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パッケージシステムとは?スクラッチとの違い、導入前に知るべきこと

パッケージシステムとは?スクラッチとの違い、導入前に知るべきこと
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2025/3/21公開

社内の業務を効率化するために、システムの導入を考える企業も多いのではないでしょうか。システムはパッケージシステムとスクラッチ開発の2種類に大別でき、それぞれにメリットデメリットがあります。

本記事では、パッケージシステムとスクラッチ開発システムの違いや特徴、また実際に導入する際の流れを紹介します。各システムの特徴を理解したうえで、自社に最適なシステムを選定する際の参考にしてみてください。

目次

    パッケージシステムとは

    パッケージシステムとは、すでに製品として作り上げられたシステムのことで、既製品のことを指します。一般的にそのシステムに求められる標準的な機能を備えており、比較的安価かつ、短期間で利用開始できる点が特徴です。

    そのため、どの企業が導入する場合でも、基本的な仕様は同じになります。似た名前であるパッケージソフトウェアも同様で、すでにソフトウェアとして完成したものです。パッケージシステムが業務全体をサポートする大規模なシステムを指すのに対し、パッケージソフトウェアの多くは特定の業務や目的に特化しています。

    パッケージシステムは一部カスタマイズが可能な製品もあります。しかし、大規模なカスタマイズや選択肢にないカスタマイズはできない場合が一般的です。そのため、業務フローや特定の要件に完全に合わせることは難しいです。

    ERPパッケージとは

    ERPパッケージとは、企業の財務・会計・人事・生産などの各種基幹システムを統合した「ERP」を、パッケージ化して販売しているソフトウェアのことです。パッケージシステムであるため、企業活動に必要な機能が一通り揃っており、後述するスクラッチ開発と比べ、短期間での導入が可能です。

    ERPパッケージの機能や導入するメリット、選定する際のポイントなどは、こちらの記事をぜひ参照してください。

    ERPパッケージとは?導入のメリットやスクラッチ開発との違いを解説

    スクラッチ開発システムとは

    スクラッチ開発システムとは、既存のパッケージシステムを利用するのではなく、一から設計・構築して作り上げるフルオーダーメイドシステムのことです。自社の業務特性やフローに合わせて設計できるため、独自の機能や業務プロセスに対応したシステムが構築できます。追加費用はかかるものの、導入後の仕様変更やカスタマイズも柔軟にできる点が特徴です。

    フルスクラッチ開発とは

    フルスクラッチ開発とは、テンプレートや過去のデータなどを使用せず、完全にゼロからシステムを開発していくことを指します。テンプレートなどを使って開発していく場合は「セミスクラッチ開発」と呼ばれることもあります。それらの総称が「スクラッチ開発」です。

    比較でわかるパッケージとスクラッチの違い

    すでに仕様が決まっているパッケージシステムと、一から開発するスクラッチシステムは、それぞれメリット・デメリットが存在します。ここからは、各システムの違いを見ていきましょう。

    パッケージスクラッチ
    導入期間 短期間 長期間
    コスト 比較的安価 高額
    メリット 保守・運用をベンダーに任せられる 業務に合わせた細かな仕様で導入できる
    デメリット 既存の業務フローとマッチしない部分があり、フローをシステムに合わせて変更する手間が発生する バージョンアップの度に高額のコストがかさむ、自社でシステムを管理する人材が必須

    パッケージシステムのメリット

    比較的安価に導入できる点が大きなメリットです。必要な機能のみを選んで利用可能なものもあるため、コストを最小限に抑えられます

    また、開発・導入期間がスクラッチ開発より短期間であることも特徴です。基本的な業務フローに合わせてあるため、業務フローの整理にも役立ちます。保守・運用をベンダーに任せられる点も強みです。

    パッケージシステムのデメリット

    パッケージシステムは、ある程度の仕様が決まっているため、業務フローをシステムに合わせる必要が出てきます。そのため、使いにくい部分が出てきて業務効率が落ち、現場から不満の声が上がった結果システムが十分に活用されない恐れがあります。

    また、初期段階で仕様を固められるスクラッチ開発システムに比べ、パッケージシステムは融通が利きにくいものです。多くの場合、業務フローをシステムに合わせる必要があり、既存の業務フローを変更する手間が発生します。譲れない仕様がある場合には、後からカスタマイズを加えることになるでしょう。その結果、追加のコストや手間が発生するケースもあります。さらに、システムを使い続ける限りランニングコストが発生します

