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株式会社ダイテックス ZAC導入事例
- その他業種
- 従業員数101〜200名
- プロジェクト別収支管理
- 未来の売上・利益予測
- 属人化の解消
- 関東地方
「ガラス張りの数値管理に対するこだわり」が、組織を変える
経営数値の意味を考え行動する、
自律組織への変革
“ ZACの何が一番良いかと言えば、数字をもとに共通認識を持てることです。私と社員、そして社員相互が、数字を通じて価値観を共有できることになります。会社の中での相互理解の促進にもつながりますし、さらに言えば、このような理解を通じて、次世代のリーダーが育ってくれればよいなと思っています。価値観を共有できていると、お互い仕事がやりやすいです。”
—代表取締役 阿部 和彦様

- CADを駆使した設計のプロフェッショナル集団である、株式会社ダイテックス。1949年に創業し、半世紀以上の歴史がある同社は、経営数字を見える化し、担当者による自律的な損益管理など、将来を計画する「管理会計」を実現するため、クラウドERP「ZAC」とQuickSightを導入しました。徹底した経営数字の見える化の背景にある、経営哲学と合わせて、選定理由と活用方法を代表取締役 阿部様にお伺いしました。
- オロ:事業内容を教えてください。
- 阿部様:当社は戦後復興において、耕作地の造成や建築の需要に応えるため、重機・建機を設計を請負う事業から始まりました。重機・建機の設計の請負で培った技術力により、他の事業領域にも事業を拡大しました。さらに、請負だけでなく、エンジニアを派遣したり、あるいはお客様から委託を受けるという3つの形態で、CADを駆使した設計技術をお客様に提供させていただいています。
- 当社の強みは、幅広い事業領域のお客様に対して、お客様の状況やご要望に応じて、派遣・請負・委託という3つのサービスを、選択していただくことが可能なことです。現在、多くのお客様に当社のサービスを提供させていただいており、幸いにもご好評をいただいております。
- これからもCADを駆使した設計のプロフェッショナル集団として、日本のものづくりを支援していきます。
業績は好調。だが正しい経営情報が見えない。
そんな管理体制に対する危機感が検討のきっかけ
- オロ:ZAC導入を検討された背景についてお聞かせください。
- 阿部様: 過去を分析する財務会計だけでなく、現在と将来を計画する「管理会計」へ切り替えたかった、という点が大きいです。日々の情報をタイムリーに捉えるだけではなく、最終的にどのような着地になりそうか、将来を見据えたフォーキャスト管理を実現したかったのです。
- 私は当社へ入社する以前、10年ほど大手プラントエンジニアリング企業に在籍していました。案件の規模が大きいことから管理は厳格でして、材料や工数の計画にもとづきプロジェクト単位で、どれだけ利益が出るのか、フォーキャスト管理・未来予測が徹底されていました。
- 約10年間の実務経験を経て、厳密・厳格な損益管理の手法が、私の身に染み付いていたので、当社に入社した当時の管理体制を課題と感じたのです。当時の状況として 案件情報はExcelで各社員がバラバラに管理しており、議論に上がる売上などの経営数字も、基準時が違うことさえもありました。
- 他にも、 内部統制の観点で課題 がありました。見積書や請求書など対外帳票について、Excelで管理していたため 「誰がいつ発行しているのかわからない」という状態であり、解消したいとも考えていました。
- 当時、業績がそこまで悪くない、むしろ好調であり、管理体制に対して、社内では問題意識が高まっていない状況でした。当時は、将来を見据えた観点から検討が十分にされておらず、解決のためシステム検討を始めたのです。
- オロ:ZAC選定のポイントを教えてください。
- 阿部様:課題が解決できるシステムを探していた時、理想形として私がイメージしたのは、プロジェクト・案件に対して、JOBNoが割り当てられ、さらにその配下に、設計など業務単位のコードがあり、一日の作業時間をコードごとに管理・集計ができる。そんなイメージ通りのものを探していて、ZACを見つけたのです。
- まず、 案件に対してJOBNoが割り当てられており、工数の集計が可能という点について、ZACはまさしくイメージ通りでした。
- そして課題の一つであった帳票発行機能についても、ZACは評価できました。当時、工数管理に加え、案件に関する見積・請求などの対外帳票まで、出力できるシステムが中々見つからなかったので、ZACは双方に対応可能であることも選定につながりました。
ZAC導入の3つの効果「自律的な損益管理」
「部署間の切磋琢磨」「管理会計レベルの向上」
- オロ:ZAC導入の効果を教えてください。
