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ERPはベンダー選びも重要!選定ポイントや導入までの事前準備について解説

2022/11/10公開

企業の限られた資源を有効活用するためには、ERPの活用がおすすめです。大きな投資となるERP導入を成功させるには、自社にあった製品か検討することに加えてベンダー選定も非常に重要になります。

そこで本記事では、ERPの一般的な導入の流れや導入前に準備すべき項目、ベンダーを選ぶ際に留意すべきポイントを解説。導入を考える企業に向けて、本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP「ZAC」で取り組んでいる導入支援の内容についてもお伝えします。

ERPベンダーとは

ERP(Enterprise Resource Planning)を提供する企業を、ERPベンダーと呼びます。企業に適したシステム形態を提案し、導入支援やその後のサポートまでを行うことが一般的です。主に、直接販売と間接販売の2つの提供方法をとっています。

ベンダーは「販売業者」「売り主」を意味する「vendor」が語源で、販売会社のことを指します。 「user(ユーザー)」の対となる言葉です。IT業界では通常、開発のみに携わる会社はベンダーと呼びません。

代表的な企業としては、SAP社、ORACLE社、Microsoft社などが挙げられます。本ブログを運営する株式会社オロも、クラウド型ERP「ZAC」の開発から販売、導入支援、保守までを行うERPベンダーです。

ERPの基礎知識をおさらい

ERPとは、企業の持つ資源=「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一か所に集めて管理し、有効活用するという考え方、またはそれを実現するためのシステムのことです。主に、以下のような機能を備えています。

  • 販売管理
  • 購買管理
  • 生産管理
  • 営業管理
  • 顧客管理
  • 在庫管理
  • 物流管理
  • 予算管理
  • 会計管理
  • 人事管理
  • 給与管理
  • BIツール

それぞれを別のシステムで管理するより、ERPでまとめたほうが関連データ同士を紐づけて把握できたり重複入力を避けられたりと、効率的に管理できます。その結果、リアルタイムな情報に基づいたスピーディーな意思決定が可能になるのです。

業種に特化したERPや機能を絞ったERPもあるため、自社の業態を考慮して導入する必要があります。ERPについて、詳細は以下の記事を参照してください。

ERPのトレンド変化

ERPには、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。クラウド型はインターネット上にシステムを構築し、ユーザーがアクセスして利用するタイプです。一方のオンプレミス型は、自社でサーバーを持ち、サーバー内にシステムを構築するタイプを指します。

従来は、社内でサーバーを持つオンプレミス型を利用する企業が多かったものの、近年はクラウド型が主流になりつつあります。自社でサーバーを設置する必要がなく、インターネット経由で導入できるため、費用も期間も抑えて利用できる点がクラウド型の特徴です。最新バージョンが随時提供されることや、メンテナンスもベンダー側に任せられることから、クラウド型のERPを導入する企業が増えています。

ERP選定までの流れ

ERPを選定するまでのステップは、大まかに分けて4つです。今回は、ある程度候補をしぼったうえで選定するケースを紹介します。

  1. システムで解決したい課題を洗い出す
  2. 全社最適な業務設計を検討
  3. 課題を解決できるERPの選定
  4. ERP導入プロジェクトの立ち上げ

①システムで解決したい課題を洗い出す

現場で使えるイメージがつかないままや、社内のキーマンが導入のための時間を取れない状態でシステムを選定しては、結局活用できずに無駄になったり従業員の負担が増えるだけになったりする恐れがあります。

まずはシステム化することで何を解決したいのか、どのようなゴールを目指すのか明確にしておく必要があるでしょう。具体的には、「月末の経理業務を2人月分削減する」「経営帳票作成にかかる工数を30%削減する」といった目標です。

同時に、現在の運用についても整理し、先に挙げた課題の解決が図れる新業務フローを検討する必要があります。その際は、パッケージが持つ業務フローを参考にするのも一つの手段です。既存のノウハウをもとに作られたパッケージで解決できる課題やベストプラクティスを知ることで、自社の課題が見えてくることがあります。

②全社最適な業務設計を検討

社内の課題と目的が整理され、必要な機能の把握ができたら、ベンダーにFit&Gap分析に協力してもらいましょう。実際にギャップがあった場合は、カスタマイズでシステムを業務に合わせるのか、または業務をシステムに合わせた運用にするのか、コスト面も含めた検討が必要です。同業種の運用事例があるのか、同規模でよくある課題などをヒアリングするといいでしょう。

