経費精算とは?紙やExcelによる管理の問題点と経費精算システムのメリットについて解説
経費精算とは?
経費精算とは、営業訪問時の交通費や研修時の出張・宿泊費など、従業員が業務に関係した活動を行う際に発生した金銭を会社に申請することで、後から払い戻しを受けることを言います。 経費精算はその名の通り後から発生した金額分を精算されることになるため、従業員は経理担当者に領収書などの証明書類を渡し、申請することになります。申請が経理部門や上司に承認されると、決められた日付に振込が行われます。
なぜ経費精算業務に時間がかかってしまうのか
経費精算業務は一般的に煩雑になりがちで、振込までに多くの時間を要してしまいます。これには以下のような原因が考えられます。
領収書などの手入力・目視での確認に時間がかかる
経費精算業務は会社や従業員に不利益が発生しないよう、内容の正確性が求められます。発生した実際の支払いが経費に該当するのか、振込金額は正しいかなど、経理担当者は1件ずつ確認しなければなりません。 また、集合研修や出張などが重なった場合、短期間で大量の経費精算業務が発生することがあります。領収書の手入力や目視での金額確認に頼っていると、担当者が業務に追われることになってしまうのです。
承認フローに時間がかかる
経費精算は、申請者・経理担当者ともに承認フローで多くの時間を費やします。 経費精算では決められた経費精算書の様式に従って申請を行う必要があるため、書類作成のために金額を調べる作業などが必要になります。紙ベースでの経費精算書の作成は会社でしかできないケースも多く、営業など外回りの多い従業員は経費精算業務のためだけに帰社しなければならないこともあります。
一方で、経理担当者は申請内容をもとに会計ソフトに金額を手入力したり、支払い作業を進める必要があります。また、支払い前の小口現金の管理など、セキュリティ面でも常に負担が生じています。 また、経費精算書を紙で作成している場合、稟議までに多くの責任者に確認を貰う必要があるため、責任者が出張や離席により不在の場合、必要以上に時間がかかってしまいます。
従業員に1人ずつ支払う必要がある
経費の支払いを行う際は、従業員1人ひとりに対して毎回異なる金額を支払う必要があるため、経理担当者の負担となります。 例えば、週に何度も発生する支払いなど、経費精算の頻度が高い会社では、経理担当者が支払い業務だけで多くの時間を費やしてしまうことになるでしょう。 支払い対象となる従業員の振込先銀行が異なることなども負担の一因になっています。
紙やExcelによる管理の問題点
紙やExcelで経費を管理していると、以下のような問題が生じます。経費精算をスムーズに行うためには、業務のデジタル化が必要不可欠です。
入力・転記作業に時間がかかる
紙やExcelで提出が必要な場合、入力項目を選択できる場合は少なく、すべて自分で調べ記入しなければならないでしょう。手間がかかるからと後回しにし、月末にまとめて作業すると想像以上に入力に時間がかかってしまうものです。 経理担当者は仕訳作成のために、紙やExcelで提出された経費精算書を自らが集計しなければなりません。転記をした場合、申請された書類や添付された証明書の突合作業に多くの時間をかけることになります。
社内規定の要件を満たしているか判断が難しい
特に旅費や交通費などの精算の場合、社内規定に照らし合わせて妥当な金額か、申請に必要な情報は全て揃っているのかをチェックする必要があります。 特に複雑な旅費規程などを設けている会社の場合、申請者と経理担当部署との間で何度もやり取りをすることになるなど、承認の前段階で多くの時間を浪費してしまうこともあるでしょう。
承認者の不在により承認が滞る
経費精算書を紙で作成していると、承認者が不在の場合承認までに多くの時間がかかってしまいます。特に、承認者が出張などで長期不在の場合、月またぎの経費精算処理を行うことになり、従業員への支払いが遅れてしまうことにことになります。高額な旅費や宿泊費の精算で支払いが滞ると、従業員の生活にも不利益を生じさせてしまいます。
経費精算を効率化するためには
経費精算業務を効率化するためには、申請者、経理担当者の負担をともに解消する仕組みをつくることが求められます。 特に効率化すべき課題は以下のような業務です。 経費精算書の作成作業 目視による確認作業 承認プロセス これらの課題を解決するためには、申請段階から経費精算システムを活用することをおすすめします。経費精算システムであれば、手入力や目視による確認の必要を最小限にすることができ、いつでもどこでも承認者が承認を行うことができます。