ZAC導入効果①:案件担当者による自律的な損益管理を実現
- 阿部様: まずトップの私からの指示によらず、 案件担当者自らが、利益とコストの管理 をするようになったことです。
- 例えば請負案件の場合、所属部署の長が見積を算出し、案件担当者が利益をコントロールしつつ、作業者が稼働します。ZAC導入以前は、 所属長と案件担当者、作業者のお互いが、ばらばらに数字を管理していると言っても過言ではない状況でした。
- ZACが導入されてからは、 各社員が案件の現状を具体的な数字で把握できます。 ZACの「利益計画画面」に売上金額、予定作業時間を登録しておけば、利益の予測値が確認できます。これにより、自らの仕事へ各社員のモチベーションも増してきており、お客様にもより質の高いサービスを提供できているものと感じています。
ZAC導入効果②:数字の見える化で部署間が切磋琢磨
- また各社員はZAC上で、自分の部署だけではなく、他部署の損益状況を確認できます。そのため最近は 成績が良い部署に倣って「どうしたらそうなるのか」という議論も行われるようになってきました。
- 他方で、数字がすべてではないことは、もちろんです。まずはお客様に満足いただけるサービスを、提供できることが何よりも重要ですし、また、各社員がモチベーション高く満足感をもって仕事をして欲しいと思っています。
- 例えば「他部署の粗利率が◯%である。自分の部署も同じ水準にならないとまずい」など、本質的ではない表面的な競争意識や、強迫感で◯%達成となると、それは本末転倒です。
- そのため社員含め常に数字の意味を考えて、対応するように心がけています。市場や社内の環境など、経営数字に影響する要素は多分にあるので、他部署の数字が見えたとしても、表面的な数字にとらわれず、その数字が何を意味しているのか、常に考えるように話しています。数字を自らの仕事を振り返る道具の一つとして、使ってほしいと考えています。
ZAC導入効果③:バックオフィスの増員を伴わず管理会計レベルが向上
- もう一つの効果は、バックオフィス業務の効率化です。当社は社員数約200名ですが、バックオフィス業務をアウトソーシングせず、3名体制という少人数で対応しています。このような状況に対応できているのは、まずは、バックオフィスの社員一人ひとりがとても努力してくれていることです。私はとても頼もしいと思っています。それに加えて、細かく数字が管理できるようになった一因には、ZACがあるのかな、と考えています。
- 管理会計を担うZACと財務会計との連携により、ZACを締めて財務会計にデータを連携するまで半日で完了しています。
ZAC導入
3つの効果
案件担当者による 自律的な損益管理 を実現
トップからの指示によらず、正確な案件別損益を案件担当者が把握可能になった。
数字の見える化で 部署間が切磋琢磨
他部署の損益状況が確認可能となり、成績が良い部署に倣って
「どのようにしたらそうなるのか」という議論が行われるようになった。
バックオフィスの増員を伴わず管理会計のサポート
経営管理体制が厳密になり、社員の管理会計レベルが向上するとともに、
ZACが管理会計をサポートしている。
付加価値を高める上では「時間単価」が重要
- オロ:管理会計上、重視されている指標があれば教えてください。
- 阿部様: 労働生産性に注目しています。 一人ひとりの労働生産性が上がることは、お客様にとって大きな利益となります。また、社員がそれぞれ自らの能力を向上させることは、社員にとっても仕事への満足度を上げることになると考えています。
- 少し前と違い業績が右肩上がりで、社員も自然と増える、という簡単な状況ではないからこそ、いかに付加価値を高めるかが重要と考えています。
- 具体的には、オロさんが出版されている本(*1)の中で述べられている「時間あたり営業利益」など、単価に関する事項をKPIとして管理することを意識しています。
- 当社の場合、実際に分析してみると、時間あたり営業利益などの単価ベースの指標は、右肩上がりであると同時に、働き方改革などにより、年間のトータルの工数は減少しています。結局、近年の売上・営業利益はほぼ一定です。つまり、一人あたり・単位時間あたりに生み出す価値は増加しており、付加価値・単価は改善していると分析しています。このことにより、お客様や社員の満足度につながれば、と考えています。
障壁を越えるヒントについて、当社の管理会計事例を紐解きつつ解説した書籍。
KNOWLEDGE WORKER MANAGEMENT ナレッジワーカー・マネジメント 業績も人もついてくる数字で語るマネジメント術 (プレジデント社)
QuickSightで業績集計の作業が一日半から、実質0へ
- オロ: 2024年よりQuickSight連携オプション(*2)をご利用いただいています。何か導入効果など現れているでしょうか?
