業務の属人化を解消するメリットと成功事例4選

2024/11/01公開

業務において「この人がいなければ業務が回らない」といった状態になっていることはないでしょうか。それはまさに、属人化している証です。企業によっては「属人化を解消したいけど方法がわからない」といった問題も...。

そこで今回は、属人化の解消方法や解消するメリット、ERP導入で業務の属人化を解消した成功事例を4つご紹介します。

属人化とは

属人化とは、会社や組織において業務の手順や方法を、特定の従業員しか把握できていない状態になることをいいます。担当者が退職したとき誰もその業務を担えない場合、業務が属人化してしまっている証です。

属人化が起こる原因

そもそも属人化はなぜ起こってしまうのでしょうか。属人化が起こる原因や起こり得るケースを見ていきましょう。

業務の専門性の高さ

専門知識や特殊なスキルが求められる業務では、特定の社員しか遂行できない傾向があり、属人化を引き起こしている原因となっています。

こういったケースでは、新たに社員に業務を教えるのは教育コストや時間がかかってしまったり、対応が後回しになってしまったりするので、その結果専門知識を持つ社員に属人化してしまいます。

情報共有するための体制が整っていない

業務内で使用しているものや、業務マニュアルや業務フローが整っていない場合、情報共有がスムーズに行われず、細かな手順が伝わらず属人化につながってしまいます。

これらを管理する・情報更新する人が存在しないと、結果として従業員同士のコミュニケーションが取れず、個人の属人化をさらに加速させてしまいます。

社員が属人化解消に消極的

「自分でやった方が早いから」と積極的に業務の移管を進めなかったり、自分にしか対応できない業務を作り、会社の居場所を確保するという動きも見られたりします。自らの業務に誇りを持つことは素晴らしいことですが、会社からすると属人化を引き起こしてしまう原因になります。

この場合、属人化解消に向けた取り組みが難しくなるので、対象者になぜ属人化解消が必要なのか、属人化がリスクであることを理解してもらい、説得する必要があります。

属人化について詳しくは下記を参照してください。

属人化を解消するメリット

上述したように、業務が属人化してしまうと様々な問題が生じてしまいます。そのためには、属人化を解消することが重要です。以下では、属人化を解消するとどのようなメリットを得られるのか詳しく解説していきます。

業務効率化につながる

属人化している業務を複数人で把握することによって、業務の効率化につながります。誰もが基本となる業務フローを認識することにより、特定の社員だけでは気づけなかった課題や不要な手順を発見することが可能です。その結果、全体最適化され、長い目で見たときに組織自体の成長につながります。

社内にナレッジ・ノウハウとして蓄積される

属人化してしまっている業務を見つけ、複数の社員が対応できるようにすることで、社内にナレッジ・ノウハウが蓄積されます。これにより、新しく業務に関わる社員へスムーズに引き継ぐことが可能となり、誰でも業務に対応できるようになるでしょう。そして、業務が分散できるようになるので、業務過多の防止にもつながります。

品質向上につながる

特定の従業員だけが業務を把握しているような状況だと、品質にバラつきが生じてしまいますが、業務の属人化を解消することで、サービス・品質の基準が均等になっていきます。

担当者が不在の場合でも、他の従業員で業務を代行できるので、業務のクオリティを一定に保つことが可能です。

属人化の解消にはERPがおすすめ

属人化の解消には多くのメリットがあります。属人化解消の一例としてERPの活用という方法があります。

ERPとは、企業の持つ資源=「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一元管理し、有効活用できるシステムです。ERPを導入し、活用することによって、組織全体の業務効率や情報共有の質の向上が期待できます。

また、ERPによって、二重入力や転記の削減、申請・承認のフローがスムーズになることにより、内部統制の強化にもつながります。

ERP導入で属人化解消に成功した事例4選

ここからは本ブログを運営している株式会社オロが提供するERP「ZAC」を導入し、属人化解消に成功した事例をご紹介します。

事例①株式会社ヒミカ

自治体、病院、各企業、及び諸団体への総合情報サービス企業でシステムを中心にパッケージからオーダーメイド、メンテナンスまでニーズに合わせたソリューションを提供している株式会社ヒミカ様。

当時、昔ながらの社内体制を刷新し、従業員にとって魅力的な職場環境にしなければならないという話が社内で上がりました。

紙書類を回覧する形式で行っていた決裁処理を電子化するにあたり、販売管理として利用していた自社構築の旧システムも併せて刷新しようという話になりました。

これまで販売管理として利用していた自社構築の旧システムは完全に属人化していて、古いプログラムを誰も触りたがらなかった点が課題となっていたのです。

新しいシステムにおいては属人化を防ぎたいことが第一条件でした。システムを管理していた工数を本業に集中させたいという思いがあり、保守管理業務の手間がなくなるかつワークフローと販売管理が一体となったERP「ZAC」を導入することに決めました。

ZACの導入により、決裁者が不在でも代理承認を取り入れることで承認がスムーズに進むようになりました。入力に関しても、今まで使用していたシステムに比べて効率化されました。売上などのデータを入力しておけば、そのデータをもとに見積書などの帳票作成とワークフローでの申請をセットで行えます。帳票作成と申請で二重入力がなくなり、業務が効率化されたそうです。

事例②株式会社LIG

Webサービス制作事業、Webマーケティングの運用を中心とした事業を行い、自社のオウンドメディア『LIGブログ』が、月間400万PVを超えるなど大きな話題となった株式会社LIG様。

