDX支援によりお客様に満足していただくのと共に、会社の利益も追求していきたいと考えています。 例えば高い品質のクリエイティブによって顧客に満足いただくことで、売上・利益につながり、その利益を社内に還元することでより良いクリエイティブを生み出す意欲を高め、設備など環境を整えることができます。そして再び優れたクリエイティブを顧客に届けることで利益を生み出すといった好循環が期待できます。
当社はクリエイティブの面でご評価をいただいている自負がございますので、永続的にクリエイティブを突き詰めるためにも、利益も同時に追求する姿勢が必要なのです。利益率を上げるためにも、案件別・個人別の工数を適正に管理し、受注から売上までのリードタイム・個人単位の生産性などの経営指標を整備し、マネジメントすることが、これからさらに重要になっていくと考えます。今まさにDX企業として変革をしている中で、損益管理で足場を固めつつ、お客様にしっかり満足をいただきながら、価値提供し続ける企業になれるよう管理部門としてサポートしていきたいと思っています。
オロ:ありがとうございました。

ZACの機能や価格を詳しく知るなら

ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
製品パンフレットで導入メリット、詳しい機能をご覧ください。

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株式会社LIG 会社概要

事業概要:
創業以来、Webサービス制作事業、Webマーケティングの運用を中心とした事業を行い、成長してきた株式会社LIG。「DX with Global Team」を掲げ、新たなLIGとして第二創業期が始まっています。DX戦略ファームを目指すにあたり、「Design Consulting」の新しい領域を確立し、その分野でのリーディングカンパニーを目指しています。
所在地:
〒111-0056 東京都台東区小島2-20-11
設立:
2007年6月
URL:
https://liginc.co.jp/
社員数:
連結230名(2023年4月1日時点)
インタビュー協力:
財務・経理部リーダー・永田 直己様
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