Excelでの案件管理の限界を見極める6つのポイント
万能ツールのExcelでできること
業種・業態の垣根を超え様々な企業・個人で使用されているExcelは、その使い道も多岐にわたっています。
本記事でご紹介する案件管理だけでなく、
- 勤怠管理
- 顧客管理
- タスク管理
- Webサイトのワイヤーフレーム作成
- 営業資料作成
など、ビジネスのあらゆるシーンで使われています。
上記のように様々な使い方ができるExcelの一番の特徴は、その自由度の高さです。
基本的な機能はとてもシンプルですが、関数やテンプレート、グラフなど複数の機能を組み合わせて使いこなすことで、各組織の要望に沿った形式で使用できます。
Excelならではの自由度の高さは、案件管理を行う際に自社に合った管理項目を用意することにも役立つでしょう。ここからは、さらに詳しくExcelと案件管理について解説していきます。「案件管理の脱Excelを実現したい」という方は、こちらからExcelに依存した業務管理からの脱却ガイドをダウンロードなさってください。
案件管理をExcelで行うメリット
案件管理をExcelで行った場合に享受できるメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
①自社に合ったフォーマットで使用できる
前項でもご紹介しましたが、Excelの一番の特徴は自由にカスタマイズできるという点にあります。シンプルな機能だけを使う、関数など複数の機能を用いて複雑な集計を行うなど、各社の要望に合った形式で利用できます。
②臨機応変にカスタマイズできる
空白の状態から自由に項目を組み上げていくことになるため、変更が必要になったときすぐカスタマイズできることも大きな魅力の1つと言えます。集計する項目を増減させる必要がある、数値の計算方法を変更したいといった場合も、自らの手ですぐに変更可能です。
③習得が早く手軽に使うことができる
案件管理のために使用する以前からExcelを使っていた、という方が大半ではないでしょうか。こうしたExcelへの「慣れ」が土台としてあることで、ツールそのものに慣れる時間を省き、機能習得のハードルを低くします。新しいツールを導入する場合に比べ、より早く複雑な使い方ができるでしょう。
④低コストで使用できる
既にExcelを使用している方であれば、追加費用なく案件管理を行うことが可能となります。また、仮に現段階でExcelを使っていなかったとしても、Microsoft Officeの契約のみで使い始められるため、コストは安く抑えられると言えるでしょう。
案件管理をExcelで行うデメリット
Excelを用いた場合、カスタマイズ性が高く自社に合った形式で使用でき、コストや導入のハードルが低く済むと分かりました。一方で、Excelで案件管理を行う場合のデメリットも存在します。
①二重登録やデータ登録のヌケモレが発生する
案件管理を行うにあたっては、各担当者がそれぞれ案件の情報を記録したり、編集したりすることになるでしょう。Excelの場合、登録されたデータの整合性や作業漏れなど入力ミスをチェックする仕組みがありません。そのため入力者や入力するデータが増えれば増えるほど、データの正しさを担保することが難しくなります。
②データ集計に手間と時間がかかる
Excelへのデータ登録は自由度が高いことから、「担当者によってデータ入力の粒度や記載方法が異なる」といったことが起こり得ます。データの加工を行う場合、データの整合性を取る必要がありますので、加工以前のメンテナンス時点で多数の手間と時間がかかります。Excelの性質上、登録や集計の方法を変えてもこれらの手間はかかってしまうでしょう。
③リアルタイムかつタイムリーな情報共有ができない
Excelは複数人で同時編集ができず、さらにデータ登録の自由度の高さからデータ集計だけでも手間と時間がかかってしまいます。案件管理を行うにあたっては、常に案件の最新情報を正しい内容で見られることが重要になってくるため、リアルタイムで正しい情報を共有することは難しいと言えます。
④集計項目の設定や運用フローを一から考え、構築する必要がある
「自社に合ったフォーマットで使用でき、臨機応変にカスタマイズできること」はExcelのメリットですが、言い換えると案件管理のためのテンプレートはなく、一から集計項目などを考える必要があります。初めて案件管理を行う場合、集計する情報や採用すべき運用ルール設定も難易度が高い作業となるでしょう。
Excel・スプレッドシートでの案件管理に便利な関数
案件管理をExcelで行うことを決めたとしても、いざ始める際にどういった情報を集計すればよいか分からないケースも多いのではないでしょうか。
そこで、この章ではExcelでの案件管理に使うとよい関数をご紹介します。
①EDATE(期間の目安)
構文:=EDATE(開始日,月)
案件管理ではその案件に関する基本的な情報(日付情報、取引先、営業担当者、受注見込度など)を記録します。引合発生日から受注予定日まで一定の目安となる期間が決まっている場合、こちらの関数を利用すると便利です。例えば、3ヶ月契約の案件で引合発生日が2021/6/1であれば、受注予定日として2021/8/31を自動的に割り出す、といった関数を組むことができます。
②SUMIFS(金額情報の抽出)
構文:=SUMIFS(合計対象範囲,条件範囲1,条件1,......)