- 阿部様: QuickSightの「いいな」と思っている点は、「業績資料」の作成が容易で時間の節約になり、その時間を他の業務に当てることができることです。
- 従来、ZACに登録された情報は「業績資料」というExcelを作成の上、社員200名に公開・共有していました。
- 「業績資料」とは、損益計算書をイメージした構成のもので、各拠点別に経常利益まで表示されるExcelシートです。 この業績資料の作成に、約1日半かかっていました。毎回工数を集計して、単価を出して、有給休暇・残業時間を考慮して、といった流れでフォーマットを作成することも大変ですし、維持・メンテナンスに多くの工数を消費していました。
- QuickSight連携オプションを利用することで、 一度フォーマットを作成してしまえば、すぐ数字が出るようになっており、作業時間の削減につながっています。 削減された作業時間を使って、各地方のオフィスを周るなど、社員と対面で意思疎通を図る時間ができました。
- また、Excelでは集計した数字を掘り下げて確認することが難しい状況でした。 本当は拠点ごとに集計されている労務費も、案件単位まで掘り下げたいのですが、そこはExcelの限界でした。 必要な粒度まで掘り下げて数字を分析可能になった、という点も効果を感じるところです。QuickSightによってお客様ごとや、業界ごとなどの多角的な分析も容易になり、グラフ化などの分かりやすさもあって、各拠点での活用も進んでいます。
- オロ: 業績情報を社員に周知する上で工夫されていることはありますか?
- 阿部様: QuickSightの経営情報は代表の私から全社員ではなく、一旦、所属長に展開し、所属長経由で各社員に展開しています。
- なぜなら、冒頭でお伝えした通り、 数字には意味があるからです。同一の指標であっても、各部署ごとに捉え方が異なるはずなので、代表の私は経営数値を測定し公開する役割に徹し、活用は部署の考えを尊重しています。元々Excelで作成していた業績資料は公開を始めてから、社員自身が「これも知りたい、この項目がない、これも入れてほしい」という声を上げ、その積み重ねを形にしてきたものでした。
- 「数字が可視化され、その数字にもとづき判断できる」こと自体が「面白い」と捉えられたためか、多数の要望が寄せられたものです。このようなモチベーションが寄せられることがとても嬉しく、このように要望を出してくれることにより、社員のモチベーションが上がる一つのきっかけになれば、と思っています。
「業績資料の作成」をラクに。
経営数字の可視化を支援するQuickSight連携オプション(*2)
- (*2)ZACはAmazon Web Servicesが提供するBIサービス「Amazon QuickSight」と連携することで、売上・利益、勤怠、経費データといったZAC内の様々なデータを、豊富なビジュアルで可視化できます。
- (*)上図はイメージ画像となります。株式会社ダイテックス様の実際の経営情報を表すものではございません。
とことん細かく示す数字が生み出す共通認識
- オロ:経営数字についてこれだけの徹底した管理を実現されている背景となる、経営哲学やお考えについて教えてください。
- 阿部様: カリスマ的な経営者であれば、自身が牽引し、後について来い、というスタイルがありえるかもしれませんが、私はそのようなタイプの経営者ではありません。
- 私の場合、 納得してもらうために、とことん細かく示す。 細かく示すことで数字の因果がわかるので、「あなたでも私と同じ判断にいたるでしょう、同じことができるでしょう」という状態を作ることを重視しています。
- このように行うことにより、社員と価値観の共有ができると考えています。さらに、このように価値観を共有することで、次のリーダーが生まれて欲しい、という思いもあります。
- 阿部様: ZACの何が一番良いかと言えば、数字をもとに共通認識を持てることです。 私が社員に何か伝えると「それ既にやっています」ということが、度々あります。 お互い思考の根拠が共有できており、この共通認識こそ、後継者育成の観点につながっていると思います。価値観を共有できていると、お互い仕事がやりやすいです。
- QuickSightであれば、誰にでも説明して引き継ぐことができるので、仕組みの面でも誰かに引き継ぐ準備ができた、と言えるかもしれません。
- オロ: 本日はありがとうございました。
ZACの機能や価格を詳しく知るなら
ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
製品パンフレットで導入メリット、詳しい機能をご覧ください。
株式会社ダイテックス 会社概要
- 事業概要:
- ダイテックスはCADのプロフェッショナル集団です。エンジニア派遣や機械設計請負など「技術」と「チームワーク」でお客様の設計・開発の現場を支援しています。
- 所在地:
- 〒212-0013 神奈川県川崎市幸区堀川町580番 ソリッドスクエア 西館20階
- 創業:
- 1949年5月23日
- 社員数:
- 185名
- インタビュー協力:
- 代表取締役 阿部 和彦様