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株式会社北海道ジェイ・アール・システム開発 ZAC導入事例
- ソフトウェア受託開発業
- 従業員数101〜200名
- 未来の売上・利益予測
- 内部統制・上場準備
- 属人化の解消
- 北海道・東北地方
JR北海道グループ企業がペーパーレス化、
脱Excelで
月最大70時間の
工数削減・内部統制強化に成功
”紙文化が深く根付いていた当社にとって、個別の案件損益も、会社全体の損益も、ZACひとつですべてを見ることができるようになったのは大きな進歩です。”
──企画ユニット 部長・大庭 久和 様
- JR北海道グループ各社のICT基盤を支える北海道ジェイ・アール・システムは、「案件別損益管理の効率化」と「内部統制の強化」を目的にZAC Enterprise(以下ZAC)を導入しました。複数のシステムやファイルに分散していたさまざまな損益データをZACに統合することで、毎月の原価計算作業にかかる工数を約70時間削減するなど、目覚ましい業務改善を実現しています。ZAC導入の理由や利用を開始した2019年からの導入効果について、企画ユニット 部長 大庭様、統括リーダー 米田様、松本様、総務・人事ユニット 部長 小野様、開発・事業グループ ソリューション第3ユニット 部長 曽山様、経理ユニット 統括リーダー 吉田様にお話を伺いました。
JR北海道グループのシステム開発会社として、
社会活動を支える重要なシステムの開発・保守を行う
- オロ:事業内容について教えてください。
- 大庭様:当社は、JR北海道グループのシステム開発会社であり、JR北海道グループ内外多くのお客さまのシステムの提案・開発・運用・保全をおこなう情報サービス企業です。主な開発実績には、鉄道という社会インフラを⽀える北海道新幹線や在来線の運輸関連システム、ICカードを活⽤したKitaca関連システムなど、これらのシステムは円滑な社会活動を支える重要なインフラです。システムが24時間365日安定稼働できるよう、高い意識を持ってシステムの品質管理に取り組んでいます。
煩雑で時間のかかる案件別の損益管理・原価計算を効率化したい
- オロ:ZAC導入前の課題を教えてください。
- 大庭様:案件別の損益管理に課題がありました。当社はシステム開発会社ですので、案件ごとの損益管理・原価計算が経営上必須の業務になります。しかし以前は、損益管理に必要なデータが複数のシステムやファイルに分散しており、それらを紐づける作業がとても煩雑でした。
- 吉田様:経理部門は毎月末になると給与データ及び会計データをエクセルに手動で取込をし、案件管理番号を元に手作業で原価計算しており、この作業に毎月かなりの時間が費やされていました。
- 小野様:案件ごとの損益予実は「社内内部積算見積表」というExcelマクロにまとめられます。担当者は、案件が進捗するたびに「社内内部積算見積表」を更新して紙にプリントアウトし、その他の関連資料とあわせて上司に稟議申請をしていました。資料の束はどんどん分厚くなっていきますし、決裁者のハンコリレーにも大変な時間がかかります。こういった社内の紙文化も改善したいポイントでした。
- 松本様:案件進捗に応じて資料が追加される案件管理資料は、年間で書類ファイル4冊分ほど蓄積され、その厚みは10cmほどでした。これが4部署分ありますので、年間で16ファイルが生み出され、毎年ダンボールで保管する、という状態でした。営業部門においては、保守の案件があるため、特にファイルが多い印象でした。
- 米田様:以前は、関連資料を紙ですべてファイリングしていたため、紙での保管量が多く 場所をとっていたのですが、現在は原紙保管が必要なもの以外はZACの添付ファイル等に 集約されたため、紙での保管量は大幅に軽減されました。 結果としてZAC導入後に紙による保管となったファイルは3年で約16ファイル となり、紙管理の領域が1/3になったと言えます。
- 大庭様:そのほかにも、親会社であるJR北海道からは、Excelによる業務管理体制を改めて、内部統制を強化するよう指示が出ていました。加えて自社でいかようにも変更を加えられてしまうシステムではなく、パッケージシステムであることも、選定時の要件として指摘を受けていました。こういった背景から「案件別損益管理の効率化」と「内部統制の強化」を目的にパッケージシステムを導入することになりました。
「システム開発業務向け」パッケージシステム5社を比較検討し、
最高評価のZACを導入
- オロ:ZAC選定の決め手を教えてください。
- 大庭様:私たちのような「システム開発業向け」 のパッケージを5つ選び、比較検討しました。当社が必要とする機能をピックアップして、各社のパッケージがそれに対応できるか、機能ごとに〇・△・×をつけて評価していったのです。ZACはほとんどの機能に〇がつき、中でも必須とした機能15個についてはZACだけが満点評価になりました。