経費精算システムを導入するメリット
経費精算システムを導入することで、以下のようなメリットが有られます。
- 煩雑な入力作業を効率化できる
- どこでも承認作業が可能
- ペーパーレス化・省スペースできる
- 経費に応じてワークフローを個別に設定できる
それぞれについて詳しく解説していきます。
煩雑な入力作業を効率化できる
経費精算業務で最も手間なのが手入力作業です。一度に多くの精算を行う場合、手入力作業はミスの温床にもなります。 OCR機能(文字を読み取る機能)付きの経費精算システムを導入すれば、添付書類として必要な領収書やレシートを撮影するだけでシステムに自動入力されるため、業務の効率化と正確な金額の入力が実現できます。 ただし、OCR機能はシステムやサービスによって入力精度が大きく異なります。社内のニーズに合ったシステムを選ぶことが重要です。
どこでも承認作業が可能
紙による経費精算書は承認者が不在の場合承認までに時間がかかってしまうというデメリットがありました。 しかし、スマホやタブレットでも使える経費精算システムを導入すれば、承認者がどこにいても端末からログインし、承認することができます。 外回りの移動時間や出張先でも経費精算、承認を行うことができるので、経費精算書の作成や承認のためにわざわざオフィスに戻る必要もなくなります。
ペーパーレス・省スペース化できる
電子帳簿保存法の改正によって、領収書などの証拠書類を電子媒体で保存することが認められるようになりました。これにより、膨大な書類を紙で管理し、書庫などに保管する必要はなくなっています。 経費精算システムを導入すれば、精算された経費の金額や承認プロセス、領収書などの証拠書類がシステム上に保存されるため、経費精算業務のペーパーレス化に貢献します。 また、後から承認プロセスなどを後から調べる際にもシステムにログインするだけで確認が可能なため、わざわざ書類を探し出す必要もなくなります。
経費に応じてワークフローを個別に設定できる
一口に経費精算と言っても、さまざまなワークフローが考えられます。日常的な交通費や消耗品費など少額の経費精算であれば事後申請するだけで良いケースが多いですが、遠方への旅費や接待交際費など高額の経費精算は事前に申請が必要な場合もあります。 また、経費の内容によって複数の部署をまたがるなど、複雑な申請・承認フローを経るケースもあるでしょう。 経費精算システムであれば、経費種別ごとに申請項目やワークフローを設定することが可能です。システムを活用することで、事前申請の漏れなどを防ぐことも可能です。
経費精算機能を活用し、フローの構築を
これまで紙やExcelによる経費精算業務の問題点について解説してきました。経費精算システムの活用で従来の経費精算業務の課題を解消することができるため、業務効率化を考えている企業におすすめです。
本ブログを運営する株式会社オロのクラウドERP「ZAC」の経費管理機能では、経費のほか売上・仕入・勤怠・工数などを一元管理できるため、社内の業務フロー標準化・最適化と、案件にかかわる経費情報の共有が可能になります。 そのため、経費管理システムや勤怠管理システムなどを単体で複数導入する場合や、部署ごとに異なる管理ツールを導入する場合に比べて、業務管理に関するお悩みを全体最適の視点で解決することが可能です。
また、ZACのアウトプット機能(データ出力機能)では経費に関するデータを出力することができます。この機能で経費に関する財務分析に必要な資料をすぐに作成することができ、期間や経費種別、部門、申請者など条件を指定した経費データを出力できるため、様々な切り口からの分析を支援します。 その他、詳しいZACの機能については、ZACの機能ページをご覧ください。
まとめ
従来の紙やExcelによる経費精算業務は、入力作業や確認作業などで多くの時間を要してしまうという課題がありました。経費精算システムでは自動入力など便利な機能が使えるほか、経費の金額や内容ごとにワークフローを構築することができるため、組織の内部統制としても有効に機能します。 経費精算業務は経理担当部署だけではなく、多くの従業員に関わる重要な業務です。これらの業務を効率化することで、あらゆる従業員が恩恵を受けることができるでしょう。