    スクラッチ開発システムのメリット

    自社の業務フローに即したシステムを導入でき、自社で必要な仕様を自由に決められるため、後追いの開発は少ないのがスクラッチ開発システムのメリットです。現場からの声を吸い上げて反映させられます。複雑な業務や自社独自の業務など、一般的でない業務にも対応可能です。また、業務や企業規模拡大に合わせて、システムの変更や拡張が柔軟にできる点も魅力です。

    スクラッチ開発システムのデメリット

    スクラッチ開発は、一から全て開発するため、初期費用が高額になる点がデメリットです。開発期間も必要なため、導入までに時間がかかります。規模が大きい場合には、数年かかることも珍しくありません。

    さらに、開発前に細かい要件定義を行う必要があるため、準備期間が長くなります。細かい機能をつけすぎて複雑なシステムになり、運用後の品質が安定しなかったり、負担が増加したりする可能性もあります

    また、多くの場合、運用後の保守や変更、バージョンアップも自社で対応する必要があり、スクラッチ開発システムを長期的に安定して運用できる人材やチームが社内にいるかどうかも考慮すべきポイントです。

    導入に迷ったら?知っておきたいそれぞれのリスク

    上記の違いを把握しても、どちらを導入すべきか迷うこともあるでしょう。どちらのシステムが自社に合うのかは、単純に比較して決められるものではありません。そこで、それぞれのシステムのリスクを紹介するため、選ぶ際の参考にしてください。

    パッケージシステムのリスク

    パッケージシステムは、すでに仕様が固まったシステムであるため、カスタマイズの自由度は低くなります。また、システムがブラックボックス化しているケースも多く、トラブルが起こった際にはベンダー頼りになることが多いと言えます。その際に、対応が遅れると業務が止まってしまう点もリスクです。

    パッケージシステムを導入することで、自社のもとある業務フローを変更する必要があったり、それによって業務効率が低下したりする恐れがあります。現状の業務フローとの差が大きい場合は、実際にシステムを利用する現場から不満が出て、結果としてシステムが十分に活用されないリスクも考えられます。

    スクラッチ開発システムのリスク

    自由に仕様を決められるスクラッチ開発だからこそ、社内関係者の間で仕様の合意が取れなかったり、正式な仕様が固まるまでに時間がかかったりするリスクが考えられます。開発中に仕様変更もしやすいことから、開発期間が長くなるもしくは開発コストがかさむ恐れもあります。

    開発期間が長くなることで、開発開始時点と運用開始時点とで社内の業務や必要性に変化が起こる可能性もあるでしょう。自社のシステム担当者に運用・保守を一任していると、システム担当者が退職した際にシステムそのものがブラックボックス化するリスクも考えられます。自社開発の場合は、社内でメンテナンスを行うことがほとんどです。そのためコスト意識が薄れやすく、結果的に膨大なコストがかかっていたという事態にもなりかねません。

    パッケージシステムはカスタマイズできない?

    かつて、パッケージシステムとスクラッチ開発システムは、それぞれの特徴やメリット・デメリットがはっきりと分かれていました。しかし最近は、それぞれの良さを取り入れ、「パッケージ+カスタマイズ」というスタイルのシステムも増えてきています。 そのようなシステムは、パッケージシステムをベースに、導入企業の業務に合わせて機能追加や一部カスタムが可能です

    そのため、従来のパッケージシステムより自由度が高く、フルスクラッチ開発よりコストを抑えられます。ただし、仕様を柔軟に決められるのはスクラッチ開発システムです。

    パッケージでありながら設定変更ができるZAC

    ZACパラメータ.jpg

    一般的なパッケージシステムは、もともとの仕様で決められた標準機能をそのまま利用する前提ですが、なかには必要な機能を選定して自社業務に合った仕様へカスタマイズできるものもあります。

    本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP『ZAC』は、パッケージシステムでありながら、標準機能に加えて、必要な機能を追加することが可能です。現在、さまざまな業種・業界のユーザーの声から開発した2,000ほどのパラメータ(機能)があるため、カスタマイズを新規開発することなくパラメータ設定によって、業務ニーズに応じた機能を実装できます。

