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株式会社カヤック ZAC導入事例
- アプリ・ゲーム開発業
- 従業員数201名以上
- プロジェクト別収支管理
- スピーディな原価計算
- 紙やExcelからの脱却
- 関東地方
ソーシャルゲーム・アプリ開発のリーディングカンパニー。 カヤックの成長を支える経営管理のノウハウとは?
「経営の最重要ポイントは、経営データの可視化とプロジェクト単位のリソース管理。先々の業務状況を“見える化”できたことで、リソース管理の精度も経営予測の精度も高まったと思います。」 ──代表取締役CEO 柳澤 大輔 様
リソース管理とモニタリングが経営の最重要ポイント
- 毎年売上を伸ばしているようですが、業績の推移をお教えください。
- 柳澤様:ここ3年間の売上高は、2009年度が10億円弱、2010年度は16億2000万円、そして2011年度は1.5倍増以上となる見込みです。売上増に伴って社員数も増えており、約160人中60人が2011年度の入社です。
- 好調の要因としては、どういったことが考えられますか?
- 柳澤様:ソーシャルゲームなどの成長事業に経営をシフトできていることが大きいと思います。また、ソーシャルゲーム事業に限らず、全ての事業に関してプロジェクト単位のリソース管理を緻密に行っていることも要因の一つではないでしょうか。
- プロジェクト単位のリソース管理とは具体的にはどのような管理なのでしょうか?
- 柳澤様:当社ではデザイナー、ディレクター、エンジニアといった人材をプロジェクトにアサインし、多い人で5つほどのプロジェクトを兼務しながら回していきます。当社事業ではメンバーをプロジェクトに投入する時間がそのままプロジェクトの原価となりますから、誰を、どのプロジェクトに、どれだけアサインするかについて細かくリソース管理をすることで正確な原価見込を立てています。
プロジェクト開始後には実績値を把握していますので、当初見込と実績の乖離が大きく、異常値が発生しているプロジェクトについては早期に対策を行うようにしています。このリソース管理とモニタリングはカヤックの経営の最重要ポイントのひとつですね。用いるデータがいい加減なものであれば判断を誤りますから、正確なデータでモニタリングをすることも重要だと考えています。
- そのリソース管理や異常値のモニタリングのためにZACを導入されたわけですね。
- 柳澤様:そうです。会社規模が大きくなるにつれてきちんとした管理体制を実現するシステムやツールの必要性を感じるようになりました。
- ZAC Enterprise(以下、ZAC)導入以前はどのような管理をされていたのでしょうか?また、どのような問題点があったのでしょうか?
- 柳澤様:エクセルを用いて、それぞれのプロジェクトごとに管理をしていましたが、労務時間データと、それを金額換算するために必要な会計データがバラバラに管理されているため、集計作業が非常に大変でした。それでも社員数が100人ぐらいまではなんとか管理できていたのですが、一気に160人もの規模になると経営環境もガラッと変わり、そういった方法で管理することが難しくなったのです。そこで、何かいいツールを導入しようということになりました。
- ZAC以外に検討したシステムはありましたか?また、ZAC選定の理由をお教えください。
- 柳澤様:パッケージの会計ソフトなどをいくつか検討しました。ZACに決めたのは、メーカーであるオロさんがソフトウェア受託開発業務を手がけておられ、当社のクライアントワークの請負業務形態に近く業務の勘所を理解して開発されていると感じたからです。企業規模的にもフィットしているのも決め手になりましたね。
- 永安様:システム導入のスケジュールとして、まず労務管理の整備から行うこともあり、当初は労務管理だけのパッケージなども対象にしていました。しかし、労務管理の整備後には売上管理や発注・仕入など業務全体を管理するシステムの導入が決まっていたため、導入後の機能拡張にも対応でき、労務管理から販売管理まで対応できるERPとして、ZACが高い評価となりました。(ZACの勤怠管理の詳細はこちらから・販売管理の詳細はこちらから)
四半期で目標未達のプロジェクトは解散
- 具体的にZACでどのようにプロジェクト管理をされているのでしょうか?
- 永安様:ZACの利用方法は、クライアントからの受託案件と、自社オリジナルのコンテンツサービスとで異なります。
受託案件は、担当するディレクターが受注前の段階からZACに案件を登録し、その後案件が終了、入金されるまで工程ごとに必要なデータを入力して管理します。売上に対する原価は月次でタイムリーにシステム上でチェックできますので、管理者はそのデータをもとに最適なリソース管理を実施しています。
一方、自社オリジナルのソーシャルアプリやプラットフォーム型サービスのプロジェクトの場合、新しいチャレンジであり実験的な新規事業が多いため、予算を明確にもたないこともあります。この場合にはタイムリーに売上と原価を対応させることができないため、開発期間における労務費などを累計しコンテンツ完成までの原価を把握しています。リリース後には収益があがってくるので、ZAC上で売上と原価をつけあわせ、いつ頃どのタイミングで黒字転換するのか、などの経営予測を行っています。
- リリースしたサービスやコンテンツの評価はどのようにされているのでしょうか?