- 機能面以外でも、ZACはクラウド形態なので自社でサーバーを持たずに済みますし、法改正やOSバージョンアップなど外部環境・IT環境の変化に対応できる点が評価されました。また、ZACには多数の機能パラメータがあり、自社の運用に合わせて機能のON/OFFをすることで、カスタマイズ開発を最小限に抑えられました。このあたりが選定の決め手になっています。
営業部門と購買部門の相互牽制が働くよう、
担当業務に応じてZACライセンスを付与
- オロ:ZACの利用方法を教えてください。
- 米田様:社員の担当業務範囲に応じてZACのライセンスを付与しています。発注や仕入が行える「購買管理ライセンス」は購買部門や経理部門など一部の社員にのみ付与し、受注や売上計上が行える「販売管理ライセンス」は管理職やリーダー、営業担当者のみに付与をするという形です。こうすることで部門同士の相互牽制が働くようにしています。ZACは見積作成、受注、発注、売上計上、仕入計上など、業務処理を行うたびに自動で申請・承認ワークフローも機能するので、内部統制は以前に比べてかなり強化されました。
経費・工数・労務費・販管費・間接費など、
複数のデータをZACにインポートして原価計算を自動化
- 吉田様:出退勤時間から計算された作業工数、販管費や原価の経費などのデータは、ZAC以外の別システムにデータを入力しています。毎月末にこれらのデータをZACにインポートすると、案件別原価計算が自動的に行われるので、経理業務が大きく減少しました。
- 従来の案件管理番号に代わり、ZACの「JOBNo.」を使用しています。ZACに案件登録をすると案件固有の「JOBNo.」が発番されるので、これをRPAで抽出して、経費精算システム、勤怠・工数システム、財務会計システムなどに日次でデータを反映させています。社員が各システムに情報を入力する際に「JOBNo.」を選んで案件を指定するとZAC上の案件情報と紐づくようになりました。
- 小野様:以前は案件管理番号を自分たちで発番していたので、同じ案件に管理番号を二重に発番してしまうこともありました。ZAC導入後はそのようなミスがなくなりました。今では「JOBNo.」(ジョブナンバー)という言葉がすっかり社内用語として定着しています。
ZAC導入により、毎月の原価計算にかかる作業工数を約70時間削減!
- オロ:ZAC導入効果を教えてください。
- 吉田様:課題だった案件別の損益管理・原価計算の作業効率は大きく改善されました。以前は必要なデータを手作業で取込をし、案件ごとにExcelで手作業により原価計算をしていました。今は必要なデータを手作業でZACに取込をすると案件ごとにZACが自動で原価計算を行ってくれます。
- ZAC導入前と導入後で、経理部門が行う原価計算の作業時間を比較したところ、ひと月あたり約70時間の工数削減効果がありました。これはとても大きな効果だと思います。
案件損益の予測精度が改善し、会社全体の損益予測精度も劇的に向上した
- 小野様:会社全体の損益予測データを作成する作業も劇的に効率化が進んでいます。ZAC導入以前は各案件の損益を集計し、部門や全社など階層別の損益予測データを手作業でまとめていました。これが本当に大変な作業で、毎月の数字が締まったあと、Excelを得意とする「社員数人で約5日間」かけてデータを作っていたのです。あまりに時間がかかるので、損益予測データを毎月タイムリーに作成することが難しく、期末の4~5か月前からようやく作り始めるような状況でした。
- またZAC導入以前は各案件の損益情報を案件別、セグメント別など、別々のファイルに入力する必要がありました。多重入力による転記ミスなどが原因で、Excelファイルによって数字が異なる場合があり、1つひとつの案件損益の積み上げが、全社の数字と一致しない問題も抱えていました。
- 松本様:ZAC導入によりデータ出力の簡便化とデータの精緻化を図ることができました。ZAC導入以前は、Excelに精通した人員でしか、集計業務を実施できませんでしたが、ZACを活用し、対象期間・階層などを指定することで、必要な案件損益データの出力が簡単に可能となりました。損益データを抽出・集計する、という作業自体は変化していませんが、抽出する過程が効率化されたため、現在では「社員1人が3日」ほどかければ全階層の損益予測データを作成できています。
- 吉田様:従来ですと外注費は3ヶ月に1度の頻度で案件に計上していましたが、ZACに原価を取り込み、毎月計上する機能を活用することで、案件ごとに各月の原価進捗が把握可能となりました。原価比例法にもとづいた各月の売上高を確認可能となったため、経営会議での報告に活用しています。
