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株式会社ビー・アンド・ディー ZAC導入事例

  • SP業・広告制作業
  • 従業員数51〜100名
  • プロジェクト別収支管理
  • スピーディな原価計算
  • 関東地方

案件損益の見える化で
“自分ゴト” で取りくむ組織へ

"ZAC導入当初と現在を比較すると、営業利益率は着実に向上し、収益性は改善傾向にあります。社員の損益意識が強化され、「筋肉質な組織」を作り上げることができました。"
──経営管理本部 本部長 古市智也 様

ダイレクトマーケティングを核に統合的コミュニケーション戦略の立案・実行を担う株式会社ビー・アンド・ディーは、原価管理体制を強化するため2006年にZAC Enterprise(以下、ZAC)を導入しました。以降、広告業界を取り巻く経営環境の変化やシステムニーズの変化にあわせてZACの活用方法を年々高度化。営業利益率の向上や社員の損益意識の強化など、「筋肉質な組織」を作り上げることに成功しています。ZAC導入効果について、同社の経営管理本部・古市様にお話をうかがいました。
※内容はすべてインタビュー時のものとなります。
株式会社ビー・アンド・ディーは、2022年に株式会社インターコネクトから社名を変更しておりますが、会社名、御役職などすべてインタビュー当時のまま掲載しておりますことをご了承ください。

ダイレクトマーケティングのプロとして、クライアントの真の事業戦略パートナーをめざす

オロ:インターコネクト様の事業内容を教えてください。
古市様:私たちインターコネクトは、1996年の創業以来、クライアントの事業の成功確率を高めるために、新規顧客の獲得から、顧客育成、その先のLTVの最大化を狙うダイレクトマーケティング戦略を軸にクライアントの事業戦略ゴールを共にめざしています。
具体的には、クライアントの顧客一人ひとりにフォーカスして、WEBソリューション、クリエイティブ、フルフィルメント、データベース&システム開発、パブリックリレーションズ、リサーチ&アナリシス、セールスプロモーション、メディア(自社媒体として大型ビジョン=OOH=を複数保有)などの手法を組み合わせ、ダイレクトマーケティングを基軸にしたコミュニケーション戦略立案から、ターゲット顧客の心理や行動変化に合わせた的確なアプローチを実施し、新規顧客獲得と既存顧客維持を図ります。
また、ダイレクトマーケティングビジネスとともに、大型ビジョン事業を30年以上行っており、媒体社ならではの知見を活かし、広告媒体としての活用・運用提案、広告獲得支援、オリジナルコンテンツの調達・制作、さらには条件に見合った適切な機材の導入計画から施工・メンテナンスまでを一貫してサポートしております。
オロ:インターコネクト様は、ZACを長くご利用いただいていますね。
古市様:2006年にZACを導入したので、すでに12年間利用しています(2018年11月時点)。導入当時とは経営環境もシステムニーズも大きく変わりましたが、その都度ZACに機能追加をしたり、運用方法を変えることで利用を継続してきました。ZACはユーザーの変化にも柔軟に対応できるシステムだと思います。

「粗利」までの管理では、原価の内訳を把握できない

オロ:ZACを導入した理由を教えてください。
古市様:ZAC導入以前は、案件の売上から外注費を差し引いた、粗利による管理を行っていました。これをクライアント別に集計してマネジメントしていましたが、社員の誰がどの案件にどのくらい関与していたのか、外注費以外のコストがどれだけ掛かっていたのかなど原価の内訳が把握できない状態でした。そこでクライアントごと、案件ごとの原価・損益を正確に把握するためにZACを導入しました。
オロ:12年間の中で、ZACの利用方法はどのように変化していきましたか?
古市様:ZACの利用方法は年々高度化していると思います。発展の段階を大きく3つのステージに分けると、最初の第1ステージは「クライアント別の売上総利益管理」の実現をめざし、次の第2ステージでは「案件別の売上総利益管理」の実現をめざしました。現在の第3ステージではさらなるレベルアップをめざして「案件別の営業利益管理」と「部門別採算管理」の実現に向けた取り組みを行っています。
年々高度化する「ZAC Enterprise」3つの活用ステージ

ZAC活用第1ステージ:「クライアント別の売上総利益」の見える化へ

オロ:第1ステージにおけるZAC活用方法を教えてください。
古市様:売上総利益までの損益管理を実現するため、案件の売上に対して外注費、製造経費、労務費を紐付ける取り組みを始めました。例えばある社員がクライアントワークに取り組んだ場合、どのクライアントの作業にどれだけ時間を投入したかをZACに登録します。ZACはその工数を労務費に換算してくれるので、クライアントごとに費やされた労務費を正確に把握できるようになりました。
あわせて、社内の様々なコストを製造経費と販管費のどちらにあたるかを細かく規定し、製造経費は案件に紐付けて管理するようにしました。例えば「経営層・バックオフィス部門の交通費は販管費」「営業・制作部門の交通費は製造経費」といったように、同じ交通費でも申請する社員や内容によって種類を細かく分け、ZACに設定していきました。
工数管理にしろ、経費精算にしろ、正確な入力を定着させるのはなかなか大変な作業でしたが、地道に啓蒙を続けた結果、ZAC導入から数年後にはクライアント別の売上総利益を月次決算のタイミングで正確に算出できるようになりました。

