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株式会社INA新建築研究所 ZAC導入事例

  • 建築設計・建設コンサルタント業
  • 従業員数201名以上
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  • 工数管理
  • システム連携
  • 関東地方

ZACを活用した“利益を生み出すプロジェクト管理”

"ZACによって正確なプロジェクト原価をタイムリーに取得できる。原価計算に1ヶ月半以上かかっていた以前には、不可能だったプロジェクトマネジメントが実現しています。"
──統括管理部長様

株式会社INA新建築研究所(以下INA)は、2015年に創業60周年を迎えた建築設計事務所のリーディングカンパニーです。同社は、プロジェクト管理体制を改革するため2013年にZAC Enterprise(以下、ZAC)を導入。以降、運用方法を継続的に改善しながら、現在はZACを高度に活用した経営管理を実践しています。同社のZAC活用について、経営管理部門のキーマンである、統括管理部長様に話をうかがいました。

社員の実給与データを使用した、リアルなプロジェクト原価計算を実践

オロ:まずは、ZAC導入のきっかけを教えてください。
統括管理部長様:当社は公共施設、商業施設、集合住宅などの建築設計、デザイン、監理までを総合的に手掛ける組織設計事務所です。プロジェクト1件あたりの受注金額が大きく、竣工までの期間も1年を越えるものが大半ですので、プロジェクトごとの利益管理が経営上とても重要となります。プロジェクトごとの原価計算をしっかりと行うことで、プロジェクト収支を改善し、組織全体を利益体質に変えていこうというのがZAC導入のきっかけでした。
発端はリーマンショックです。当時は、プロジェクト単位の採算をしっかり確保しなければ、企業として生き残っていけないという危機感が社内にありました。現在は幸いなことに建築業界全体が好況を迎えていますが、2020年という節目を過ぎた後には、また状況が大きく変わるのではないかと考えています。中長期的な展望に立ち、企業としての財務体質をさらに強化するため、引き続きZACを活用した管理体制の構築を進めています。
オロ:ZAC導入以前はどのような原価管理をされていたのですか?
統括管理部長様:プロジェクトの売上に対して、外注費と概算の労務費だけを集計する原価計算を行っていたため、プロジェクトごとの正確な粗利益はわからない状態でした。作業工数の集計は紙で行われ、各社員から提出された書類を管理部があらためて原価計算システムに入力していたため、当月の労務費が原価に反映されるのは1ヶ月半以上も先でした。原価の進捗にあわせて、タイムリーに判断、行動するということがまったくできていない状態でした。
ZAC導入後は、プロジェクトごとに外注費、経費、直接労務費、間接労務費を集計した、より正確な原価計算を実施しています。労務費は社員それぞれの実給与データを使用し、ZACの勤怠ライセンスで取得した工数データをもとに自動配賦計算を行っているので、月末の締め処理後、すぐにリアルな原価が取得できるのです。原価計算のスピードと精度が劇的に向上し、作業の手間も大幅に削減されました。原価の見える化が実現したというのは非常に大きな導入効果だったと思います。

ZAC導入を機に、プロジェクト受注前/進行中のマネジメントを改善

ZACを活用した3つのプロジェクト管理手法プロジェクト受注前|プロジェクト引合段階からZACを活用し情報共有。|受注に向けた活動を組織全体でバックアップする。プロジェクト進行中|正確な原価計算にもとづく予算進捗率を毎月確認。|状況に応じたタイムリーなマネジメントを実施する。プロジェクト完成後|不採算プロジェクトの予実差異分析を実施。|原因を特定し、再発防止に向けたプロセスの改善を行う。
オロ:プロジェクト原価の情報は、経営にどのように活かされていますか?
統括管理部長様:ZACで取得した業務データを、自社で独自開発した管理会計用プログラムにインポートし、日々の経営分析や業務管理に活用しています。経営層をはじめ、営業部門、設計監理部門、管理部門など、さまざまな部門のニーズに応えるプログラムを追加開発していった結果、現在40本近くのプログラムが存在しています。
分析対象は個別プロジェクトの原価実績はもちろん、ジャンル別、クライアント別などセグメント別の収支傾向や、財務面での入金・支払予測などさまざまです。これらの分析結果を、プロジェクト受注前の管理や、プロジェクト受注後、完成後のマネジメントなどに活かすようにしています。
オロ:プロジェクト受注前の管理というのは、具体的にどういったものでしょうか?
統括管理部長様:過去データを分析していくと、一見ばらばらに思える個々のプロジェクトには、ジャンル、クライアント、事業セグメントなどの属性において、共通点が見られることが分りました。
ZACは受注前の段階からプロジェクト情報を入力し管理できるので、それらのデータをもとに、プロジェクトに対して、どれだけの人員や外注費を掛けることができるのか、想定することが可能です。そのうえでプロジェクト受注の可否や、重点プロジェクトについては確実に受注できるよう、組織としてバックアップするなどのマネジメントを行っています。
オロ:進行中のプロジェクトでは、どのような管理をされていますか?
統括管理部長様:進行中のプロジェクトでは、ZACによって原価進捗を正確に把握できるので、状況に応じた適切なマネジメントを各プロジェクトマネージャーが行うようにしています。たとえば、予算進捗に余裕があれば、協力事務所への外注を増やしさらに作業を効率化するなどできますし、逆に予算に余裕がなければ、作業を内製化することでコストを圧縮するといったことができます。
以前は、プロジェクトのざっくりとした原価でさえ把握に1ヶ月半以上かかっていたので、このようなマネジメントを行うことは不可能でした。信ぴょう性のあるプロジェクト原価をZACからタイムリーに取得できるようになったことで、状況に応じたプロジェクト管理が実現できるようになったのです。