- 柳澤様:プロジェクトの開始にゴーサインが出て、リソースがアサインされた時点で四半期ごとに収益額などの目標設定を行っています。その後、その目標が達成しなかったらプロジェクトは解散、というルールで運営してきました。ただし、収益だけで判断できないプロジェクトもありますし、ネットのコンテンツの中には3年かけないと黒字化しないものや、一時的に収益をあげれば終わりというものもあります。そういったコンテンツの性質ごとに目標を変えて設定しています。
数値データの裏付けがあるから、直感的な判断にも確信が持てる
- ZACを導入してのメリットとして、どういったことが挙げられますか?
- 永安様:まず、従来はバラバラだったデータを一ヵ所に集めて一元管理できる点が挙げられます。集計作業がすぐに、しかも楽にできるようになったのは大きいですね。今までは全部エクセルで集計を行っていましたから。
他にも、ZACでは受注前の段階から案件のステータス管理や予定売上の管理ができるので、いつ頃どんなプロジェクトが動き出すのかがあらかじめわかり、誰をアサインするかの予定が立てやすくなりました。先々の業務状況を"見える化"できたことで、リソース管理の精度も経営予測の精度も高まったと思います。
また、ZAC内で使用されている案件管理の進捗ステータスや、工程用語が社内で浸透し、言葉や意識が統一されたことでコミュニケーションが円滑になったというメリットもあります。
- 柳澤様:ZACによって正確な数値データがいろいろと整備されました。これまで「多分こうなんじゃないかな」という直感で判断していたことに関して、データによる裏付けができるようになるので、直感的な判断にも確信が持てるようになると思います。
当社では以前から自前の方法で業務管理、経営管理をしていましたが、管理手法が確立されていない会社や未整備な会社がZACを導入すれば、管理レベルには変化が起きるのではないでしょうか。
- 今後ZACに対して期待されていることについてお聞かせください。
- 柳澤様:経営にとっては、ZACを導入したことによるメリットが如実に表れていますが、現場でデータを入力する社員にとっては、フィードバックが得られなければ負荷が一つ増えただけとなりかねません。入力することが楽しくなるような思想のシステムにまで高まれば、なお素晴らしいですね。特にクリエイターにとっては、いいアイデアが瞬時にひらめくこともあれば、何時間考えてもひらめかないこともあります。労務時間を入力する意味をどう持たせるか、我々も考えていかなければならないと思っています。
- ゲーミフィケーションのような、入力が楽しくなる仕組みについては鋭意検討していますので、ぜひご期待ください。最後に、カヤックの今後のビジョンについてお教えください。
- 柳澤様:設立8年目の2005年、拡大路線に舵を切り、合資会社から株式会社に変更しました。2007年から新卒採用を始め、成長にドライブをかけています。今後も「日本的面白コンテンツ」をつくり続け、世界に向かって勝負していきます。当社は90%がWebクリエイターで、営業専門の社員は一人もいません。このスタイルでどこまでいけるか、チャレンジしていきます。
カヤックの経営管理を支える ZAC Enterprise システム概要図
ZAC Enterpriseはクラウド・SaaSにより提供されるERPパッケージ(統合業務システム)。カヤックでは2010年8月より勤怠管理機能の利用を開始。以後、販売管理・購買管理・経理管理の利用を開始し、段階的に導入範囲を拡張した。
ZACの機能や価格を詳しく知るなら
ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
製品パンフレットで導入メリット、詳しい機能をご覧ください。
株式会社カヤック 会社概要
- 概要:
- 「サイコロ給」や「旅する支社」などのユニークな経営スタイルと、オリジナリティに溢れるソーシャルゲーム、スマートフォンアプリを次々と生み出すコンテンツ事業で知られる面白法人。年々着実に業績を伸ばし、規模も拡大中。
- 所在地:
- 〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町2-14-7 かまくら春秋スクエア2F
- 設立:
- 1998年8月
- インタビューに
ご協力いただいた皆様: - 代表取締役CEO 柳澤 大輔 様
- 技術部/企画部/ギブ&ギ部 永安 隆史 様
システム開発業の導入事例集
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