サブスクの請求管理が複雑化する5つの理由。効率的に管理するには?
2024/10/18公開
近年増加しているサブスクサービスは、多様な料金形態や顧客ごとに異なる契約期間といった性質上、管理が複雑になりがちです。特に請求管理は煩雑になってしまいます。とはいえ請求業務は企業の売上に直結するため、ミスや漏れがないよう正確に管理することが必要です。
本記事では、サブスクサービスの管理が複雑になる理由から、効率的に管理するためのツールと利用するメリットまで徹底解説します。サブスクサービスを提供していて請求管理に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
サブスクリプションビジネスとは
サブスクリプションビジネスとは、顧客から継続的な利用料を受領し、契約期間にあわせてサービスを提供するビジネスモデルのことです。日本では、サブスクと省略されることが一般的です。
楽曲や動画配信、ファッションなどの個人向けのサービスから、企業向けのSaaSまで、サブスクリプションモデルのサービスは近年増加傾向にあります。企業向けは、特に業務支援につながる、バックオフィスサポート系のSaaSが中心です。
それに伴い、サブスクリプションサービスを提供する企業も増えています。これまで買い切り型だったサービスを、継続的な購買が期待できるサブスクリプションモデルに切り替えるケースも見受けられます。一般的な定額課金だけでなく、従量課金を組み合わせた複雑な料金体系を採用することも多く、課金方法や契約期間の管理が複雑です。
Excelでは難しいサブスクサービスの請求管理
企業の規模が小さいうちは、Excelで請求管理を行う企業が多いものの、サブスクサービスを提供する側に限っては規模に関わらずExcelで管理することは簡単ではありません。それは、サブスクサービスには複数の料金形態があり、それらを顧客ごと、契約ごとに個別に管理しなければならないからです。
サービスリリース当初はExcelで管理することができても、管理すべき項目や機能、顧客数が徐々に増え、Excel上での管理が複雑化していきます。管理に手間や工数がかかるうえ、人的ミスも起こりかねません。もしミスによって請求額や請求タイミングを間違えば、企業の売上額にも影響を及ぼすため、正確な管理が求められます。
サブスクサービスの請求管理が煩雑化する5つの理由
サブスクサービスの請求管理が煩雑になるのは、以下の5つが主な理由です。サブスクサービスの特徴とともに、煩雑化する理由を詳しく見ていきましょう。
顧客ごとに契約プランが異なる
顧客がそれぞれ必要なプランを柔軟に組み合わせて利用できるのが、サブスクサービスのメリットのひとつです。一般的には、全顧客が同じプランになることはなく、オプション含め顧客ごとに利用料金が異なります。そのため、各顧客の契約内容を管理して、適切な金額を請求する必要があります。
さらに、契約期間中のプラン変更やオプションの追加・解約といった契約状況も、タイムリーに把握しなければなりません。顧客が柔軟にプランを変更したり組み合わせられたりするメリットがあるからこそ、サービスを提供する側は管理が煩雑になってしまうのです。
多種多様な料金・課金形態
サブスクサービスは、料金形態も複数あるのが特徴です。どれだけ使っても定額料金のものや、利用した分だけ料金が増える従量課金、段階的に料金が増える料金設定など、サービスごとにさまざまです。
代理店経由で販売したものも含め、さまざまな料金形態を顧客ごとに手動で正確に計算するのは大きな負担となります。一括で支払われた料金でも、売上としては毎月計上するといった対応が必要な場合もあるため、さらに手間がかかります。
請求のタイミングやサイクルがバラバラ
サブスクサービスの料金の支払いは年に一回なのか、毎月なのか、スポットなのかなど、顧客ごとに請求サイクルが異なる点も、請求管理を複雑にする要因です。また、請求日≠契約日であるなど、請求タイミングが異なることで手間が増加します。
契約に基づいた請求回数・サイクルで請求書を発行する必要があるため、負荷が高くなりやすいです。
イレギュラーな割引やキャンペーンへの対応
通常の契約だけでなく、初月無料キャンペーンや複数サービス契約での値引き、長期プラン契約キャンペーンなど、サブスクサービスではイレギュラーな料金設定が発生しやすいという特徴があります。
特に値引きやキャンペーン価格は顧客の契約動機になっているケースも多く、誤って請求してしまうと解約やサービスの評判低下につながりかねません。顧客ごとの割引やキャンペーンを正確に把握しなければならない点も、請求管理の煩雑さにつながっています。
契約内容の変更の頻度が多い
サブスクサービスは、契約プランやオプション追加等が柔軟にできる点もメリットです。その分、契約情報を顧客ごとに都度更新し、請求金額を計算し直す必要があります。契約変更の頻度が高いほど抜け漏れやミスのリスクが高いため、正しく反映した料金で請求できているか確認する手間もかかります。
サブスク管理システムで複雑な請求管理を効率化
上記の理由からサブスクサービスの請求管理は煩雑になりやすく、Excelでの管理が難しいと言えます。そこでおすすめしたいのは、専用のツールを利用することです。 定められた期間ごとに請求を繰り返すサブスクサービス向けの管理ツールなので、煩雑で手間がかかる契約状況の更新や確認から請求書作成までを連携して管理が可能です。サブスク管理システムも、サービスに応じたさまざまなタイプが増えているため、自社のサービスに合ったシステムを選んで請求管理を効率化しましょう。
サブスク管理システムでできること
サブスク管理システムでどのようなことができるのか、具体的に解説していきます。
複雑な請求管理を自動化
顧客との契約と請求情報を紐づけることによって、サブスクサービスの複雑な請求管理を自動化できるのが、サブスク管理システムの大きな強みです。サービスごと、またはプランごとの料金設定や課金形態を設定し、顧客ごとにいくら請求すべきなのか料金を自動計算できます。請求サイクルもあわせて管理できるため、請求漏れも防げます。
プラン変更やオプション追加分を自動計算
契約内容に基づいた管理ができるため、契約期間中のプラン変更やオプション追加、契約の設定変更などによって請求料金が変わっても自動反映が可能です。契約内容の更新に基づいて自動計算できるため、請求時に金額変更の手間をかけずに抜け漏れも防げます。
顧客ごとの契約情報を一元化
顧客の基本情報や契約内容の管理はもちろん、営業活動に活かせる情報もまとめて管理が可能です。契約変更の履歴も把握できるため、顧客が何を求めているのかニーズを分析するためにも役立てられます。分析結果から、アップセルも見込める点が強みです。
まとめ
定期的な課金によって利用できるサブスクサービスは、個人・企業ともに利用する人が増えて、提供する企業やサービスも増加傾向にあります。一方で、料金形態やオプションの多様さ、プラン変更の柔軟さなど、サブスクサービスの特徴ゆえに請求管理が複雑化しているのも事実です。
複雑な管理をミスなく効率的に行うためには、サブスク管理ツールの利用がおすすめです。サブスクサービスに特化したシステムなので、独特な料金形態や定期的な請求管理にも対応しています。ただしサブスク管理ツールもさまざまなものがあるため、自社の業種業態に合ったツールを選定することが肝要です。
本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP「ZAC」は、サブスク管理システム「ハヤサブ」と連携できる「サブスクリプション管理オプション」の提供により、サブスクサービスに関する業務の効率化をサポートします。個別請求・一括請求、請求回数や請求サイクル、代理店経由の販売パターン、個別値引き単価調整など、複雑多様な請求管理の効率化を支援します。
サブスクリプション管理オプションについて、詳しい情報は下記資料にまとめています。ダウンロードしてご覧ください。