- 小野様:損益予測の精度も大幅に向上しました。以前の予測は、最終利益と比べて数千万円レベルでずれることがありましたが、今ではそこまで大きくずれることはなくなっています。年度の利益着地見込が精度高く予測できるようになったことで、適切な投資判断やデータを根拠にした経営意思決定ができるようになっています。
紙文化&ハンコリレーからの脱却により、業務効率がアップ
- 曽山様:案件に関する稟議は、紙書類での申請・承認から、ZACの申請・承認ワークフローに置き換わりました。ZACの「利益計画画面」は、以前当社がExcelで作成していた「社内積算見積表」とほとんど同じ構成で、同じデータが確認できるので、案件損益や原価については「利益計画画面」で確認し、そのほか稟議に必要な資料はZACにアップロードされたファイルで確認をしています。
- 以前は稟議書類に必要なデータが揃っていないことも多く、また、「この数字は本当に正しいものか?」と担当者に確認することも多々ありました。今はZACの統制がしっかりと効いているので、稟議承認に必要なデータはすべて揃っていますし、データ自体の信頼性も向上しています。
担当者にわざわざ確認する必要がなくなりました。 - 米田様:紙書類で稟議を行っていた時は申請内容の差し替えが非常に大変で、また、稟議が誰のところで止まっているかもすぐにわかりませんでした。今は申請内容の差し替えが簡単に行えますし、稟議が誰のところで止まっているかが一目でわかります。紙の稟議書にハンコリレーしていた時代に比べて意思決定のスピードが上がっています。
- 吉田様:紙からの脱却という点では、請求書発行がZACで行えるようになった点も大きいです。以前の請求書は営業担当者がExcelで作成し、紙にプリントアウトし、経理担当者が手作業で会社印を押印していました。今はZACからワンクリックで請求書PDFが出力できるので、業務効率が上がっています。
内部統制と業務効率化を両立する導入 4つの効果
内部統制の強化
業務処理と同時に行われる申請・承認ワークフローにより内部統制を強化
さらに、部門・担当者ごとに利用できる機能を限定することで相互牽制を実現
損益管理・原価計算の効率化
原価計算の自動化により、原価計算の作業工数を約70時間削減
損益情報の一元管理により、案件損益の「見える化」が実現
損益予測精度の向上
案件損益の予測精度改善により、会社全体の損益予測精度も向上
階層別の損益予測データ作成にかかる作業時間も大幅に短縮
業務効率の向上
ペーパーレス化&ハンコレス化により、稟議申請・承認作業のスピードがUP
Excelからの脱却により、会社全体の業務効率が向上
「案件損益も会社全体の損益も、ZACひとつですべてが見えるようになったのは大きな進歩です」
- オロ:最後にZACについてご評価をお願いします。
- 大庭様:ZACを導入してから3年半が経過しました。適切な設計のシステムに、1つひとつのデータを正しく入力していけば、案件損益も会社全体の損益もしっかり「見える化」ができることを改めて実感しています。特に当社の場合は、紙文化が深く根付いていたので、ZACを介して情報が可視化されたことは大きな進歩です。
- 小野様:営業、技術者、サポートをはじめ、オロのみなさんには導入作業の頃から非常に良くしていただきました。時には同業者としての厳しい指摘にも真摯に応えてくれました。パッケージシステムとしてZACが今後さらに進化・発展することを期待しています。
- オロ:ありがとうございました。
ZACの機能や価格を詳しく知るなら
ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
製品パンフレットで導入メリット、詳しい機能をご覧ください。
株式会社北海道ジェイ・アール・システム開発 会社概要
- 事業概要:
- JR北海道の基幹システムの開発・運⽤で培った技術と知識を活⽤し、「運輸」「流通」「ホテル」といったシステムソリューションを構築することで、JR北海道グループの幅広い事業を⽀えています。 鉄道という社会インフラを⽀える北海道新幹線や在来線の運輸関連システム、ICカードを活⽤したKitaca関連システムなど、数多くのシステム開発・運⽤を⼿がけています。 最先端の技術を⽣かすと共に、新たな価値とサービスを提供するソリューションビジネスを展開しています。
- 所在地:
- 〒060-0906 北海道札幌市東区北6条東4丁目1番地4 NE6・4ビル7F
- 設立:
- 1988年8月
- 社員数:
- 195名(2022年4月1日現在)
- インタビュー協力:
- 企画ユニット:部長・大庭 久和様、統括リーダー・米田 章二様、松本 信也様、総務・人事ユニット:部長・小野 稔亮様
- 開発・事業グループ ソリューション第3ユニット:部長・曽山 昭宣様、経理ユニット:統括リーダー・吉田 昭香様