基幹業務とは? システム化によって得られるメリットも解説
基幹業務とは
生産・販売・会計・人事・労務などがあり、企業の経営に欠かせない業務のこと。英語ではline of businessというように、業務の根幹を支えるものです。
基幹業務の主な種類
- 生産管理
- 販売管理
- 購買管理
- 勤怠管理
- 人事・労務管理
- 財務管理
①生産管理
需要の予測から生産計画を立てて、その計画に沿って生産を行うこと。過去の実績と市場の動向の両方を踏まえて、「どの商品をいつ、どれくらい生産するのか」を決めます。計画的な生産のためには、数量や納期の管理も大切です。
②販売管理
商品やサービスを適切な価格・時期・数量で販売し、代金を回収すること。「いつ・どこで・誰が・いくつ・いくらで」販売したのか、代金の回収は済んでいるのかなどを管理します。
③購買管理
必要な資材を必要な量だけ調達すること。仕入先を選定したり、購入する時期や価格、品質を見極め、購入した資材の在庫を管理する「在庫管理」も広義には購買管理に含まれます。
④勤怠管理
企業が従業員の就業状況を把握すること。始業から終業までの時刻や時間外労働、休暇の状況などを、タイムカードやICカードなどを用いて記録します。賃金を正しく支払うために、適切な勤怠管理をすることが必要です。
⑤人事・労務管理
採用活動や社員の給与計算を行うこと。従業員が働いた分の給与計算はもちろん、税金や社会保険の手続きを行い給与を算出する業務です。
⑥財務管理
企業の経営をサポートするための資金調達をすること。また調達した資金を運用して企業の成長につなげていくことも財務管理の重要な役割です。
①~⑥のすべてを手作業で管理することは非常に困難なことです。次項から基幹業務のシステム化について紹介していきます。
基幹業務をシステム化する目的とメリット
基幹業務をシステム化する目的は、業務や管理そのものを効率化することです。例えば、業務で取り扱う情報をシステム上で可視化すること、業務の遂行状況や結果を把握・管理することなど、システム化によって「業務の見える化」が実現します。さらに基幹業務をひとつのシステムに統合すると、各基幹業務を横断的に統合して管理できるようになります。例えば二重管理などの手間の削減、システムが異なることによる情報の粒度の違いなどによる比較負荷を解消することが可能です。
基幹業務は会社の根幹を支える業務のため、エラーが起きると致命的な影響があります。エラーを起こさないために、基幹業務を体制化して仕組みとして整えることが効果的です。システムを導入することによって、リスクが下がり、業務効率化や生産性向上にもつながります。
基幹業務の効率化につながる、システムの選び方
それぞれ単体のシステムを導入する方法もありますが、基幹業務システム同士の連携ができない場合や、特定場所からしかアクセスが出来ない場合は管理が煩雑になる可能性があります。自社の業務に合わせて、スクラッチ開発のシステムをイチから作るという方法は、導入コスト・運用コストともに高価となります。そのため、採用する候補として挙げる企業は限定的です。多くの場合は、以下の3つの特徴のあるシステムを導入することで業務効率化につながっていきます。
自社の業種・業態に合っている
基幹業務を効率化するためには、自社の業務や現状の課題を把握し、自社の業務領域をカバーし、かつ課題の解決を実現できる効果的なシステムを選ぶことが重要です。システムの中には、企業規模や企業の成長ステージや業種特化型などある程度対象が限定されているものもあります。自社の将来の企業戦略を見据えて、導入後の継続的なアップデートや、業務内容の変更があった際の柔軟な対応ができるものが望ましいです。
システムの選定にあたって、事前に試用期間(もしくはトライアル)のあるものもあり、興味のあるものは気軽に試すことができます。あらかじめ予算を決めておき、要件に合った費用感のものを選ぶようにし、初期費用だけでなく、月額でどのくらいお金がかかるかを考慮するのも重要なポイントです。
システム間の連携ができる
基幹システムは経営に欠かせない機能を持っている場合が多いですが、会社の業務の全てをカバーするシステムは少ないです。例えば、メールソフト(情報系システム)、顧客管理システム、Web受発注システムなどと連携できない基幹システムを選んでしまうと、転記や二重入力が必要になり、手間がかかります。連携できるシステムを取り入れれば、手間の削減になり入力ミスなどが発生するのを防ぐことにもつながります。
複数の情報を集約して可視化することにより、現状の実績や課題がわかるようになるので今後の経営戦略が立てやすくなります。
クラウド型である
クラウド型とは、インターネット経由で接続できるさまざまなサービスのことです。目的別のソフトウェアをインストールする必要がないため、初期費用を抑え、導入を決めたらすぐに使い始めることができます。自社でサーバーやインフラ環境を整備することは不要で、メンテナンスや障害からの復旧作業もクラウドサービスの提供会社が行います。ネット環境とそれにつなぐPCやスマホさえあれば外出先や自宅からでも接続して利用できるのも利点です。
クラウド型に相対するものとして、オンプレミス型があります。こちらはクラウド型が一般的になる前に利用されており、サーバーやソフトウェアを自社で保有し運用するものです。自社の都合や特性に合わせて、柔軟にカスタマイズすることが可能です。一方で、ソフトウェアの継続的な運用やメンテナンスにコストがかかるため、それらを実施する専用の人員を社内で確保する必要があります。
統合型基幹業務システム「ERP」とは
ERPとは基幹システムのひとつで、Enterprise Resources Planning の略です。生産・販売・購買など社内に存在する基幹業務を統合し、情報の一元管理をできるようにしたシステムのこと。企業の経済活動をより合理的かつ効率的に進め、損失を少なくするために導入されています。
ERPのメリット
ERPは基幹業務をまたいで情報を連携することで、膨大なデータを一元化して管理することができます。そのため、業務によってデータに差異がある・抜け漏れがあるなどのトラブルが発生しにくいです。入力されたデータは即時でシステムに反映されるため、リアルタイムな経営を実現できるようになります。
情報入力の基準をそろえて経営陣だけでなく社内の誰が見ても同じ結果が得られるようにすることで、社内での連携がしやすくなりミスをなくすことに役立ちます。
ERPのデメリット
ERPは種類が多岐にわたり、価格や特徴はそれぞれ異なるため、様々なシステムの中から自社に合ったものを見極めなければなりません。そのうえで、社員一人ひとりが正しく情報を管理し、同一の基準で入力する必要があります。システムの選定から導入、膨大なデータを可視化できるようになるまでにはある程度の時間がかかるでしょう。
アップデートへの対応やそれにかかる料金などにも配慮が必要です。どういったERPを選ぶかで導入・保守の両方に多くのコストがかかるため、十分に検討しなければなりません。
業種特化型ERPとは
業種ごとに特化した機能を提供するERPもあります。あらかじめ業種に合わせてカスタマイズされており必要な機能が標準として備わっているため、早期の導入が可能です。
プロジェクト型ビジネスのためのERP「ZAC」
本ブログを運営する株式会社オロのクラウドERP「ZAC」は、案件・プロジェクト単位で業務が進行する業種に適したERPです。各プロジェクトの売り上げに対して、制作費・経費・販管費などの原価を紐づけて管理することで、プロジェクトごとに損益を把握することができます。システムの一元化により複数部門での二重入力が不要となり、管理部門のコストを削減することも可能です。社外接続サービスを利用することで、社外からも安全にアクセスできます。
まとめ
個別に管理していると煩雑になりがちな基幹業務ですが、ERPを導入することでデータの一元管理が可能になります。より合理的かつ効率的な経営のために、自社に合ったERPを見極め、利用することが大切です。