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わかりそうでわからない引合管理。概要・効率的な管理手法を解説。

2025/2/21公開

ビジネスシーンで「引合」という言葉を聞くことがあるでしょうか。一般的な「引き合い」とは異なる意味で使われているため、定義をしっかり把握しておくことが重要です。引合を管理することは、ビジネスを円滑に進めるため、また売上を上げるためにも必要となります。

本記事で効率的な管理手法を紹介するので、これから引合管理の強化や効率化を図りたい方はぜひ参考にしてください。

ビジネスにおける引合とは

ビジネスで使われる「引合(ひきあい)」という言葉は、主に案件管理で使われる言葉です。取引前に行われる、商品・サービスへの問い合わせが「引合」です。取引のスタートとも考えられます。

企業の営業活動において「引合」はその後の契約数や売上額にも影響するため重要です。購入や契約は未定だとしても、商品・サービスを検討する顧客やその問い合わせがあった場合、それを「引合」として管理することが必要です。経理で使用される「引合」も同様の意味を持ちます。

引合と見積の違い

引合と似た意味で使われる言葉に「見積」があります。一般的な販売プロセスは、引合→提案・見積→受注→納品→売上→請求→入金という流れで進んでいきます。つまり、引合は見積の手前の段階です。

見積は、実際に商品・サービスの購入を検討する段階で、概算金額や条件を提示するものです。一方、引合の段階では多くの場合、商品・サービス情報を提供するのみです。引合からさらに検討を進めて購入を検討し始めると、具体的な価格や条件を明示する「見積」の段階に進みます。

案件管理における引合とは

案件管理における引合は、受注前案件の見込みや進捗状況を管理する際に用いられる言葉です。いつ・どこから(企業名、取引履歴、担当者名など)・どのような条件で引合があったのか、その引合を受けたのは誰なのか、といった情報をまとめて管理することが引合管理です。

売上を上げるためには引合の数が重要です。上図のように、引合の数が多いほど、受注につながる可能性のある案件も増え、結果的に売上の拡大につながります。したがって、引合に関する情報を細かくタイムリーに管理することが、売上向上のために求められます。

引合管理はなぜ複雑?

受注につながる引合管理は非常に重要な業務であり、引合の数や質にあわせた管理が必要となるため、複雑になりがちです。それゆえ引合管理がうまくいかないことも多々あります。複雑になる理由は、主に以下の3点です。

①数が一定ではない

引合は見込み客からの問い合わせであるため、企業側でその数を決めたり、コントロールしたりできません。特に季節性のある商品・サービスでない限り、引合の発生・予測が容易ではありません。そのため発生した引合を都度リスト化し、数を把握するしか方法がなく、数の予測が難しいのです。

②引合のフェーズ管理が必要

BtoCのビジネスはその場で購入につながるケースもありますが、BtoBビジネスは複数回の商談を行うことが一般的であるため、即日受注になりくいという特徴があります。引合後に検討期間があり、受注までに時間がかかるため、受注に繋げるまでに確度や連絡手法・頻度などの定期的な管理が必要です。

商談を行った場合はどのフェーズまで進んだのか、次に行うべきアプローチは何かなど、個別に管理しなければなりません。

③営業担当者が個別に管理しているケースが多い

引合段階では、受注につながるか不確定であるため、管理方法が曖昧になりがちです。そのため、ルールを定めていないと、引合を受けた営業担当者が独自の方法で管理をしてしまい、引合案件の数やフェーズがブラックボックス化してしまいます。

受注につながるかどうかや、受注までにかかる日数、取るべきアクションなどが担当者の勘頼りになりかねません。履歴を記録していなければ、引き継ぎも困難になります。

受注率を高め、効率的に案件の引合管理を行うには

営業担当者個人に頼ることなく、企業として効率的な引合管理を行うことが大切です。問い合わせのみの引合と商談フェーズまで行った引合をそれぞれ適切な手法で管理していくことで、受注率アップにもつながります。以下のポイントを押さえ、引合管理の効率化・適正化を図ってください。

情報を一元化する

情報を個人で管理していたり、社内のあちこちに分散させていたりすると、正確な管理ができません。その場合、まずは情報の一元化が必要です。引合に関する情報は一つのリストにまとめて、関係者全員が入力・閲覧できるようにしましょう。