ZAC活用第2ステージ:「案件別の売上総利益」の見える化へ

オロ:第2ステージでは「クライアント別」から「案件別」の売上総利益管理へと管理のレベルを引き上げています。きっかけを教えてください。
インターコネクト 古市様
古市様:きっかけはリーマンショックです。それまで業績は順調に推移していましたが、リーマンショックを境に一時的に業績が伸び悩み、利益率も圧迫される状況にありました。個別案件のコストをしっかりコントロールし、収益性を向上させなければ利益が確保できないという危機感から、さらに詳細な案件別の売上総利益管理をめざすことにしました。
オロ:具体的にどのような取り組みを行いましたか。
古市様:工数管理をより精緻に行うことにしました。それまでは個別の案件単位というより、クライアント単位で工数を管理するような大雑把な感覚があったのも事実です。個別案件に工数を紐づけることを徹底した結果、案件ごとの労務費・損益がより正確に算出できるようになりました。
案件ごとの損益の見える化が実現したことで、例えば「この案件はどうしてこんなに利益が少ないんですか?」と自分が関与している案件に対する質問を受ける機会も増えていきましたし、全社的に損益意識が根付きはじめたことはポジティブな変化だったと思います。

ZAC活用第3ステージ:「部門別・案件別の営業利益」の見える化へ

オロ:第3ステージでは、案件別の「売上総利益管理」から「営業利益管理」に移行されます。きっかけを教えてください。
古市様:中期経営計画において「さらなる生産性(収益性)の向上」を目標に掲げたことに加えて、社員がシステムに求めるニーズが高度化したことも背景にあります。
例えばある案件の損益が赤字の場合、その原因はクリエイティブ側の作業に問題があったのか、営業側の値決めに問題があったのか、もっと詳しく知りたいという声が多くなってきました。その要望に応えつつ、そもそも赤字に陥らないための情報提供-PDCAのActionに活かせるような情報を提供したいと考えました。
こうした理由から、案件の損益管理を売上総利益ベースから営業利益ベースに移行し、その情報をタイムリーに現場に提供すること、また、案件損益の分析をより細かく行うため部門別採算管理を採用することにしました。

販管費の配賦により、原価管理体制を強化

オロ:具体的にはどのような取り組みを行いましたか。
古市様:販管費については以前から会計仕訳作成のためにZACに投入していましたが、第3ステージに入ってからは、販管費についても各部門に配賦する取り組みを新たに行いました。販管費は最終的に各案件にまで配賦されるので、外注費、製造経費、労務費、販管費が紐付き、案件別の営業利益がZAC上で確認できるようになりました。
個別案件に販売費および一般管理費を配賦

社内発注のルールを整備し、部門別の採算を明確に

オロ:現在取り組まれている、部門別採算管理について教えてください。
古市様:営業部門とクリエイティブ部門、それぞれの損益に対して、一人ひとりがより自分ごととして捉えてほしいと考え、「社内発注(社内取引)」の仕組みづくりを始めています。この運用にあたっては、ZACの利益移動という機能を新たに活用しています。
今までは営業部門が案件を受注し、後工程作業をお願いされたクリエイティブ部門社員は、営業部門の登録した案件に工数を登録していましたが、営業部門からクリエイティブ部門に対して仮想的に社内発注を行い、クリエイティブ部門配下にも案件が登録されるような運用に変更しました。今期から導入した取り組みのため、まだ試行錯誤中ですが、あと半年から1年もすれば、運用がより洗練されていくのではないかと思います。
部門別採算管理については、オロさんに他社事例を教えていただいたり、当社独自の配賦基準をカスタマイズ開発してもらうなどご協力いただきました。弊社の求める仕様には難しい部分も多々あったかと思いますが、オロさんの営業やSEのみなさんが自社のことのように丁寧に対応してくれたことに、とても感謝しています。

一人ひとりの損益意識が向上し、「筋肉質な組織」に生まれ変わった

オロ:最後に、ZAC導入によって得られた成果、今後の取り組み等あれば教えてください。
インターコネクト 古市様
古市様:ZAC導入によって社員一人ひとりの損益意識が大きく向上し、確実に「筋肉質な組織」になっていると思います。実際の営業利益率についても、ZAC導入当初の12年前と現在を比較すると着実に上昇傾向にあります。
ただし、案件別の営業損益は月次決算の配賦処理がされてはじめてZACに反映されますので、そのタイミングでは事後の対策しか取ることができません。そこで、今後、取り組みたいことは、案件担当者別に予定作業時間をZACに登録するようにすることで工数の予実管理によって「3時間の作業予定が5時間になった」「その結果、損益の着地見込みにこれだけの影響が出る」ということがリアルタイムで可視化されれば、全社的に損益意識はさらに向上していくと考えています。
そこからさらに第4ステージ、第5ステージとZACの活用ステージが発展していけば、ZACによって得られる定量効果、定性効果をもっと明確にお伝えできると思います。そうした取り組みの成果については、改めてこういったインタビューで、是非ご報告させていただきたいと思います。
オロ:本日はありがとうございました。

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ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
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株式会社ビー・アンド・ディー 会社概要

事業概要:
クライアント企業のマーケティングゴールをめざすコミュニケーション戦略・戦術を忠実にかつ高いクオリティで実践するために、インタラクティブなソリューションをコアとして各業種業態にマッチした先進テクノロジーと多彩なコミュニケーション・チャネルをフル活用しています。ターゲットを具体的行動へと誘因するレスポンスクリエイティブ制作はもちろんのこと、日々目覚ましい変化を遂げ続けるWEBマーケティングにおいても専門部隊を社内に擁し、コンテンツ制作・システム開発からプロモーション開発、クロスメディア提案やデータベース運用まで、包括的にプロジェクトをマネジメントしています。
所在地:
東京都港区芝2-28-8 芝2丁目ビル
URL:
https://www.bdcorp.co.jp/
設立:
1996年10月
社員数:
115名(契約社員含む 2018年9月時点)
インタビュー協力:
経営管理本部 本部長 古市智也 様
経営管理本部 経理財務部 課長 萩原正子 様
経営管理本部 経理財務部 アシスタントマネージャー 猪瀬愛夢 様
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