案件毎の予想売上額を記録し案件の基本情報と組み合わせることで、特定期間における売上金額の予測を行ったり、担当者毎の売上状況を把握したりすることができるようになります。例えば、担当者が特定の社員となっている案件の内、進捗が受注の案件の金額を合計する、といった使い方が可能です。
③IF(担当者の入力漏れチェック)
構文:=IF(論理式,[値が真の場合],[値が偽の場合])
案件の基本情報や金額情報などの登録漏れを防ぎ、正しい情報を担保するために役立つ関数となります。
担当者の所感や対応事項など一定量以上の記載を求める場合は、文字数上限を追加した以下の使い方もおすすめです。
=IF((LENB(対象)>=文字数)*AND(対象<>""),"OK","字数不足です")
Excel・スプレッドシートでの案件管理の限界
ここまで案件管理をExcelで行う場合のメリットと、実際にお使いいただける関数を紹介してきました。
一方でExcelを用いた案件管理にもデメリットがあることから、自身がExcelでの管理を行うべきか判定したいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
そこで、Excel管理を継続すべきか判定するためのチェックリストをご用意しました。
「これから始める方向け」「既に始められている方向け」の2パターンありますが、
いずれもチェックが3つ入ることが、管理方法を再考すべき目安となります。
各質問にチェックが入るかどうか、ご自身や自社の状況を確認してみてはいかがでしょうか。
- 【これからExcelでの案件管理を始めようと考えている方向けチェックリスト】
-
- データの二重登録や登録漏れをできるだけ避けたい
- 欲しい情報をタイムリーに参照できるようにしたい
- データ内容の正しさを手間なく担保したい
- データ集計の手間と時間を省き、分析に時間をかけたい
- 自社の運用フローを見直したいと考えている
- 今後、案件数の増加や組織の拡大を目指している
- 【既にExcelでの案件管理を行っている方向けチェックリスト】
-
- データの二重登録や登録漏れが頻繁に発生している
- 欲しい情報をタイムリーに参照したり取り出したりできていない
- データの内容が正しいかどうかの担保ができていない
- 数値分析の前提となるデータ集計に手間と時間がかかっている
- 自社の運用フローを見直したいと考えている
- 今後、案件数の増加や組織の拡大を目指している
初めての案件管理システムに「Reforma PSA」
Excelでの案件管理は、手軽かつ低コストで自由にカスタマイズできる特徴を持ちつつも、データの正確性の担保やリアルタイムの情報共有、データの集計に難点があります。
Excelでの案件管理が抱える上記のような弱点を克服する1つの方法として、案件管理ができるシステムを導入することが挙げられます。案件管理に特化した作られ方をしているため、より使い勝手がよく、素早いデータ集計や分析も可能です。
その中の1つ、本ブログを運営する株式会社オロが提供する「Reforma PSA」はクリエイティブ系ビジネスの商習慣にFITした案件管理システムです。広告・IT・Webといった業種に特化したシステムなので初期費用0円で、漏れのない業務管理、正確な損益管理を実現します。
サポート担当による手厚いご支援も行うため、初めて案件管理システムをお使いになる方にもおすすめできる製品となっております。
本記事の内容が、貴社に合った案件管理を行うための一助となれば幸いです。
案件管理方法をより深く理解されたい方は、以下の記事も併せてお読みください。
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