③課題を解決できるERPの選定

課題や最適な業務設計が見えたら、それを適切に解決するためのERPを選定していきます。業種に特化したERPであれば、業務に必要な機能があらかじめ揃っており、後からカスタマイズする手間が省ける可能性があるためおすすめです。

ERPベンダーはトライアルを用意していることも多いため、最終的にはトライアルで試してみて、自社の課題解決の可否や最適な業務設計を考えることがおすすめです。既存システムとの連携ができるかという点もあわせて確認しておきましょう。

④ERP導入プロジェクトの立ち上げ

製品の選定ができたら、ベンダーが提供する導入支援サービスと自社の導入プロジェクトについても検討します。ベンダーと協力し、自社の使い方に合わせて導入プロジェクトのスケジュールを立てましょう。

このとき、導入プロジェクトのメンバーの稼働負荷が高すぎるとスケジュール通りに進められないため、あらかじめ導入プロジェクトの負荷を考慮した業務配分をしておくことが大切です。

製品と同じくらい信頼できるベンダー選定が重要

上記のように、ERPの選定時から導入まで、ベンダーの存在は大きいものです。クラウド型であれば、オンプレミス型に比べて導入期間は短いとは言え、課題の特定からERP選定、導入には約3~12か月とそれなりの期間がかかります。

ERP導入プロジェクトは導入側が主体ではありますが、導入側の意図や実現したいことを汲み取り、建設的かつ寄り添った提案をしてくれるベンダーを見つけ、信頼関係を築いていかなければなりません。

導入後も、メンテナンスやトラブル対応など、ベンダーとの関わりは長きに渡ります。そのため、信頼できるベンダーを選ぶことが重要になってくるのです。

失敗しない!ベンダー選び5つのポイント

ERP導入において重要なベンダー選びには、気をつけるべきポイントがいくつかあります。そこに留意すれば、ベンダー選びの失敗を減らせるでしょう。ここでは5つのポイントにまとめました。それぞれを詳しく解説していきます。

①求める機能・技術があるか

まず重要なのは、製品が求めている機能を満たしているかという点です。加えて、求める機能を叶えるだけの技術力をベンダーが持っているかどうかを見極めましょう。そのためには、システム開発に欠かせないRFP(提案依頼書)を作成する必要があります。

RFPは作成の手間はかかるものの、お互いが目指す方向を見誤らないためにも重要な書類です。実現したい機能や解決すべき課題、必要な要件などをシステムベンダーに対して明示する役割があり、Fit&Gap分析と合わせて複数ベンダーを比較する基準にもなります。

ベンダーも、RFPを確認することで企業の求める機能とERPで叶えられる範囲にギャップがないかどうかを確認し、引き受けられるかどうかを判断できます。

②複数ベンダーを比較する

複数のベンダーを比較して、もっとも自社に合う製品・ベンダーを探すことが大切です。ベンダーによって得手不得手があるため、どのベンダーがもっとも自社の求める機能を叶えてくれそうか、求める機能がない場合の対応策について比較しなければなりません。

説明を受けるだけでなく、トライアルやデモを実施してUI/UXの確認や実際の利用シーンを想定した機能チェックを行いましょう。

③同業種の導入事例があるか

自社と同業種・同規模の企業への導入事例があるベンダーを選びましょう。なぜなら、業種や規模が異なれば、導入することで得られる効果が異なる可能性があるからです。似たような業務、環境、求める基準の企業で導入、継続利用されているのであれば、自社にもマッチする可能性は高いと考えられます。

機能面やコスト面だけでなく、ベンダーから導入事例もヒアリングして実績を確認しておきましょう。

④コストが許容範囲内であるか

ERP導入にはコストがかかるものですが、導入コストだけでなく運用コストも含めた中長期的なコストもあわせて検討しなければなりません。コストが効果に見合わないようであれば、ERP導入は適切とは言い難いでしょう。

クラウド型であれば毎月かかるサービスの利用料の他、ベンダーがトラブル対応する際にコストがかかるのかどうかなど、先々の運用イメージまで一緒に考えてくれるベンダーを選ぶことがポイントです。