必要な情報や記入すべきタイミングをルール化することで、より正確でタイムリーな引合管理が可能となります。

引合に対して対応のルールを定める

引合は問い合わせを受けただけの状態であるため、対応ルールが定まっていなければ、担当者ごとに異なってしまいます。数ある引合のなかでも、優先すべき業種や企業規模などを設定し、それぞれの優先度に応じた対応を社内で設定・共有することが大切です。

自社の商材・サービスに適さない引合の場合はメールでの返信のみにするなど、対応を絞ることも効率化に欠かせません。問い合わせ直後の引合管理だけでなく、商談後に進展がなかった引合をどのように管理していくかも、営業組織単位でルールを定めることをおすすめします。

複数ユーザーによる編集を可能にする

情報を一元化したのち、その情報を関係する複数のユーザーが編集できるようにすることも効率化のポイントです。複数の担当者が同時に引合情報を入力・更新できるため、どの担当者がどの引合を管理しているか、また進捗状況がどうなっているのかを即座に把握できるようになります。

もし誰か1人しか編集できない状況であれば、その担当者が不在の際に更新できなくなってしまいます受注率を上げるには、引合を放置せず、問い合わせを受けたタイミングで見込み顧客に対して迅速にヒアリングすること、商談後はどうなったのかまで適切な管理が大切です。そのためにも、情報を社内で連携できるスタイルが望ましいでしょう。

受注前の引合管理に特化したシステムを活用する

検討期間の長い商材・サービスを扱っている企業の場合は、引合があって商談を行ったあとの進捗管理や受注予定、着地見込みの可視化も非常に重要です。そこで活用したいのが、受注前の引合管理に特化したシステムです。

引合管理に必要な情報を一元化できるだけでなく、複数人での同時編集ができる機能、受注確度の登録、着地見込みの可視化など、効率化に役立つ機能を備えています。受注率アップや引合管理の効率化を実現するには、引合特化型のシステム導入が有効です。

案件の引合から管理するならZAC

本ブログを運営する株式会社オロのクラウド型ERP『ZAC』は、IT業や広告、コンサル業といった、契約・プロジェクト単位で業務進行する業種のための案件・引合管理を支援する機能を持つシステムです。

ZACであれば、引合や商談後のタイミングに案件を登録することで、引合、受注、売上計上、請求といった案件の進捗にあわせて販売管理が進められます。進捗中の案件に対し、受注確度管理も可能です。引合時点の情報を引用して見積作成から売上計上までを進められるため、案件情報が分散してしまうことなく営業活動が行え、経理への共有も効率化できます

まとめ

取引のスタートになるのが、問い合わせの「引合」です。そこから受注に向けた検討が始まります。企業の売上向上には、まず引合が欠かせません。引合の数が多ければ、それだけ受注数も増えるからです。

受注に不可欠な引合だからこそ、適切に管理して受注につなげるための体制づくりが重要です。同時に情報の性質上、引合管理は複雑化しやすいと言えます。そのため、情報の一元化と誰でも編集可能な体制づくり、対応のルール化、専用システムの活用を行うことで、効率化が実現できるのです

Q
ビジネスにおける引合とは?
A
主に案件管理で使われる言葉で、取引前に行われる、商品・サービスの問い合わせを指します。
詳しくはビジネスにおける引合とはをご覧ください。
Q
引合と見積の違いは?
A
引合が取引開始前の問い合わせ段階であるのに対し、さらに検討を進めて購入を検討し始めたときに作成するのが見積です。
詳しくは引合と見積の違いをご覧ください。

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ZACは生産性向上を実現するために必要な「業務効率化」と「経営判断の精度向上」を両立できるERPパッケージです。IT/Web/広告/士業などのお客様への累計800社以上の導入実績に基づき、経営課題の解決をサポートいたします。製品資料では、ZACで出来ることや価格についてご説明しています。是非ご覧ください。

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この記事の筆者

ライター

矢野 由起

製造業のエンジニアとして9年半勤めた経験を活かし、現在はフリーランスのライターとして活動中。職場の生産性や働き方改革、クラウドツール活用、複業などに興味があり、人事領域に関する記事なども手掛けている。

この記事の監修者

株式会社オロ クラウドソリューション事業部 マーケティンググループ長/Reformaチーム長

吉井 惇

2013年株式会社オロに新卒入社。クラウドERP「ZAC」の新規営業、人事採用担当を歴任。現在はZACの姉妹製品「Reforma PSA」のプロダクト責任者および、「ZAC」マーケティンググループのグループ長を兼任している。

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