プロジェクト予実差異分析の結果から、業務プロセスを改善

オロ:プロジェクト完成後に、予実差異分析などを行うことはありますか。
統括管理部長様:利益が予想より下回ってしまったプロジェクトについては、作業工数の再集計や外注費の精査を行い、プロジェクトのどの工程に原因があったのかを追及するようにしています。そして、分析の結果をもとに担当者にヒアリングしていくと、設計作業時のミス(=手戻り)に起因して、社内外の工数が増加していることがわかったのです。
INAでは、設計作業の手戻りを防ぐため、作業「チェックシート」を用意しているのですが、手戻りの発生するプロジェクトでは総じてこのチェックシートが十分に活用されていないことが明らかになりました。そこであらためて、「チェックシート」の利用・活用を組織として徹底していくことにしたのです。
定められたプロセスに従わず、経験や勘で仕事をしてしまうことが、効率の悪化、採算の悪化につながっていたわけです。このことをデータによって社員に示すことができたのは、採算性向上に向けて非常にプラスだったと思います。

ZACを活用し、キャッシュフロー管理の精度を向上

オロ:その他、ZAC導入により解決した経営課題はありますか?
統括管理部長様:キャッシュフロー管理という面でもZACは大きく貢献しています。建築設計事務所は、1件あたりの入金額が大きく、特に公共施設の場合には年度末など特定の時期に集中する傾向があります。その一方で、外注費などの支払は年間を通じて毎月発生するので、いつ頃、いくら入金され、いくら支払が発生するかを正確に把握することは、財務上の安定につながるのです。
ZACでは、売上予定日など各プロジェクトのステータスに変更が加われば、連動して入金予定日にも即座に変更が反映されます。また、プロジェクトを工程ごとに分割し、各工程において前渡金、中間金、完成時入金といった形で入金管理を行うこともできるので、精度の高い入金予測を行うことができるのです。
この入金予測に対して、同じくZAC上で管理されている外注費などの支払予定をあわせて、向こう1年間のキャッシュフローをチェックするようにしています。INAでは、プロジェクト1件あたりの入金が数千万円の規模になることがほとんどなので、入金タイミングのズレが経営に与える影響が大きいのです。そのため、社長自らプロジェクト進捗をZACで確認し、担当役員やプロジェクトマネージャーへの指示を行うようにしています。

建築設計事務所ならではのZAC活用法

オロ:その他、導入当初にはなかったZAC活用方法などはありますか?
統括管理部長様:建築設計事務所は、「設計等の業務に関する報告書」という書類を毎年各都道府県に提出する必要があります。これは建築士法第23条にもとづくものです。書類には、建築士の氏名、登録番号、所属期間、業務実績などをまとめるわけですが、会社がある程度の規模になると、年間のプロジェクト本数が多くなるため、この書類作成にも非常に時間がかかります。
多分に漏れず、以前の当社も書類作成に結構な時間がかかっていましたが、ZAC導入後は業務に関連する情報がほぼすべてシステムに一元管理されているので、必要なデータがすぐに揃うようになりました。
他にも、プロポーザル参加の際に必要となる業務実績の作成にもZACを活用していますし、各建築士に今後どのようなキャリアを積ませればよいかの判断に、個人別の業務実績データを参照することもあります。これらの活用は建築設計事務所ならではのものかもしれませんが、ZACによるデータの一元管理は、様々なメリットをもたらしてくれるのではないかと思います。

ZACはマネジメントの意思決定を支える優れた経営ツール

オロ:最後に、ZAC導入プロジェクトを総括いただけますでしょうか。
統括管理部長様:建築設計事務所のミッションは、建築や都市計画分野において優れたデザインと機能を実現し、クライアントをはじめ、それを利用する人々にも素晴らしい価値を提供することにあると考えています。このミッションを組織として継続的に達成していくためには、デザインの研鑽はもちろん、財務的な安定基盤を維持することがとても重要です。ZACはその部分で、INAの経営に大きく貢献していくと期待しています。
今後も、ZACを活用した管理体制の構築を通じて、利益体質の組織づくりを継続していきたいと思います。
オロ:本日はありがとうございました。


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株式会社INA新建築研究所 会社概要

事業概要:
創業60年の歴史で培われたノウハウにより、高いクオリティのサービスを提供する建築設計事務所/建設コンサルタント。都市計画から担当できる数少ない建築設計事務所の一社であり、意匠設計、エンジニアリング、コンサルティングの3つの側面から、地域社会を創造する「まちづくり」や、環境に配慮した機能性の高い施設づくりなど、幅広いサービスを提供している。公共施設、商業施設、集合住宅、医療・福祉施設まで、非常に幅広いジャンルにオールラウンドに対応できることを強みとしている。
所在地:
〒112-0001 東京都文京区白山3-1-8
URL:
http://www.ina-shinkenchiku.com/
設立:
1955年3月1日
社員数:
280名
インタビュー協力:
統括管理部長様
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