⑤提案・フォロー体制が充実しているか

機能や活用方法、導入コストなどに関して、積極的な提案があるベンダーを選ぶことも大切です。たとえば、対象企業かつ交付申請期間中であれば、ERP導入時にIT導入補助金を申請することもできます。企業に寄り添った提案をできるベンダーが望ましいでしょう。

特にクラウド型ERPの場合は、導入後もベンダーを頼る機会が少なくありません。従業員の増減やトラブル発生時、カスタマイズへの対応など、運用を開始してからのフォロー体制がしっかりしているベンダーを選びたいところです。

ベンダーの取り組み事例

ERPは、企業にとって大きな投資です。ベンダー側も、企業へのより良い提案や導入に向けて、さまざまな取り組みを行なっています。ここでは、本ブログを運営する株式会社オロが提供するクラウド型ERP「ZAC」の提案・導入支援時の取り組みを紹介します。

導入時に使える補助金・税制の提案

ZACを導入していただく際には、そのタイミングで利用可能な補助金・税制を紹介しています。ZACの場合、IT導入補助金と中小企業促進投資税制が申請対象となるため、紹介と同時に申請のサポートを実施。少しでもコストを抑えて導入いただけるように取り組んでいます。ZAC導入企業における2021年度のIT企業補助金の採択率は92%です。

IT導入補助金と中小企業促進投資税制について、詳細は以下の記事を参照ください。

複数の導入パターンを用意

ZACでは、初めてERPを導入する企業を支援するため、規模に応じた導入支援サービスを提供しています。サポートデスクによる導入支援プランが標準でついているのに加え、専任担当者がプロジェクトの進行をサポートする「プロジェクト型オプション」、大規模導入時に経験豊富なプロジェクトマネージャーがプロジェクトに参画する「プレミアムオプション」があります。

詳しい導入パターンについては、価格体系を参照ください。

検討導入中の方に向けたFAQの公開

導入を検討している企業の疑問を解決すべく、よくある質問とその回答をまとめたFAQをZAC製品サイトで公開しています。資料請求に抵抗がある場合や、検討初期でイメージが湧かない場合でも、気軽に機能面やコスト面、利用イメージなどがわかるよう解説。知りたい情報を、問い合わせ前に確認できます。

実際のページはFAQをご参照ください。

既存顧客のためのヘルプセンターを公開

ZACを導入いただいたお客様に向けて、ヘルプセンターを公開しています。操作・運用ガイドや、機能追加に関する動画コンテンツなどを掲載。新しい機能追加をご希望の場合の見積依頼や、トラブル発生時のお問い合わせが可能です。

実際のページはヘルプセンターをご参照ください。

まとめ

企業の資源に関する情報を一括で管理し、有効活用するためにはERPの活用が有効です。自社に合ったERPを選定するには、システムで解決したい課題を洗い出したのち、ベンダーと協業してFit&Gap分析やトライアルを行いましょう。

さまざまなベンダーがそれぞれの強みを生かしてERPを提供している今、製品の機能に期待できる場合は、どのベンダーを選ぶのかもポイントとなります。 特に近年主流となっているクラウド型ERPは、導入後もベンダーのサポートが受けられます。そのため、導入企業に寄り添った提案ができ、中長期的な運用を考えてアフターフォローやサポート体制の整ったベンダーを選ぶといいでしょう。

Q
ERPベンダーの選び方は?
A
以下の5つのポイントを抑えて選びましょう。
①求める機能・技術があるか
②複数ベンダーを比較する
③同業種の導入事例があるか
④コストは許容範囲内であるか
⑤提案・フォロー体制が充実しているか
詳しくは 失敗しない!ベンダー選び5つのポイントをご覧ください。
Q
ERPベンダー選びはなぜ重要か
A
システムの選定から導入、運用と、ベンダーとは長い期間に渡って付き合うことになるためです。特にクラウド型の場合は、導入後のメンテナンスやトラブル対応でベンダーに頼らなければならないため、信頼できるベンダーを選ぶことが重要になります。詳しくは 製品と同じくらい信頼できるベンダー選定が重要をご覧ください。

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この記事の筆者

ライター

矢野 由起

製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

この記事の監修者

株式会社オロ クラウドソリューション事業部 新規営業グループ ZAC新規営業チーム チーム長

藤居 悠人

2016年入社以降、中小企業を中心にクラウドERP「ZAC」の提案を行い、その数は1000社に上る。現在はチーム長として新規営業の傍ら、チームのマネジメントも行っている。

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