広告業こそ導入したいERPパッケージ導入事例3選。どんぶり勘定から脱却するには
広告業にERPパッケージがおすすめな理由
人の動きが見えづらい広告業界において、陥りがちなどんぶり勘定。感覚的な経営から脱却して合理的な経営判断をしたいと考えている経営者は多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決してくれるのが、プロジェクト管理機能を持つERPです。
そのなかでも、標準的な業務に合わせて製品化されたパッケージタイプは、1から開発を行う必要がないため、オンプレミス型に比べて短期間・低コストで導入できるという特徴があります。 ERPについては下記の関連記事をご覧ください。
それでは、実際にERPパッケージを導入するとどのようなことができるようになるのでしょうか。大きく以下の2つに分けられます。
プロジェクト収支管理システムとして使える
プロジェクト収支管理システムとは、プロジェクト単位の原価を適正に把握し、プロジェクトを軸に収支をモニタリングできる仕組みです。常に複数のプロジェクトが同時進行する広告業は、誰が、いつ、どれくらいの時間、どのプロジェクトに携わっているのかが分かりにくく、最終売上金額のみを追及しがちです。しかし、それでは本当に利益が出ているのかがわかりません。
そのため、広告業ではプロジェクト収支管理を行い、正確な利益を把握することが重要です。ERPを導入することで、販売管理や購買管理を効率化しながらも、プロジェクト収支管理が可能となります。 さらに、プロジェクトごとの労務費と売上金額を連動させ、プロジェクトの収支が可視化されることによって、利益率を下げてしまう深夜残業を現場が意識的に減らすことができ、働き方の改善にもつなげることができます。
長期で動くプロジェクトに対して数か月先の利益予測ができるので、より戦略性の高い経営を行うことができるのも魅力です。
見積から請求までを一元的に管理できる
プロジェクトに関わる情報を一元管理することで業務の効率化が図れます。ERPの場合、見積から請求までが連動しているので、Excelや独立したシステム間で転記する手間が発生せず、重複入力や転記ミスを防ぐことが可能です。また、申請書類もワークフローに沿ってできることが多く、上長の承認なしで見積もりを出してしまった、といったケースを回避することができるのもポイントです。
ERPパッケージ導入により、広告業の課題を解決した事例3選
ここからは本ブログを運営している株式会社オロが提供するERP「ZAC」を導入し、どんぶり勘定から脱却した広告・制作業の成功事例をご紹介します。
事例①株式会社東京テアトル様
部門システムとして、ZACを導入した東京テアトル様の広告事業部。もともとは子会社でしたが、親会社に移管されることとなり新システムの導入が必要になりました。ZACを選んだ決め手は「内部統制」と「グループ共通の会計システムの連携」ができることだと言います。
以前使っていたシステムには申請・承認などワークフローの機能がなく、承認がなくても見積書や請求書が発行できてしまうという、IT統制面での不備がありました。ZACを導入してからは、発注などの処理を行うためには必ずシステム上で規定の手順を踏む必要があるので、会社が求める内部統制を満たすことができています。
さらに、ZACに蓄積されたデータを読み解くことで、会社の強みや弱み、市場ニーズの移り変わりなど、紙文書主体の業務管理では見えてこない発見や気づきを得ることができた点も大きなメリットだといいます。 現場にも変化があり、営業担当者は今自分がいくつプロジェクトを抱えているのかや、それぞれの進捗具合、毎月の売り上げ額などがシステムにアクセスすればひと目で分かるようになり、プロジェクトの管理がしやすくなりました。逐一報告の場を設けなくても、上長が各人の動きをすぐに把握できるので業務の効率化につながっています。
事例②株式会社フラッグ様
社員数100名規模でZACを導入した株式会社フラッグ様。導入前は各部門でバラバラのシステムを使っており、その結果、各システムからの集計や入力といった大量の作業が発生し、業務時間のほとんどが取られてしまうという課題がありました。
製造向けのプロジェクト管理システムが多い中、クリエイティブ業に対応できるシステムを探していたところ、ZACに出会いました。ZACのプロジェクト管理画面では、受注金額や仕入金額だけでなく労務費も表示されるので、自身の作業時間が原価として積みあがっているという事実を、クリエイターが意識するようになりました。
これらのデータは人事考課の判断材料にも役立ち、ミドルマネジメント層が自発的にプロジェクトの収支を意識しはじめるといういい傾向も生まれました。
事例③株式会社フュージョン様
社員数70名規模でZACを導入した株式会社フュージョン様では、売上は伸びているのに利益が伸びていないという課題がありました。プロジェクト別の収支がわからないことで、社員の損益意識が希薄となり、それが利益の伸び悩みにつながっていると推測しERP導入を決意。
実際にZACを導入してからは、受注目標に対してどれだけ進捗しているかがプロジェクトベースで見えるようになったため、現場社員の損益意識も高まり、個人判断で必要以上のクオリティでサービス提供してしまうことも少なくなりました。
制作物に対して値引きを求められた場合に、定量的なデータに基づく値づけの正当性を合理的に説明できるようになったのも大きな変化です。
また、集計したデータを読み解くことで、トレンドの変化や異常値を早期に発見し、目標達成に向けて適切な対応がとれるようになるというメリットも生まれました。
広告業に最適なERPの選び方
3つの導入事例から見えてきた広告業におけるERPの選び方のポイントは、個々人の業務量と関連付けながら進捗度合いのチェックが可能な「プロジェクト管理機能をもつERP」であること。そして、「過去のデータの蓄積ができ、それらを経営に生かせる機能がある」ことです。
クリエイターは制作物のクオリティに対する意識が高いため、損益の意識が薄れがちです。制作物の品質に責任を持つことは重要ですが、あまりにも作業時間(コスト)を度外視した体制では残業代によるコスト増とリソース不足による受注の機会損失につながりかねません。システムを利用し、プロジェクトの利益率と作業時間(コスト)の関係を可視化することでクリエイターの損益意識の向上を狙うことができます。
外出が多い営業職やリモートワークといった働き方に合わせて、どこにいてもアクセスできるクラウド型を選ぶことも有意義です。
また、導入に時間やコストがかかるイメージが強いERPですが、ZACのパラメータ設計なら、ノンカスタマイズで早期かつ低コストの導入が可能。必要な機能を必要なだけ組み合わせることができ、駅広告のように毎月決まった売上がある定期案件、媒体案件、制作案件といった様々な販売契約への対応や未着請求書への対応など、広告業に特化した機能を備えています。
会社の規模に合わせて随時機能を追加することもできるので、これから規模を拡大していきたいという広告企業にもマッチします。
まとめ
広告業では業務効率化はもちろん、プロジェクト管理を行い、見えづらい労務費を可視化することが重要です。ERPを導入することで、その両方を実現し、利益アップにつながる施策を進めることができます。実際にERPを導入した事例からは、プロジェクトの収支と労務費の関係が可視化され、社員の損益意識向上や高精度な経営戦略につながることもわかりました。
プロジェクトの本当の利益やコストを把握するには、案件・プロジェクト型ビジネスのために生まれた「クラウドERP ZAC」がおすすめです。ERPでの業務効率化や利益アップを考えている企業様はぜひお気軽にお問い合わせください。