以前は案件ごとの原価管理ができておらず、どの案件がどれだけ利益を上げているのかわからない状況でした。発注・仕入の購買管理も現場マネージャーが属人的に行っていたため、財務・経理部側で案件別の外注費を集計して把握することが難しい状況だったそうです。

売上・人数規模をさらに拡大し、会社として一歩フェーズを進めたいと考えたときに、属人化が事業拡大のボトルネックになり得ます。情報システム担当者が退職してしまうことで、担当者の知見が失われ会社全体に影響が出る、最悪一部の業務が停止するなどの事態を発生させたくないという思いがありました。

そこで、属人化から脱却するために、ERPの導入を決意したそうです。

ZAC導入後、案件ごとの原価管理ができるようになりました。また、特定の人員に依存せず、安定的に稼働できるシステム管理体制を実現できました。実際ZAC導入時に主要な役割をしていたシステム担当者が途中で退職しましたが、現在も問題なく、社内業務を継続できていることが何よりの証拠だそうです。

また、案件の進捗状況を特定の社員だけが把握しているといった属人的な案件管理を脱したことで、社員それぞれが着手すべき仕事により一層集中して取り組めるようになりました。そして、案件進捗状況が案件担当者以外でもタイムリーに確認可能となりました。

事例③一般社団法人電線総合技術センター

電線・ケーブルに関する技術専門機関である一般社団法人電線総合技術センター様。

中長期計画策定のため、過去5年間の財務データを分析しましたが、明確なデータが取れず、正しい現状分析ができませんでした。原因は複数のシステムを分散して利用していた業務管理体制にありました。各システムの運用方法が属人化してしまっていたことに加え、工数については各職員の感覚に基づく記録が行われていて、データそのものの精度の低い点が課題でした。

複数分散してしまっているシステムを統一することで、属人化の解消をはかりながら正しいデータが得られる業務基盤をつくりあげようと、情報を一元化できるERPを導入することを決定。

ZACを選定した決め手は、見積・受注から入金確認まで、一連の流れを1つのシステムで管理できる点と、電子申請・承認によって属人化の解消が期待できる点でした。これまで人によってバラバラだった申請のフローが統一・可視化されることで、属人的な業務運用から脱却できると考えました。

導入後、それぞれの業務における処理手順やタイミングの統一、申請・承認プロセスの徹底が実現し、属人的な業務処理から脱却できました。これにより経理担当者による確認作業が軽減され、属人化の解消につながったそうです。また、内部統制が強化され、より効率的に財務データの正確性・信ぴょう性が確保できるようになりました。

事例④株式会社ピーエーシー

メディア、Web・IT、クリエイティブ制作、イベント企画など、広告主のニーズに応じた幅広いチャネルを持ち、多様なサービスを提供している株式会社ピーエーシー様。

以前は売上、実績を営業個人がバラバラで管理していたことによる非効率が課題でした。売上見込・利益予測をExcelで属人的に管理していたため、営業部全体の数字が見えづらく、入力ミスや漏れが起きてしまっていました。Excelとシステムの重複管理や二重入力の解消も実現したいと考えていました。

さらに紙での業務管理が主で、作業にムダが多く、ワークフローも確立されていなかったので、申請や承認を思うように回せていませんでした。担当者の経験による勘や慣れに頼るといった属人的な部分も多く、上長の承認なしで売上計上できてしまうという課題がありました。営業マネージャーにも情報をスムーズに共有できる環境を整え、管理面をレベルアップする必要があったと感じていたとのことです。

ZACを導入し、営業が個人ごとに行っていた案件管理をZACに集約。ZACに入力すれば、案件の進捗が共有されるようになり、上長は現場で何が起こっているのか営業状況を把握できるようになりました。そのほか、案件の受注から売上計上、請求までのステータスを管理できるため、営業活動における属人化が解消されました。

まとめ

属人化を解消することで、長い目で見たときに業務効率が上がり、会社全体の成長につながります。

今回紹介した4つの事例のようにシステムを一元管理し、属人化の解消を目指すには、ERP導入がおすすめです。

クラウドERP「ZAC」ならワークフローと販売管理が一体となっているため、申請・承認のためにシステムを使いわける手間が不要になります。またシステムのバージョンアップや保守はオロが行うため、自社構築のシステムに比べ属人化のリスクが低くなります。そのほか、営業が個別に行っている案件管理を集約することもできるので、「この案件はいつ売上が立つ予定なのか?」といった進捗確認もZACを確認すればいつでも把握可能です。

下記よりダウンロードできる「バックオフィスのためのスムーズなツール導入」では、ERPを含めスマートにツール導入するためのコツをまとめました。業務効率化で属人化の解消を実現させたい方はぜひ参考にしてみてください。

Q
なぜ属人化してしまうのか
A
業務の専門性の高さや、情報共有のための体制が社内で統一されていないと、業務が滞ってしまい、属人化につながります。
詳しくは属人化が起こる原因をご覧ください。
Q
属人化解消するメリットとは
A
業務効率が改善されたり、業務を分散して対応できるようになることにより、特定の従業員に業務が偏ってしまうといった恐れを減らすことが可能です。
詳しくは属人化を解消するメリットをご覧ください。

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この記事の筆者

ZAC BLOG編集部

クラウドERP開発・導入の経験から蓄積された知見に基づき、業務効率化・管理会計・原価計算・ERPに関するテーマを中心に、生産性向上に役立つ情報をお届けします。

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