プロジェクト型ビジネスとは?事例とともに解説
プロジェクト型ビジネスとは
プロジェクト型ビジネスとは、案件・契約・プロジェクト単位で業務を遂行し、プロジェクトごとに収支管理を行う業態のことです。具体的にはソフトウェア開発業、広告業、士業といった業種を指します。完成までに長い工期を要するオーダーメイドの製品・サービスであることが多く、原価の大半を労務費が占めるという特徴があります。 プロジェクト型ビジネスにおいては、プロジェクト単位での予実管理、人員管理、原価計算が必要です。
プロジェクト型ビジネスの具体的な業種
プロジェクト型ビジネスの業種を、さらに詳しく見ていきましょう。具体的な業種や業務内容は、以下の通りです。
システム業
システム業は、ITにまつわるシステム構築・開発などを行う業種です。
- システムインテグレーション/SIer
- SaaS・ASPサービス開発
- システム受託開発
- アプリケーション開発
- ソフトウェア開発...などの業種が該当します。
広告業
広告業とは、商品やサービスを世に広めるための広告を制作する業種です。紙面の広告からWeb広告まで、幅広く取り扱います。
- 調査・リサーチ/インターネットリサーチ
- 広告制作
- 広告代理店
- PR/広報代行
- 展示会・コンベンション
- セールスプロモーション(SP)/販促支援...などの業種が該当します。
クリエイティブ業
クリエイティブ業は、雑誌やWeb、ゲームなどの媒体や制作物に携わる業種です。
- Web制作/モバイルコンテンツ制作
- ゲーム制作
- 映像制作/アニメーション制作
- クリエイティブ・グラフィック制作
- デザイン制作...などの業種が該当します。
士業
士業とは、専門性の高い資格取得が必要な業種です。
- 弁護士法人
- 税理士法人
- 行政書士法人
- 社会保険労務士法人...などの業種が該当します。
コンサルティング業
コンサルティング業は、企業や組織の課題解決の支援を行う業種です。
- IT/システムコンサルティング
- 戦略系コンサルティング
- シンクタンク/調査機関
- 監査法人
- 建設コンサルタント
- BPO・アウトソーシングサービス...などの業種が該当します。
イベント業
イベント業は、企業などが発案したイベントの企画から運営までを行う業種です。
- イベント企画会社
- 空間プロデュース
- ディスプレイ制作会社...などの業種が該当します。
プロジェクト型ビジネスにおける課題
プロジェクト型ビジネスは、プロジェクト単位で業務を行うことから、以下のような課題が存在します。
常に複数のプロジェクトが同時進行しているため、管理が煩雑になる
1人で複数のプロジェクトを掛け持つことが多く、プロジェクト単位での管理が煩雑になりがちです。ひとつのプロジェクトに関わる人員数が多かったり、プロジェクトが長期化したりすると、さらに細かな管理が必要です。
原価計算に時間がかかる
プロジェクト型ビジネスでは、原価の大半を労務費が占めています。また、労務費は工数による変動が大きい傾向にあります。予定よりも上振れしたり下振れしたりすることが多く、正確な原価の把握が難しい業種です。プロジェクト型ビジネスはプロジェクト単位で原価管理を行うため、個別原価計算が必要です。しかし、正確な個別原価計算を行うためには間接費を配賦しなければならず、原価計算に時間がかかってしまいます。その結果、タイムリーなプロジェクト収支が見えづらくなります。
個別原価計算については、下記の関連記事をご覧ください。
未来の見える化が難しい
管理体制が整っていない場合には、プロジェクト収支予測の変遷を追いづらく、着地見込が見えない状態でプロジェクトマネジメントを行わなければならない場合も少なくありません。「プロジェクトが終了するまで、利益がどれだけ出るかわからない」ということは、工数をかけすぎてプロジェクトが赤字になっていたとしても、途中で検知できないため、赤字の要因分析やリカバリーができなくなってしまいます。
プロジェクトごとの収支管理を行うメリット
プロジェクト型ビジネスではプロジェクトごとに収支管理を行うことが重要です。それによって、以下のようなメリットが得られます。
プロジェクト単位の利益を把握できる