    コストや開発期間を抑えながら、業種や業界特有のニーズに応えるシステムを導入したいのであれば、ZACのような追加機能が豊富なパッケージシステムがおすすめです。

    導入検討からキックオフまでの一般的な流れ

    ここからは累計1500社以上のシステム導入を行ってきた開発ベンダーである株式会社オロが、パッケージシステムの検討からキックオフまでの流れを解説します。パッケージシステムはコストを抑えられるとはいえ、一度導入すると簡単にはリプレイスしにくいうえ、社内での一大プロジェクトとなります。そのため、慎重に検討し、適切な流れで導入を進めていくことが大切です。

    ここでは、パッケージシステムの初期検討から導入キックオフまでの一般的な流れを紹介します。今後システムの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

    情報収集

    システム導入には、事前準備が重要です。まずは社内で困りごとをヒアリングし、どのようなシステムが必要なのか情報収集しましょう。ここで、システムに必要な機能がおおよそ決まります。

    場合によっては、システム導入が根本的な解決策でない可能性もあるため、そもそもシステム化が必要なのか、それ以外の方法で対処すべきなのかを見極める必要があります。また、課題が数多くある場合には優先順位をつけ、どの課題をシステムで解決するかあらかじめ決めておくことも大切です。

    要件定義をもとにシステムを選定

    情報収集によって必要な機能が明確になれば、システムの要件定義をもとにシステム選定します。パッケージシステムはカスタマイズ可能なものもありますが、基本仕様を大きく変えることは難しいため、標準機能で自社の業務をある程度カバーできるシステムがおすすめです。

    業務フローが変わる場合や、標準機能が実務と即さない場合を考え、ある程度はカスタマイズできるシステムであるとなお良いでしょう。

    利用機能の決定・契約締結

    システムを選んだら、自社の課題解決に必要な機能、業務フロー上必要な機能などを選びましょう。選択した機能で課題解決できるかどうか、あらかじめベンダーと相談したり、説明や操作レクチャーを受けたり、テスト環境を利用したりして確認しておくことが重要です。

    それらの手順を踏んだ上で利用する機能を決定し、契約を結びます。

    キックオフ

    契約締結後は、システム導入プロジェクトのメンバーとベンダーとの間でキックオフを開催します。キックオフでは、導入の目的やスケジュール、手順、仕様、タスクなどの認識合わせを行います。

    ポイントは、プロジェクトメンバー以外にも、導入後にシステムを利用する可能性のある部署メンバーも参加することです。導入前からシステムに関して認識合わせを行うことで、導入後のスムーズな運用が可能となります。 システム導入の流れについてはこちらの記事も参考にしてください。

    経営分析とは?必要な指標やフレームワークを解説

    まとめ

    社内システムを導入する際、パッケージにするかスクラッチ開発にするかは、自社の課題やニーズに照らし合わせて判断する必要があります。まずは各システムの特徴やメリット・デメリットを把握することが重要です。パッケージシステムは既製品であるためカスタマイズに限りがありますが、導入までのスピードが早く、スクラッチ開発に比べてコストを抑えられます。

    一方で、業務に独自性が高く、パッケージシステムで要件を満たせないなら、期間とコストをかけてもスクラッチ開発で一から仕様を決めたシステムが望ましいケースもあります。最近は、さまざまなカスタマイズができるパッケージシステムも増えてきているため、自社の業務や課題にベストなシステムを選定してください。

    Q
    スクラッチとパッケージの違いは?
    A
    スクラッチは一から設計して仕様を決めるシステムで、パッケージは標準機能が搭載された既製品のシステムという違いがあります。
    詳しくは比較でわかるパッケージとスクラッチの違いをご覧ください。
    Q
    パッケージシステムはカスタマイズできない?
    A
    かつてのパッケージシステムはカスタマイズできないものが多かったものの、最近はパッケージ+カスタマイズというスタイルのシステムも増えてきました。パッケージシステムをベースに、導入企業の業務に合わせて機能追加や一部カスタムが可能なため従来のパッケージシステムより自由度が高く、フルスクラッチ開発よりコストを抑えられるというメリットがあります。
    詳しくはパッケージシステムはカスタマイズできない?をご覧ください。

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    矢野 由起

    この記事の筆者

    ライター

    矢野 由起

    製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

    ZAC BLOG編集部

    この記事の監修者

    ZAC BLOG編集部

    クラウドERP開発・導入の経験から蓄積された知見に基づき、業務効率化・管理会計・原価計算・ERPに関するテーマを中心に、生産性向上に役立つ情報をお届けします。