よくある Google アナリティクス の設定の落とし穴
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本記事では、Sunfish のリリースから 1 周年を記念して『よくある Google アナリティクス 設定の落とし穴』というテーマで全 5 回にわたってGoogle アナリティクスに関する困った事例をご紹介します。
今回は < (other)のせいで正確なレポートデータがわからない! > をテーマに Google アナリティクスの設定の落とし穴をご紹介いたします。
過去に Google アナリティクス のサポートをおこなっている企業の担当者さまから、こんな相談がありました。
相談の内容は、自社で計測している Google アナリティクス のレポートに見慣れない (other) というディメンションが出現するというものでした。
この (other) とは、Google アナリティクス の仕様によるものです。
まず、Google アナリティクス ではレポートの表示速度の向上のために、あらかじめ標準レポートに存在する< ディメンションと指標 >の組み合わせをもとに処理済みのテーブルを用意しています。これを事前集計といいます。
この事前集計を利用したレポートは表示できるディメンションの数(種類)に上限があります。上限を超えた場合には、下位のディメンションを (other) として集約する仕様になっています。
以下は、Google アナリティクス のヘルプページの抜粋です。
値の種類が多いディメンションは、高基数ディメンションと呼ばれ、こうしたディメンションを含むレポートは、アナリティクスのシステム上の制限に影響されることがあります。その場合はレポートに集約項目 (other) が作成され、システム制限を超えたデータがその項目に集約されます。
(参照:レポートの [(other)] 項目 - アナリティクス ヘルプ)
レポートで (other) にまとめられず表示できる行数の上限は、1 日あたり最大 5 万行、4 日 で 10 万行です。
集計範囲が 5 日を超える場合には、以下のように単日処理と複数日の処理が足された合計になります。
5 日( 15 万行) = 1 日( 5 万行)+ 4 日( 10 万行)
なお、Google Analytics 360(プレミアム) では 1 日あたり最大 7.5 万行、4 日で 15 万行となっています。
< レポートで表示できる上限 >
集計期間 | 行数の上限 | |
---|---|---|
単日の処理 | 1 日 | 5 万行 |
複数日の処理 | 4 日 | 10 万行 |
標準レポートで (other) が出現する条件は、単日では最低でも 5 万行を超えた場合です。このように、ディメンションの種類が膨大になるよくある例としてはページパスやキーワードがあげられます。
ページパスやキーワードは以下の手順でからご覧いただけます。
< (other) の確認方法 >
上記のように、こういった問題のよくあるパターンとして、以下の 3 つがあげられます。
1 つ目は、URL にさまざまなパラメータが付与されることが原因で (other) が出現していました。
まず、パラメータ(クエリストリングス)とは、ブラウザなどからサーバ側へ情報を送信する際に URL 末尾に付け加える変数で、URL の疑問符(?)以降の値をいいます。
例えば、以下の赤字の部分がパラメータにあたります。
https://www.oro.com?Variable=Value
このパラメータはコンテンツ間での情報の受け渡しに利用され、広告の情報やコンテンツの判定、セッション情報の受け渡しのようにさまざまな場面で利用されます。
しかし、パラメータの利用は非常に便利な反面、WEB サイトの分析上では不要なものも多くあります。Google アナリティクス では、パラメータが付与されたページは Google アナリティクスで利用されるキャンペーンパラメータを除いて、パラメータが付与されたままページパスとして処理がされます。
< ページの URL >
https://www.oro.com?Variable=Value&utm_source=summer&utm_medium=email
↓↓↓
https://www.oro.com?Variable=Value
つまり、本来は同じコンテンツを表示するページでも、分析上不要なパラメータが付与されることで Google アナリティクス 上では異なるページとして処理がされます。
この場合の解決策は、管理のレポートビュー設定にある "除外する URL クエリパラメータ" で分析上不要なパラメータを記載します。
また、ページパスには必要ないがパラメータの情報は保持したいという場合は、フィルタなどでカスタムディメンションに値を格納し、除外をすることをおすすめします。
< 対処法 >
2 つ目は、WEB サイトの URL が正規化されていないことでページパスの数が倍に増えてしまい (other) が出現していました。
URL の正規化とは、以下に記載の< ページの URL >のように分散した URL を "オリジナルのURL" として統一する取り組みをいいます。
Google アナリティクス では、正規化されていない URL では異なるコンテンツとして処理します。
< ページの URL >
https://www.oro.com
https://www.oro.com/index.html
↓↓↓
/
/index.html
この場合の解決策は、.htaccess などでリダイレクトをおこない "オリジナルのURL" として統一化することです。また、リダイレクトが難しい場合には、管理のレポートビュー設定にある "デフォルトのページ" を設定することで分散したページパスの統一化をおこなうことができます。
< 対処法 >
3 つ目は、どうしても (other) を解消することができない場合です。
掲示板などのようにユーザーが自由にページを生成できる場合やサイト内検索の結果をページとして生成するサイトのように分析上 (other) を解消できない場合も多くあります。
この場合の対処法は、コンテンツ単位でサイトを分析することができるコンテンツグループを利用することをおすすめします。
また、事前集計データの< ディメンションと指標 >の組み合わせ以外のアドホックな処理をおこなうことで事前集計データではないデータを参照することもできます。
例えば、セグメントを加えたり、セカンダリディメンションを追加したり、カスタムレポートを利用するという方法です。
なお、上記の場合にもレポートに表示される上限は 100 万行となっています。
< 対処法 >
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