プロジェクトごとの収支を算出することで、プロジェクト単体で利益が出せたのかを可視化できます。本ブログを運営する、株式会社オロのクラウドERP「ZAC」のように、進捗中のプロジェクトの収支管理ができるシステムを活用すれば、プロジェクト単位の赤字防止策を事前に立てることも可能です。 また全社での収支管理を行うだけの場合に比べてタイムリーに収支が把握可能です。利益予測の精度向上とともに複数プロジェクトのデータの蓄積によって、より利益率の高いプロジェクトを優先するといったことも可能になるでしょう。
プロジェクト単位の改善点を見つけられる
企業全体の収支管理しているだけでは、プロジェクトの収支が悪化している場合に原因を突き止められない恐れがあります。しかしプロジェクトごとに収支管理することで、各プロジェクトの人件費や収益性を算出でき、どのプロジェクトあるいはどの部門を改善すべきなのか判断できるようになります。加えて、どのようなプロジェクトの場合に収支が良く(または悪く)なりやすいのかを予測できるようにもなります。
類似ケースでの見積算出に役立つ
プロジェクト型ビジネスでは、基本的に同一プロジェクトがありません。そのため、個別の見積算出が必要です。もし過去の似たようなプロジェクトにおいて実績値を把握できていれば、次のケースの参考になり、適正な見積作成に役立ちます。
プロジェクト型ビジネスの課題をZACで解決した事例
プロジェクト型ビジネスはプロジェクト単位の原価管理が難しく、タイムリーに利益が見えづらいといった課題があります。しかしZACであれば、それらの課題を解決することが可能です。ここでは、ZACを使って課題解決した事例を3つご紹介します。
事例①-株式会社カヤック様-
ソーシャルゲーム・アプリ開発やWeb制作を行う株式会社カヤック様。1人の社員が5つのプロジェクトを兼務することもあり、正確な工数管理が必要でした。従来はExcelによるプロジェクト管理を行なっており、労務時間データと会計データが別々のファイルだったことから、集計作業に時間がかかっていたそうです。
同社では社員が160名に増えたタイミングで、Excel管理に限界を感じてZACを導入しています。ZACを使うことによってデータ集計を一元化でき、工数の集計作業時間を短縮することに成功したといいます。正確な数値データを取得でき、経営予測の精度も向上しました。
事例②-中央宣伝企画株式会社様
展示装飾や内装工事、大道具制作など、空間活用に関して企画からデザインまで幅広く事業を展開する中央宣伝企画株式会社様。従来はプロジェクト単位での収支管理ができておらず、全社の赤字原因を掴めなかったといいます。また、プロジェクトの原価に人件費が含まれていなかったため、正確な収支が把握できていませんでした。
ZAC導入後は、人件費をプロジェクトごとに割り振った原価管理を実現。より精緻なプロジェクト単位の収支管理が可能となり、赤字になりやすいプロジェクトの傾向を掴むことができたそうです。さらに引合段階からのプロジェクトの稼働予定をZACに登録することによって、繫忙期におけるアサインの最適化も実現し、適正なリソース・プランニングを実現しました。
事例③-株式会社デジタル・メディア・ラボ様-
映像やゲームなどのコンテンツ制作を主軸事業とするデジタル・メディア・ラボ様。プロジェクト別の原価計算をExcelで手入力して行なっていたため、作業に手間がかかる上、間違いが多発していました。また、複数のプロジェクトを掛け持ちしている社員の労務費は、集計が複雑になり労力がかかっていたそうです。
ZACを導入することで、原価管理から配賦計算までを自動化し、計算ミスの削減と作業時間の短縮を実現しました。従来は属人的だった複雑な配賦計算も自動化でき、管理部の人員削減もできたといいます。
プロジェクト型ビジネスに特化したクラウドERP ZAC
システム業や広告業など、プロジェクト単位で業務を行うのがプロジェクト型ビジネスです。1人が複数のプロジェクトに関わっていたり、管理する人員が増えてきたりすると、工数管理が煩雑化し、正確な原価計算がしづらくなるという難しさがあります。 プロジェクトの利益をタイムリーに把握して精度の高い利益予測を実現し、よりよい経営を行うためにはプロジェクトごとの収支管理が欠かせません。
プロジェクト型ビジネスが抱える課題を解決し、プロジェクト単位の収支管理を実現するためには、クラウドERP「ZAC」の導入がおすすめです。 ZACはプロジェクト型ビジネスにフィットしたERPであるため、業種の特徴に合わせたさまざまな機能を持っています。「プロジェクトごとに正確な工数・原価管理を行いたい」「タイムリーな収支管理を行いたい」とお考えのプロジェクト型ビジネス企業であれば、ZACの導入を検討してみてはいかがでしょうか。