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アラヤ株式会社 ZAC導入事例

  • 翻訳・ドキュメントサービス業
  • 従業員数51〜100名
  • プロジェクト別収支管理
  • スピーディな原価計算
  • 情報の一元化
  • 関東地方

案件の平均粗利率を3.5%アップ
翻訳サービス業の利益創出マネジメント

"KPI管理の導入で、社員の数字に対する意識が大きく変わりました。ZAC Enterpriseを活用したさまざまな取り組みの結果、案件の平均粗利益率が3.5%程度向上しています。"
──副社長 星 真武 様

多言語をバックグラウンドに総合翻訳サービスを提供するアラヤ株式会社は、9年以上ZAC Enterprise(以下、ZAC)を継続利用しているヘビーユーザーです。同社は経理業務効率化のためにZACを導入しましたが、自社を取り巻く経営環境の変化に対応するため2年前からZACの運用方法を変更し、案件の平均粗利益率を3.5%向上させるなど利益創出の取り組みに成功しています。ZACを活用した経営改革の実践について、同社の副社長・星様、業務推進部部長・村田様にお話をうかがいました。

多言語展開に強みを持った総合翻訳サービスを展開

アラヤ株式会社 星様、村田様
オロ:アラヤ様の事業内容を教えてください。
星様:世界40以上の言語に対応した翻訳業務から、ソフトウェアやパンフレットのローカライズ、多言語対応など、言語に関するさまざまなソリューションを提供しています。
翻訳ニーズは年々多様化していて、最近ではソフトウェアのUIやWebサイト、広報・IRなど幅広い対象へと翻訳ニーズが広がっています。このような翻訳では対象の特性や国ごとの文化、慣習に合わせて新しい表現を作る必要があり、当社ではこういった高い専門性が必要なローカライズ・翻訳業務を得意としています。
例えばアプリケーションの国際化対応では、プログラムの一部分を取り替えればすぐに言語を切り替えられるUI設計の提案や開発を当社で請け負っています。広告制作では広告業務経験のあるバイリンガルのネイティブをプロジェクトにアサインし、各国の広告コピー制作にも対応することができます。言語に関するあらゆるニーズにワンストップで対応できる豊富なノウハウと、優秀な翻訳者ネットワークを持っていることがアラヤの強みです。

翻訳業であるが故の業務課題「煩雑な粗利計算」「外貨建て支払」

アラヤ株式会社 村田様
オロ:ZAC導入前の課題を教えてください。
村田様:以前は販売業務に市販の販売管理システム、購買業務にAccessで自社構築した仕組みを使っていたため、案件ごとの粗利計算がとても煩雑でした。
案件に付与された番号に基づいてExcelで売上と原価を紐付けるのですが、翻訳業では1案件で発生する仕入がとても多く、この紐付けが大変な作業になります。例えば日本語を30言語に翻訳する場合、翻訳者30名に加えてチェック担当者も同人数手配するため、60件近くの仕入が発生します。毎月数百件近く納品される案件の粗利計算だけで手一杯となり、進行中案件の粗利計算までとても手が回りませんでした。
粗利計算以上に大変なのが毎月の支払業務です。年間300名近く稼働する外部パートナーには海外居住者が多く、支払は円建て・ドル建て・ユーロ建てとさまざまです。仕入金額を集計し、それを各為替レートで計算し、各パートナーに1件ずつ振込データを作成する業務負荷は相当大きなものでした。こういった毎月の経理業務を効率化するためシステムの導入を検討したのです。

ZACの案件管理プロセスが、翻訳業務の流れにフィットした

オロ:ZAC選定の決め手を教えてください。
星様:ZACの案件管理プロセスが、当社業務の流れにマッチしたことが選定の理由です。当社ではクライアントからの引き合いに対しパートナー企業や翻訳者をアサインして原価が決まり、その後見積、受注、納品、請求へと流れていきます。ZACもまさにこのような流れで案件管理を行うシステムなので、導入後の利用イメージがつかみやすかったのです。
村田様:購買業務の特殊性に対応できる点も評価ポイントでした。当社では海外パートナーのリクエストに応じ、支払をまとめて実行することがありますが、支払発生月に最新為替レートで金額の再計算を行います。こういった当社独自の業務処理にもカスタマイズで対応できる柔軟性もZACを選定した理由の1つです。

「仕入先管理」「外貨建て支払」にかかる作業時間は半減

オロ:ZACの導入効果についてうかがいます。粗利計算の課題はどのように解決しましたか?
村田様:売上と原価がZAC上で明確に紐付き、案件がどのステータスにあってもタイムリーに粗利が把握できるようになりました。営業やプロジェクトマネージャー(以下PM)はZACで業務処理を行うたび自然と画面上の案件収支を目にするので、彼らの採算意識も大きく変わりました。
オロ:もう1つの課題だった外貨建ての支払業務はどのように改善しましたか。
村田様:仕入金額の集計や為替レート計算がZACで自動化し、その結果をFBデータ出力することもできるようになり、支払業務は大幅に効率化しました。翻訳業の場合、パートナーに個人事業主が多いので、下請法対応や源泉所得税関連の処理など管理業務も多く発生しますが、ZAC導入後はこれらの業務も効率化しています。
以前は支払業務、仕入先管理業務に経理担当者1名が業務時間の80%ほどを割いていましたが、今は40%ほどに削減できています。システム導入当初の「粗利計算の効率化」「経理業務の効率化」という目的は十分に達成できました。
星様:販売業務の方でも、ZACの商品マスタを使えば「日本語→英語の翻訳は1文字いくら」といった単価登録ができるので見積作成がスムーズになりました。請求や入金消込も案件単位で行えるので債権管理業務も効率化しています。得意先ごとの売上、利益率や、仕入先ごとの原価といったデータも簡単に集計できるようになったので、部門会議で使用する経営資料も質の高いものが作成できるようになりました。

