月次決算早期化のポイントと早期化実現の事例3選
2021/2/19公開
企業の財務状況をタイムリーに確認するために重要な業務が、月次決算です。一般的に、翌月5〜10日程度で締めることが理想とされますが、さまざまな理由で業務が遅れてしまっている企業も多いのではないでしょうか。しかし月次決算は毎月実施するものなので、遅滞なく進めることが大切です。早期化することで企業が得られるメリットは何なのか、また早期化するためにどのようなスケジュールで業務を進めるべきなのかをお伝えします。あわせて、ERPによる業務管理を活用した早期化事例も紹介するので、参考にしてみてください。
目次
月次決算とは
月次決算とは、1ヶ月単位で行う決算業務のことです。年間の営業計画や予算計画と、その月に発生した売上・経費を照合し、毎月の財務状況を明確にします。月次決算を行うことで、タイムリーな経営判断や年次決算業務の負担軽減が可能となるのです。
年次決算と異なり、月次決算は法律で定められた義務ではありません。しかし企業にとっては、経営に関わる重要な業務のひとつです。月次決算の詳細は、下記の関連記事をご覧ください。
月次決算を早期化するメリット
月次決算は翌月5〜10日程度で締め、できるだけ早く経営層へ報告することが重要です。月次決算を早期化して得られるメリットは、以下の3つが考えられます。
経営の現状把握と対策検討が早期にできる
月次決算を行う目的のひとつは、タイムリーな経営判断を行うことです。経営判断には、直近の営業成績や原価の発生状況、あるいは売掛金の未回収が起こっていないか等、月次決算から導き出された業績報告が欠かせません。月次業績が可視化されることによって、経営上の問題点が確認でき、スピーディーな軌道修正が可能となります。
ミスの調査や業務の見直しを適切に行うことができる
経費や売上の金額ミス、仕訳ミス、帳簿への転記ミスなど、日々の業務において会計上のミスが起こる可能性はあります。月次決算を行うことで、日々起こるミスをいち早く見つけることができます。 さらに月次決算を早期に終わらせることで、月の後半ではミスの調査や再発防止のための業務見直しを適切に行えるほか、経営資料の作成などの次の業務をスピーディーに行うことができます。万が一不正な会計処理が行われていても、早期発見が可能です。
金融機関からの信用が向上する
資金が必要になって金融機関に融資を申し込む場合、年次決算報告書だけでなく、期中の月次試算表を提出するよう求められることがあります。その際、直近の月次試算表を提出できれば企業として財務管理体制が健全であることをアピールできます。 急な資金繰りに対応するため、そして金融機関の与信判断で良い印象を与えるためにも、月次決算の早期化は重要なのです。
月次決算早期化の事例3選
さまざまなメリットが得られる月次決算の早期化は、企業にとって非常に重要です。そのため、多くの企業が課題感を持って早期化に取り組んでいます。 早期化のコツのひとつは、ERPを利用して企業内の情報を一元管理することです。ここでは、本ブログを運営している株式会社オロが提供するERP「ZAC」を導入し、月次決算を早期化できた事例を紹介します。
事例①-株式会社デジタル・メディア・ラボ様-
映像やゲームなどのコンテンツ制作が事業の柱となっているデジタル・メディア・ラボ様は、もともとExcelを使っての手作業で原価管理を行なっていました。 しかし、複数プロジェクトを掛け持ちする社員が多かったため、個人別の原価計算が複雑になっていました。さらに手入力なのでミスも頻発していたそうです。
仕入伝票を現場と管理部門が二重で入力していたり、申請承認プロセスに紙が使われていたりと、月次決算を行う上でも非効率な業務形態になっていました。 そこで、業務効率化を図るために「ZAC」を導入したところ、かつては経理担当者が属人的に行なっていた原価計算を効率化しました。
特に共通費を含めた原価配賦を自動化したことで、月次決算にかかる時間を半減させることに成功しました。稟議に紙を使うこともなくなり、業務を効率的に進められるようになったとのことです。 月次決算を担当する社員は6〜7人から3.5人へ減り、管理部門の負担が軽減。決算作業にかかる日数も7営業日から4営業日まで短縮しました。
事例②-日本ディクス株式会社様-
システム開発からシステムインフラの設計・構築、エンジニア派遣まで、ITに関するトータルソリューションを提供する日本ディスク株式会社様。従来は表計算ソフトで工数管理を行なっていましたが、社員数の増加により管理に限界を感じるようになったと言います。
日本ディスク株式会社様の課題は、案件別収支をタイムリーに分析できないことや、表計算ソフトが人事・会計システムと連動しておらず非効率であることでした。ビジネスの性質上、事業ごとに専用システムが存在し、一元管理できないことも作業効率を下げていました。
「ZAC」導入後は、業態の異なる3つの事業の一元管理が実現しました。必要なタイミングで必要な情報が揃うようになり、案件別収支や事業別収支をタイムリーに確認できるようになったのです。 見積書などの対外帳票も電子化され、経理部門だけでなく営業部門でも重宝されています。申請承認プロセスも、システム上のワークフローに置き換わり、月次決算を5営業日短縮することに成功しました。
事例③-株式会社JMC様-
3Dプリンター出力事業、鋳造事業、CT事業の3つの軸でメーカー企業のものづくりを支援する株式会社JMC様。Excelを使って原価計算を行なっていましたが、手作業のため人為的ミスが発生していました。
製品の販売プロセスと工数管理のデータが連携していないため網羅性がなく、タイムリーな財務データ作成ができない状態だったそうです。 「ZAC」導入後は、スタッフが日々工数入力を行うようになり、数字の正確性が向上しました。さらに毎日集計が必要だった原価計算も、月末の5営業日で済むようになりました。
作業日数は75%削減でき、月次決算にかかる日数は9営業日から4営業日に短縮することができたのです。 「ZAC」では案件別の詳細な収支レポートもすぐに作成できるので、赤字案件の原因追究にも役立ちます。予算統制や管理会計が実現できたことは、株式会社JMC様のスムーズな上場につながったと言います。
ZACで月次決算を早期化へ
毎月実施する月次決算は、タイムリーな経営判断を行うために早期化が求められます。早期化することで、スピーディーな現状把握と軌道修正が可能になり、ミスを早期発見し修正できるほか、金融機関からの信用向上につながります。
月次決算を早期化するためには、前述の事例のようにERPの導入が有効です。「ZAC」なら、システムが一元化されるため現場と経理担当者とで二重に入力するといった非効率な作業もなくすことができます。販売管理や購買管理、勤怠管理などの基幹業務が集約されることで、各システムからのデータ収集の手間をなくせます。さらに仕訳データ作成の半自動化および財務会計システムへの連携により、月次決算にかかる日数を短縮が見込めます。
月次決算の早期化に取り組むのであれば、「ZAC」の導入も検討してみてはいかがでしょうか。