経営環境の変化に対応するため、ZACを活用した業務改革に着手

アラヤ株式会社 星様
オロ:アラヤ様はここ数年で組織体制を変更し、ZACを活用した業務改革を進められていると聞きました。どのような改革を行ったのでしょうか。
星様:ローカライズや国際化など、コンサルティング要素を含むプロジェクト系案件が増えたことで、案件の利益率にバラつきが出るようになりました。そこで2年ほど前から営業とPMの職務範囲を明確に区分し、営業は受注に関して、PMは利益に関して責任を持つ組織体制に変更しました。
体制変更に伴い[引合案件数][週次・月次の受注件数][週次・月次の売上金額][新規顧客/既存顧客の売上比率]を新たなKPIとして設定し、達成状況を日報・週報としてメール配信することにしました。また、営業だけでなくPM業務の見える化も進め、各PMが担当した案件一覧とそれぞれの売上金額・粗利益をまとめたシートを全社公開することにしました。どちらもZACから出力されたデータが元になっています。
コンサルティング案件の増加などの影響もありますが、取り組みを開始してから案件の平均粗利率は3.5%アップしており、定量・定性の両面で効果が出ています。

粗利率が3.5%アップ!アラヤが実践した利益創出マネジメントとは?

アラヤが実践した利益創出マネジメント
オロ:案件の平均粗利率が3.5%アップした理由、秘訣を教えてください。
星様:要因としては以下のものが挙げられると考えています。
①社員の意識改革
引合件数、受注件数、売上進捗といったKPIを毎日メールで配信したことで、営業の数字に対する姿勢が貪欲なものになりました。また、PMについては案件の売上や粗利益を一覧公開したことで、自分が担当する案件の損益をこれまで以上に意識するようになりました。

②引合案件の情報共有
日報・週報で引合案件がその後受注したかどうかも追いかけるようにしたことで、PMが受注活動に積極的に協力するようになりました。受注活動への協力が、やがて売上や利益となり自分の実績に反映されるというサイクルが、PMの行動に良い影響を与えているのではないかと思います。

③見積精度の向上
PMの損益意識が高まったことで、以前は営業が行っていた見積作成にPMも関わるようになりました。PMが見積作成に関与することで、クライアントから値下げ交渉があっても、額面上の調整だけではなく、プロジェクトの内容や発注先を見直すことで予算内に収めるアレンジが可能になりました。そうして作成された見積にはコストや品質に対するPMの自負も反映されているので、営業も自信を持ってクライアントに提示できるようです。

④既存顧客・休眠顧客へのアプローチ
[新規顧客/既存顧客の売上比率]をKPIにしたことで、既存顧客や休眠顧客へのアプローチが活性化しました。過去数年分の得意先データをZACから取り出し、売上が減少傾向にある得意先、スポット取引のみの得意先、休眠中の得意先など、クライアントをカテゴリー分けして営業アプローチをかけています。新規顧客をゼロから攻めるよりも効率よく営業ができ、少しずつ成果も出始めています。

⑤協力会社・パートナーとの強力な関係作り
年に1度ZACの仕入データを分析し、協力会社の評価を行なっています。当社では年間約100社の協力会社に業務を発注していますが、発注内容を細かく見ていくと、同一業務を複数の会社に発注しているケースがあります。このような情報を元に、業務の専門化や効率化を共同で進めていくことのできるパートナー選定を進めています。こうした取り組みが利益率の向上にも貢献しています。

翻訳会社のあるべき姿を目指して、ZACをさらに活用していきたい

オロ:最後に、今後のZAC活用プランを教えてください。
星様:これからの翻訳会社には、クライアントが伝えたい内容と、伝えたい相手のことを正確に理解し、新たな言葉を作り出していくクリエイティビティが求められていくと思います。業務におけるコンサルティング的な要素は今後さらに増えていくはずなので、品質を高めながら、利益も確保できる体制を構築するために、ZACをうまく活用していきたいですね。
オロ:本日はありがとうございました。

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ZACはIT、クリエイティブ、コンサル業をはじめとした知的サービス業を中心に1,000社を超える企業様に導入いただいています。
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アラヤ株式会社 会社概要

事業概要:
技術資料、広報・IRをはじめとするビジネス文書、学術論文など、幅広い専門分野をカバーする優秀な翻訳者のネットワークと、きめ細かなチェック体制によりクオリティの高い翻訳を提供しています。また、文書翻訳にとどまらず、プロジェクト設計から作業フロー改善まで含んだソフトウェアのUIローカライズや、カタログ・パンフレット・Webサイトなどクリエイティブの多言語対応まで、さまざまなサービスをトータルにご提供いたします。
所在地:
東京都目黒区中目黒1-1-71 KN代官山3F
URL:
https://www.alaya.co.jp
設立:
2004年4月
社員数:
55名(2017年4月現在)
インタビュー協力:
副社長 星 真武 様
業務推進部 部長 村田 玲子 様
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